7/28 セイレーン、謳う
引き続き、とにあ様の水着コンとリンク中です〜
やっと書けましたっ
「海の家、ARIKA。夏限定でわれらがうろなに訪れる美人家族。三女にして麗しき歌声を持つたおやかな女性。セイレーンかローレライの化身か空姫」
カラスマントの口上を聞きながら、ノワールに手を引かれてステージへと上がる空。
その口上と観客の視線が恥ずかしくて、まともに前を見れず、目を伏せる。
(……あう〜〜。つい出て来ちゃったけど、ど、どうしようっ!?)
手を引かれ、ゆっくり歩いているだけのように見えるが、空のその心臓はバクバクと脈打っていて、今にも張り裂けてしまいそうで、頭では無意味な言葉だけがぐるぐるとしていて。
殆んど、耳に入ってきておらず。
「うむ。相応しきはセイレーンだな」
そう言って手を取られて、カラスマントに跪かれ、
「ローレライは河を生きる人魚。セイレーンは海をゆくもの総ての魅了する海鳥の姫たち。そう総ての魂を」
「歌っていただけませんか? セイレーン」
ノワールにまで請われて、はっと我に返る空だが。
「あっ、え、ええっと……」
時既に遅し。
ステージ上でおろおろとする空の耳に、審査員席から一声。
「歌ってよ、空姫ー。文化祭では歌ってたろ?」
「ふぇっ!?」
その声に驚いてそちらへと空が顔を向けると、ヒラヒラと小さく手を振る直澄くんの姿があった。
「すすっ、澄くんっ!? あっ、あれはっ、文化祭の時だけ、って話だったから……っ」
と、空が慌ててそう言うが、「おい、あの子って二年前の、うろ高伝説の文化祭ライヴの、ポーカルの子じゃね?」「あ、ホントだ! 空姫だっ」と観客席から誰だかの声が上がり。
あっと言う間に、空姫コールに包まれる会場。
(うそおぉ〜〜っっ!?)
それに、恥ずかしいやらこそばゆいやら、自分の迂闊さを嘆いて落ち込んだりで、なんとも言えない微妙な思いを抱く空だが、こうなってしまえば最早、後になど引けるワケもなく。
(……はうぅ、恥ずかしいよ〜〜っっ! で、でもっ……)
空は、ゆっくりと会場内を見回した。
これでも空も、ここぞという時は頼りになる、母太陽の血を引く娘である。
決める時は決めなければならないという事が、遺伝子からして理解っている。
それに、接客業者としての魂が告げている。
どのような事があろうと、観客(お客様)をガッカリさせるような事は、してはならないのだと――!
こくり、唾を飲み込み、空は差し出されていたマイクをそっと手に取ると。
「……ちょっとだけ、なんだからね?」
呟いて、目を閉じ深呼吸する。
だからその傍らで、おもちゃ屋の悪魔こと直澄くんとカラスマント、そしてノワールの三人が、親指を立てあっていた事など知るよしもなく。
ゆっくりと目を開き、空は静かに歌い出した――
♪
繋がるよ うろな(ここ)から
皆の笑顔 溢れる
自分、一人だけが 辛く、苦しんだと
思う時もあるかもしれないけれど
そんな時こそ 膝を抱えて
一人、落ち込んだりしないで
さあ、顔をあげて まわり見てみてよ
ほら、見えるでしょ?
君に手を差しのべてくれる
君の背中を押してくれる
人達がいること
君から 繋がるよ
さあその手、取って握り返して
溢れる思い
広がり 環になるよ
確かな繋がり(絆)、大切にしよう
笑顔が、生まれるから
さあ、その一歩踏み出して
繋がるよ 手と手で
笑顔溢れる うろな(ここ)から
「ARIKA共々、うろなの海をよろしくお願いいたしますっ」
歌い終わり、割れんばかりの拍手の中、そう言って頭を下げ、再び上げられた空のその頬は紅潮していたが、にっこりとした満全の笑顔が、浮かんでいた。
最後は結構、ノリノリな空姫なのでした(笑)
のせられたモン勝ちなのです、空ちゃんに関しては
断れませんから(笑)
いかに、そこまで持っていくか、ですね〜
とにあ様のURONA・あ・らかると、水着コンより
カラスマント、ノワールお借りしてます
YL様のうろな町の教育を考える会 業務日誌より
おもちゃ屋の悪魔、直澄くんお借りしてます
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