表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
319/373

11/26 見返りは…

訓練をしてやった見返りを要求するフィル




「おめぇ、忘れてねぇよなぁ?」

「あ? あぁ……」


 ニヤリとするフィルに頷いて、賀川はフィルの言葉を待つ。


 まだ頬を染めて立ち尽くしている子馬からは、ちょっと離れた所。


 向かい合うようにして立つフィルと賀川が言葉を交しているのを、(うしお)はフィルの傍にちょこんと座って聞いていた。


「さぁてと。なーにをしてもらうかなぁ〜?」

「……俺に出来る事なら、とは言ったけど。限度はあるんだからな?」


 ニヤニヤと、本当に楽しそうに思案するフィルに、一応、といった感じで呟いてみる賀川。

 フィルの事だ。どんな無理難題を押し付けてくるか、わからない。

 しかし、賀川のそれを聞いているのかいないのか、にーやにやした含み顔のままのフィル。


 何にすっかなぁ〜♪ と呟きケケケッと笑うフィルからの言葉を、賀川は微動だにせず待っている。

 いいから早く決めてくれ、という顔はしていたが。


 そんな賀川を見上げながら、汐は思う。


(……森で会った時はわからなかったけど、今は賀川のお兄ちゃんの〈キラキラ〉、ちゃんと視えてるんだよね。〈一本スジの通ったキラキラ〉と〈包みこむキラキラ〉、二つのキラキラが)


 きっと、〈何か〉あったんだ。

 色んな〈キラキラ〉が、入り混じってるくらいだもん。と心中で汐は考え。

 フィルの言葉を待っている賀川を汐が見上げていると。


「おっし、決〜めたっ!」


 パチン、指を鳴らし。嬉々としてフィルが告げる。


「んじゃ賀川(おまえ)、鍛えてやったのの見返りに、この俺様に酒奢りやがれっ!」


 ビシリ、指差しポーズでニヤリとするフィル。それに、若干拍子抜けしたような感じで賀川。


「……え、そ……、そんな事でいいのか……?」


 ぱちくりと目を瞬いて告げる賀川に、ニヤリとした笑みそのままに、フィルは続ける。


「一仕事終えた後っていやー酒だろうがっ。ま、全部終わったらってんでもいーけどなぁ〜?」


 くぅ〜、良いねぇタダ酒っ! と、今にも居酒屋に飛んで行きそうな顔をしているフィルを、賀川はただただ見つめ。

 そんな賀川を汐は苦笑しながら見上げて、お兄ちゃんのお財布が、カラにならないといいね。と思いながら、心の中で謝った。






「じゃ、空いてる時な」

「忘れんなよ?」


 などというやり取りをしている賀川とフィルに、立ち上がって汐は声をかけた。


「ね、フィル。賀川のお兄ちゃん」

「んぁ?」

「汐ちゃん? どうしたんだい?」


 それにくるり、此方に視線を投げて呟く二人。

 そんな二人に、汐は栗色の瞳をくるりとさせて呟いた。


「ちょっとだけ、付き合ってもらってもいい? 確かめたい事があるの」


ラタリアを奪還して来い!とか言いそうなんですけどね

あの子は望んで彼処にいるのを知っているので

飲みに行く事にしたようです


桜月りま様のうろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話より

http://nk.syosetu.com/n2532br/

高馬くん、賀川さん


お借りしてます

お気付きの点等ありましたら、お気軽に

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ