11/20 続行?
再上げー
「あれ、海ねぇ」
「よぅ、鎮」
晴れのその日。
ランニング中の鎮を見つけ、横を並走しつつ告げる海。それに首を傾げて呟く鎮。
「海ねぇもランニング?」
「ん〜? 常いつもならこの時期は海外で、飢えた熊やら猪やらを相手にしてる筈だかんねぇ〜。町ン中は概ね平和で、ジジィどもに毎日しごかれてるとはいえ、それだけだと身体がナマっちまうんだよ」
海のその説明に、どーゆー生活してんだよ。と呟きつつ、海ねぇならありそうだよな、などと思ったりする鎮だが、口には出さず。
今までの経験上、海が『何事もなく』近付いて来た事などないのを知っている鎮は、言われる前に口を開く。
「クエ完遂出来た?」
その言葉に、走りながら鎮の首をひっ掴んで海。
「六十五だぞ! 六十五点っ!」
「うわっ! ちょっ、あぶないって!」
いきなりの事に声を上げる鎮。それに、確かに危ないなとその首ねっこをぱっと離して、くるっと鎮の前に回り込んで後ろ走りしつつ指を立て、続ける海。
「六十、五。この数字が、どーゆー意味かわかるかっ!?」
「えーと。普通よりはちょっと良い、くらい?」
それに、うーんと悩んでから鎮。
そんな鎮の鼻先に、人差し指を突き付けながら海。
「そ・う・だ・よっ! 初デートがその評価ってどーだよっ? ダメだろっ!」
「えー。空ねぇは、楽しかったって言ってたけどなー?」
なんて呟く鎮にはぁ、とため息してから、ずばり言う海。
「それは空だから、だろっ! デート相手にデート中に放っとかれたら、フツー怒るぞ? あたしだったらはっ倒して帰るっての。それに、約束してた飯奢るっての、忘れてたんだってぇ?」
「う……。それは確かに俺が悪かったと思ってるし、反省してる」
じろりと睨んで来る海に素直に告げ。
しかし海のその言い方に、海ねぇ的評価はって事だよな、と思いながら訊ねる鎮。
「じゃあ、クエは失敗?」
首を傾げて呟く鎮に、くるっと身体を反転させて並走状態に戻してから、頭の後ろで手を組みつつ、呟く海。
「空が楽しそうにしてたみたいだし、鎮に、次を取り付ける甲斐性があった事に免じて、クエ完遂って事にしてもいーけど〜」
そこまで言って、海はくりっと横を走る鎮に顔を向け。
「『次』あるんだろ? が〜んば〜れよ〜? 青少年♪」
にやりと笑って告げる。
「それって……クエ続行って事」
「さぁてね〜♪」
訊ねる鎮に、くくっと笑って海は告げて。
ひらっと降下してきた小型飛行物体からの、
『…………海姉。そろそろ戻らないと、遅れる』
「おっと。もーそんな時間? 了〜解〜」
渚の言葉に声を返し。調度さしかかった分岐点で、したっと手を上げ。
「んじゃ、あたしこっちだから。まったな〜鎮♪」
さらっと言って、鎮が曲がるのとは逆の方向に、海は駆けていくのだった。
辛口な海でした(笑)
とにあ様のURONA・あ・らかるとより
https://book1.adouzi.eu.org/n8162bq/
鎮君
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