11/26 お買いもの
再上げー
とにあ様のURONA・あ・らかると 11/26 ショッピング とリンクしてます
返信に返信を返して、ふわりとフレアワンピースの裾を揺らしながら、タウンモール駅へと急ぐ。
今日はバイトが終わったらそのまま帰るつもりだったから、誘ってくれたのは嬉しかった。
「なに買うのかな? そろそろクリスマスの時期だから、それ関係かなぁ?」
呟いて、ふと思う。
そっか。今年はうろなでクリスマスなんだ
それじゃあきっと年越しも、だよね?
そう考えると、なんだか楽しくなってくる。
懐かしさの混じるそれらは、ちょっとくすぐったいけれど。
いつもとは違うものになりそうで、わくわくする。
そんな事を考えながら改札へ向かうと、鎮君が手を振っているのが見えて。
手を振り返しながら思う。
わぁ、鎮君制服だ。なんだか新鮮。でも、ちょっと懐かしい感じ
「お疲れさまー。引き受け感謝ー。お仕事上がりでも今日もかわいー」
なんて思ってたら、さらりと可愛いって言われて恥ずかしくなって頬を染める。
……はぅ。不意打ちは卑怯だよ〜
ドキリとしたのを悟られないように、普通に歩き出しながら、
「何を買うの?」
訊ねると楽しそうに話し出す。
「チビどもにばれないようにクリスマスプレゼントの準備」
そこに「そろそろクリスマスだもんね」と告げる間もなく、続きを話し出す鎮君。
「商店街とかだと、芹香がネタばれ調査とかしそうでさー。ミアとノアはサンタまだ信じてるんだしさ。ネタばれはよくないしさー」
「そ、そうだね」これも入れれずサラリと潰される。あうぅ。
「芹香やミラちゃんへのプレゼントはそろそろ女の子を意識したものかって思うとわっかんなくてさー。助けて?」
……ここまで来たら、流石に私だってわざとだってわかるよ?
ぺちん、額を軽く叩いて告げる。
「ワザとでしょ」
「うん」
それにさらりと、でも笑って言う鎮君。
「もう」
そんな無邪気に笑われたら、何も言えなくなっちゃうよ
でもちょっとは怒ってるんだから、というふりをしながら、モールへと向かう。
歩くスピードは、そのままだけど。
折角、一緒にいるんだもん
ショップを色々まわって。
どこももうクリスマス仕様になってて、見てるだけでも凄く楽しい。
これはどうかな、あっちのがいいかなぁ、と言いながら真剣に、プレゼントを吟味する鎮君。
それが本当に楽しそうで、ほんわりして。
こっちまで楽しくなってきて、嬉しくて笑みが溢れる。
皆のクリスマスプレゼント、何がいいかなぁ?
鎮君にアドバイスをしながら、皆の分を何にしようかなと考えていると。
「これなんかいいんじゃね?」
「えっ?」
そう言われて振り向くけど、何もなくて。首を傾げる私に、鏡を差し出しながら鎮君。
「ほら、かわいー」
鏡に映る私の頭には……
猫耳っ!?
「へ、えぇっ!?」
ぴこん、と揺れる黒色の猫耳に驚きつつ、恥ずかしくて慌てていると、
「空ねぇ髪黒だし、やっぱ白かな〜?」
「ひゃ」
ひょいっと付け替えられる。
今度は白い猫耳カチューシャ。鈴が付いていて、揺れるとちりんと音を奏でる。
「ちょ、は、恥ずかしいよっ……」
困ったように言う私に、えー? と鎮君は呟きながら。
「首輪と鈴付きしっぽもあるよ?」
と、きょとんと言ってきたので。
私は笑って。
「つけません」
それからも暫く付け替えられて。でもお返しにと、ピンク色の猫耳を鎮君の頭に付けてあげたら、意外に似合っててびっくりして。
私の髪に付けて感じを確認しながら、バレッタとバナナクリップの区別がつき難いと言う鎮君に、笑いながら、バナナの形してるからなんだよ、と教えてあげたり。
そんな感じでお店を回りながら歩いていたんだけど、鎮君の足がふいに止まって。
どうしたのかな? と思ってひょこっと顔を覗かせると、そこには骨を模したヘアクリップが置いてあって。
それを、じっと見ている鎮君。
「……流石に、それはないんじゃないかなぁ……」
だって小さい女の子用だよ? と思いながら声をかけるんだけど、
「んー、でも」
真剣な顔して、悩んでいる鎮君。
それはないから、と引っ張っていくのが精一杯だった。
フードコートで小休止。
「結構色々買ったね。あとって何があるかなぁ。ねぇ鎮く……」
あれとかこれとか、と考えながら横を向くけど、そこに鎮君の姿はなくて。
……あれっ!? えっ、な、なんで??
ついさっきまで、そこにいたのにっ
荷物あるよねっ? あぁ、よかった
……じゃなくてっ、鎮君は一体どこにっ?
荷物置いたまま、動く訳にはいかないし……
ど、どうしようっ!
と、オロオロしている私の後ろから、声。
「はい。ジェラートどっちにする?」
「ひゃあっ!?」
その声に驚いて振り返ると、ジェラートを持って立っている鎮君の姿。
よかった、居てくれた。とその事に安堵しつつも、驚いた勢いで、そのまま言葉を続ける。
「し、鎮君っ!? いきなり、びっくりし」
ちゃうよって言葉は、最後までは紡げなかった。
「あ、ごめん。つけちゃった」
私の声に重ねるようにして告げられたその言葉と共に、一瞬視界がかげって。
え? って思った時には、頬にふわりと柔らかな感触。
「ん。りんごの、さっぱりしてて美味い」
舌をペロリとさせて呟く鎮君の言葉は、たぶん聞こえてない。
…………
………………
……………………!?
いっ、いいいま、な、なににっ??
えええぇぇぇっ!!?
体温が、急激に上がっていくのがわかる。
心臓が、壊れるくらい早鐘を打って、息が苦しい。
今、きっと顔真っ赤なんだろうなとか、何か言わなきゃとか思うんだけど。
上手く言葉が出て来なくて、口をぱくぱくさせながら鎮君を見つめていると、
「空ねぇ? ジェラートどっち?」
きょとんとした顔で、鎮君が聞いてきて。
「……〜〜っ!」
それに、意識してるのは私だけなんだって、余計に恥ずかしくなって。
慌てて俯いて、消え入りそうな声で、そっ、そっち、って言って渡されたのは。
秋冬限定スノープリンセス(りんごのジェラート)の方で。
火照った身体を冷ますのには調度よかったけど。
ーー味なんて全然、わからなかった。
だけどその後、「荷物を置いていきなりいなくなるなんて」って怒っちゃったのが照れ隠しだったって事、気付かれてないといいんだけどな。
買い物を終えて、ホテルのそばまで送ってもらって。
「今日はありがとう。今度、ご飯奢るって言ってたやつ何時にするか、このイベントのあとでつめよーな」
って言う鎮君に、微笑んで手を振って。
見えなくなるまで見送ってから、くるりと踵を返してホテルへと向かう。
ドキドキしたりもしたけど、楽しかったなとか、次っていつかなぁ、とか思いながら歩いていると。
ふわりと風が吹いて、髪が乱れる。
それを直そうとした手が、ふいに頬に触れて。
「っ!」
突然のフラッシュバックに、ドキンと鼓動が高鳴る。
冷ました胸のドキドキが、再熱するかのように熱くなって。
落ち着かせるかのように、立ち止まるけど。
どうしよう。
触れられた頬が、まだ。
熱い。
可愛い方に、と思って書いたら、こうなりました(笑)
空ちゃん落ちそう??
とにあ様のURONA・あ・らかるとより
https://book1.adouzi.eu.org/n8162bq/
鎮君、妹ちゃんたち
お借りしております
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