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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
第1章 「首刈兎は主人と出会う」
17/84

第11話

評価者数100人突破!

評価してくださった方々、ありがとうございます。

え、えー…どういうことなの…。

なんでプレイヤーの俺が契約してるんですかねぇ?バグ?…にしては普通にウィンドウに表示されてたけど…。

ベルも困惑した様子で帰ってきた。


「え、ええと、ラビ君…大丈夫?」

「あ、あぁ、まぁ体に異常はないけど…」


うーむ、どうしたものか…。


「ちなみにベルさんはどうしてこうなったかわかる?」

「え、ええと、《契約》を使ってウルフと契約しようとしたら、ウルフがどっかいっちゃって、そのまま契約印?みたいなものが進んでいってラビ君にあたったんだけど…」


ふむ、テイムした後に契約が失敗する奴が起きたわけね。

テイムしたモンスターがいきなりどっかいっちゃうことがたまにあるらしい。んでその契約印が俺にあたって、ボタン連打してたせいで承諾しちゃったと…、ほんと、ボタン連打誤爆って怖いわ。


「ええっと、《契約》の効果はなんだったっけ?」

「あ、ちょっとまってね?ええと…」


ベルに《契約》の説明文を読んでもらう。


《契約》:モンスターなどの獣と契約できる。


ふむ、なるほど、モンスターなどの(・・・)獣が対象か…

つまり獣人も獣の一種とみなされたってことかな?プレイヤーを使役できるようにするとか、おもしろいこと考えたな運営。


「まぁ、《契約》の効果なら契約解除ができるだろうから、そうすればいいか」

「あ、そうだね!ええっと…」


ベルはウィンドウを呼び出し、契約解除をしようとする。

その間、俺は暇だったので自分のステータスを見てみることにした…


[キャラクター]

 プレイヤー名:PlayRabbit

 性別:男

 種族:獣人・兎族(契約状態)

 職業:刈人

[ステータス]

 LEVEL:37

 HP:1010/1010(+300+40):1350

 MP:400/400(+150+40):590

 STR:58(+10+4):72

 DEF:55(+10+4):69

 VIT:63(+10+4):77

 DEX:67(+10+4):81

 AGI:76(+10+4):90

 INT:47(+10+4):61

 WIS:43(+10+4):57

 LUK:10

[技能](8/10)

<鎌使いLV41><跳躍LV39><斬撃LV41><闇魔法LV31><探索LV35><鑑定LV34><鍛治LV14><軽業LV27><拳闘LV31>

 [一般スキル]

《合成》

[装備]

 武器:初心の大鎌

 頭:ゴシックハット

 上部:ゴシックコート

 下部:ゴシックスラックス

 補助:ゴシックグローブ&ブーツ


…えーこほん。


「ちょっとまったぁああああああああああ!」

「ふぇっ!?なに!?」

「ど、どうしたんですか?」

「うさぎさん大きな声出してどうしたの?」


しまった、あまりのことに動揺して大声で呼びとめてしまった。一回落ち着こう…よし落ち着いた。

…なんだこれなんだこれ!?ステータスがめっちゃ上がってる、具体的にいうと10LV分くらい上がってる!?

え、なにこれどゆこと!?

前回見たときとの違いは種族の隣に契約状態って記述されてることだけど…。

ええっと、つまりこれはあれか?契約したことによって何らかのステータス上昇が働いた…って、契約の指輪かっ!

そうだよ、そういえばあれの効果は契約状態の奴の能力を上げること、つまりこの+10は指輪の効果…だとすると、この+4は…<契約魔法>の効果かな?あれにも契約したやつを強化する効果があったはずだし。

なるほどなるほど…そうとわかれば…


「ベルさん」

「な、なにラビ君?」

「君が良ければこのままにしてくれないかな?」

「ふぇっ?…え、えぇえええええええええええええええええ!?」


おう!?そこまで驚くこと!?

ベルは叫んだあと、問いかけてきた。


「そ、それってつまり…つまり私と契約していたいって…ことかな?」

「YES」

「そ、そうなんだ…」


即答すると、ベルは何やらぶつぶつとつぶやきだしたようだが、何を言ってるかは聞き取れなかった。

そしてそのあと、サイカが話しかけてきたが…なんかさっきより距離感を感じる…なぜ?


「ラ、ラビさんって特殊な趣味をお持ちなんですね?」

「…はい?」

「だって…契約したままということはつまり…姉さんのペットでいたいってことですよね?」

「…あー」


なるほど、そういうことか。

要約すると君のペットでいたいと堂々と宣言した俺…はたから見たら変態かな?


「うさぎさんペットになりたいんだー」


…いかんこんな小さな子にまで誤解をさせてしまう。すぐに訂正せねば…


「あぁいやちがうんだ。そういうことじゃなくてだな?ちゃんとした理由があるんだわ」

「理由…ですか?」


ベルは独り言状態から復活しないし、とりあえずサイカに教えておこう。


「今わかったことなんだけどな?獣人が契約するとーー」


説明しようとしたとき、近くにあった茂みからガサッという音が鳴った。なんだ?さっきのウルフが返ってきたのか?

音の主は茂みのほうを見るとすぐに見つかった。


『ピキー』


スライムだった。

それもただのスライムではなく、メタスラというレアなスライムだった。

メタスラとは、某人の家に勝手に上り込みタンスやツボなどを堂々と物色する勇者行為というものを行えるゲームのはOれメタルと同じようなものだ。

見た目はOぐれメタルと同じで銀色の液体状であるが顔はない。攻撃力はそこら辺のゴブリンよりも弱いが防御力はめちゃくちゃ固い。ただしHPは紙。そしてとにかく、速いのだ。攻撃をよけることよけること。

これだけ聞けばただのめんどくさいモンスターだろうが、やはりそこははぐOメタルと同じようなモンスター。こいつを倒すとめちゃくちゃ経験値がもらえる。どれくらいかというと、ベルたちのレベルが今10くらいなのだがそれが一気に15~18くらいまで上がるほどである。つまり何が言いたいかというと…


サッ(←俺が無言で武器を構える音

ビュン!(←メタスラが危険を感知して逃げ出した音

ドン!(←俺がハイジャンプを使用して前に飛び、追いかけた音


「え、ちょっとラビさん!?」

「逃がすかぁ!!」

『ピキー!?』


つまり何が言いたいかというと、PTメンバーを置いて追いかけてしまうという暴挙を犯してしまうほど、絶対に倒したいモンスターなのである。

あぁ誤解を解かねばならないのに体が勝手に…ってことで…


「待てこら経験値ぃいいいいいいいいいいいいいいい」


俺は叫びながら、メタスラを追い続けた。


ーーーベルーーー


うぅ…どうしよう。まさかラビ君にそんな趣味があっただなんて…私に受け入れられるかな…でも飼い主?になるの私だからちょっとうれしいという気持ちがあるからどちらかというとウェルカムな感じがあるみたいだから全く問題はないわけでええとつまり私とラビ君は同じ趣味を持っているということかないやいやそんなわけないとおもーー


「…!姉さん!」

「はっ!?今度とも末永くよろしくお願いします!」

「…なにいってるの?」

「え?…あれ?サイカ?…ラビ君は?」

「なんかモンスターを追いかけて行っちゃった」


えっうそっ!?

周りを見てみたが、そこにラビ君の姿はありませんでした。モンスターを追いかけたって…何を追いかけて行ったんだろう?


「どうしよう?」

「うーん…とりあえず動かないでここで待っておくほうがいいんじゃないかな?」

「…そうだね、下手に動いて会えなくなっても面倒だし…」

「まぁ、いままで普通にサイカとヒナでモンスターを倒せてたんだし、特に問題はないんじゃないかな?」

「緑の子が来たら燃やせばいいんだよね!まかせて!」


う、うーん…小学生が生き物を燃やすということに抵抗を持たないのはどうかと思うんだけど…ないとは思うけどゲームと現実の区別をしっかりしてもらわなきゃ。

私がそんな使命感のようなものにかられたとき、ふと声をかけられた。


「お、獲物はっけーん」

「しかも結構かわいいじゃん。ラッキー」


声の主は二人の男の人だった。装備は明らかに初心者が持っているものではなく第一陣の人たちであることが分かった。…あれ?今この人たち、私たちのこと「獲物」っていった?もしかしなくてもピンチだったりする?

アオイです。

感想にて質問されたのでプレイヤーが契約することについて補足しておきます。

契約方法ですが、《契約》を使用し、対象が契約することを承諾すると契約が完了します。ラビの場合ボタン連打による誤爆でしたが…

それと、契約しても主人に絶対服従ということはありません。

契約し、使役技能で指示をして、性能の上がったモンスター達で戦うというのが契約魔法師の戦いかたとなっています。なお、滅多なことがなければモンスターはしたがってくれます。

契約自体も、主人の方だけでなく、モンスターたちの方からも解除できるようになっています。

プレイヤー同士の契約ですが、今言った通り、強制力もなく契約するときはウィンドウが出てくるのでこれといったトラブルも起こらないはずです。

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