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ショータイム、その時




「はいよ〜。〈カラフル丼〉おっまちぃ〜♪」


 調度、テラス席のお客さんに配膳に出ていた(あみ)は、


「好きだと思う。


 そばにいると楽しいし、知らない世界が見える。

 出会えて良かったと思うし、これからだってそばにいたいと思う。

 だから、


     ちゃんと友達になりたいんだ」


 などと言う鎮の――いや、カラスマントのその言葉を聞いて、


「ぶはっ!」


 盛大に吹き出した。



 そのまま声を押し殺し、肩を震わせつつ調理場へと戻る。


「くくっ」


 しかし、どーにもこーにも笑いがおさまらなくて困る。

 傍らにいる千秋が、調理しつつ怪訝な目を向けてくる。

 それに片手で口元を押さえ、空いている方の手をヒラヒラと振って、調理に専念しろと言っておく。


「何笑ってるの。早く次のに取りかかって。お客さん、待たせる気なの?」


 肩を震わせている海に、(むつみ)が咎めるように言う。

 それに、海はなんとか笑いを引っ込めつつ答えた。


「わかってるってぇ♪ この海ちゃんがいるってのに、客を必要以上に待たせたりなんか、するもんかってんだ」

「はいはい。いいから手、動かして」


 海の口上はサラッと流し、お皿を出してサラダやらスープやらを仕上げていく陸。それを特に気にした風もなく、メイン料理に取りかかる海。


 その合間にふと、先程カラスマントが言っていた言葉を思い出して、あははっと笑みをもらす。

 いきなり笑い出した海に、調理場担当の面々から怪訝な視線が投げられる。

 それをちゃんとわかっている上で、苦笑しつつ、海はさらりと、とんでもない事を言った。


「好きだと思う、だってさぁ〜♪」


『はあぁっ!?』


 海のその言葉に、各々から驚きの声が上がる。


「いきなり、一体なんの話よっ!」

「す、好きって……あの、その、えぇっ!?」

「また唐突だなぁ」

「海ねぇだからね……」


 勢い良く振り返り、早口に告げる陸。

 好き、の言葉に反応して頬を染める千秋。

 隆維は目をぱちくりして一言呟き、涼維は苦笑いを浮かべる。


 そんな面々の様子を不思議そうに見ながら(しかしその口元にはニヤリとした笑み)、ケロリと言い放つ海。


「恥ずかしげもなく、よくもまぁサラッと言えるよねぇ〜♪ 聞いてるこっちが逆にこっぱずかしいっての〜」


 くっくっ、と海は笑う。

 海のその様子に、どうやら独り言っぽいと結論付けて、隆維と涼維は作業に戻り、千秋は、反応してしまった事に暫しもごもごしていたが、ふっ切るように調理を再開する。


 そんな中、インカムを通して渚から詳細を聞いた陸が、ひそりと海に囁く。


「それを素直に言える所が、鎮君(彼)の良い所でしょ」


 それに笑って海。


「ま、そーなんだけど。なんて言うかさぁ。あたしから見りゃ二人はじゅう〜ぶんっ、『友達』してると思うんだけどねぇ〜♪」


 くくっと笑う海に、やれやれと肩を竦めて陸。


「色々、複雑なんでしょ。周りにそう見えていても、本来はどうかなんて、そんな簡単にわかるものじゃないわ」

「まぁね〜♪ だけど男の友情って、あたし等(女)程、どろっどろしてないと思うけどなぁ〜」


 終始、さらりとした物言いの海。

 それが、楽しさからのものだと、わかっているのは果たして何人いることか。


「………………」


 その顔色を見て、陸が小さく息を吐く中、海はニヤリとした笑みを浮かべたまま、呟いた。



「良〜い友達同士だと思うぜ? あいつ等」






 因みに、歌姫へと可愛らしく着飾られたが歌わなかった空は、あげると言って拓人先生とデートに行ってしまった果穂先生に苦笑しつつも微笑ましくそれを見送りながら、お店を放って来てしまった事をはっと思い出し、慌てて店に戻っていった為、そのままの格好で接客する羽目になった。


 そのせいでお客さん達から空姫コールが上がる中、「明日のライブの宣伝なんです」と説明説得するのに、追われる事となったのだった。



ショータイム、その時話

海さん唐突ですみません(苦笑)しかもどうやら故意な独り言(笑)

空ちゃんは果穂先生から衣装貰っちゃいました(笑)

ありがとうございます!


とにあ様のURONA・あ・らかるとより、日生兄弟お借りしております


YL様のうろな町の教育を考える会 業務日誌より、拓人先生と果穂先生、お名前だけですがお借りしております


おかしな点等ありましたら、ご連絡くださいませ


次はライブ話だぁ〜!


※一部修正いたしました。失礼致しましたっ



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