8/8　その後

「ごめんなさいね、あの子達の息抜きに付き合わせちゃって」

　夕焼けが、その赤を更に色濃くする中。

　ブルーのビニールシートでへばっている佐々木と香我見に、 太陽(ひかり)が苦笑混じりに呟く。

「えぇですよって。ボクらも楽しかったですし、町民と友好を深めるんも、ボクらの仕事ですから」

「その割に、結構マジやったけどな」

　へらりと笑って告げる佐々木に、さらっと香我見。それに声を返す佐々木。

「香我見クンかてそーやったやんっ」

「俺はそーでもあらへん」

「嘘や！」

「嘘やない」

　言い合いを始めた佐々木と香我見を苦笑しながら見つめ、まだまだ水鉄砲で遊んでいる子供達を見やりながら、太陽は柔らかにその目を細め、微笑むのだった。

　この後、防犯要員としての仕事を放って、更に夕方までには戻ると告げていた佐々木と香我見の二人が、どうなったかは――……

　また別の話である。

　余談。

　ロワイヤルから数日後。

　旧水族館を訪れた太陽が、暁智を見つけて声をかける。

「あっちゃ〜ん。息子娘達の武勇伝入りＣＤ―ＲＯＭ、いらな〜い？」

「いる、いる♪」

　ロワイヤルは人知れず、撮影がなされていたのであった。

　子供達の知らぬ所で、そんな事が秘やかに行われたのだとか。