11/16 町案内、という名のWデート? お昼にしましょ〜
前回から引き続き、ラヴぃ回!(笑)
桜月りま様のうろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話
11月16日 逢引?中です(汐ちゃんと:謎の配達人)
このダイジェスト回とリンクりますー
「お披露目も無事終わったし、冷めない内にお昼にしましょ〜♪」
各々、軽く挨拶し合った所で。
ぽん、と手を合わせ。ほわわんと告げた山桜桃のその声に。
確認するように太陽が続ける。
「まなかば双子に陸、あと椛君は?」
「えーと、双子と陸姉は、ランチプレート風にしたのを持ってったよ」
「双子の姉達は「創作意欲が消えちゃうから」って言ってて、陸姉は過去問題集一冊、今日中に終わらせたいからって。三人共部屋に籠っちゃったみたい」
太陽の問いに炯と燎が、息を合わせたように答える。
そうしていると仲の良い兄妹に見えなくもないが、互いに口を開けば憎まれ口を叩き合い。かと思えば共に組んで闘技をさせると、素晴らしい程のコンビ力を発揮する。
息が合っているのかいないのか。よく分からない兄妹達だ。
青空燎。十五歳。うろな中学校三年生。
源海の次男、彼方と柚月の二人目の娘。次女であり四番目の末っ子である燎は長女の燈と瓜二つな程その容姿が似ているが、性格は全くの正反対。
腰まである烏の濡れ羽色の髪と焦げ茶の大きな瞳。母親譲りのはっきりした顔立ちまでは一緒だが、姉はおっとり物静かな文学少女。妹の方はというと闘技に長け活発で、外が似合う元気っ子だ。
すぐ上の兄、炯とじゃれ合っている事が一番多く、闘技ではセット扱いの二人のコンビネーションは抜群。凸凹の身長差を活かした錯覚撹乱系の戦闘を好み、四家族合同の練習試合の際、泰や海にはやりにくい苦手なタイプといえた。
「椛兄はーー……」
二つに結った髪を揺らしながら、くるりと周囲を見回す燎。もう一度見回して目的の人物を見つけ、シャツワンピの裾を翻しながら窓の側へと寄っていく。
「椛兄ーー。ご飯だよーー」
「ん〜〜……」
そう言って声をかける燎に、驚いたのは賀川と雪姫。何故って燎が声をかけ肩を揺すっている人物は、なんと。カーテンと窓に出来た僅かな隙間に、身体を横たえ寝ていたからだ。それも、直立不動の姿勢をそのまま、横に倒したような格好で。
「Kagariかーー。ふあ、……ぁ。good moaning〜〜、good nightーー?」
「もうこんにちはだけど、はい、おはようーー、って寝ないでよ!」
「だってsleepingだよ、Meはーー。Evil godが、Lostしなくてぇーー……Zzz」
「そうやって、ずーーっと寝てる気でしょっ。駄目だってば。ご飯食べなきゃ死んじゃうよー」
そんな二人のやり取りを仕方無さそうに見守る家族その他の面々の中、汐の側へとやってきた炯が二人を指差し「行って来い」と指示を出す。
それに微苦笑を浮かべながらも、燎と椛の側へと汐は歩み寄り。
「ーー椛お兄ちゃん」
汐が椛を呼んだ瞬間。
カーテンを跳ね上げガバッと起き上がった椛同様、瞬時にその場から斜め後方へと飛び退った燎は壁を蹴って空中でくるりと回転し、トンっと床の上に降り立つ。
その間に汐の脇に手を入れ、立ち上がると同時にくるくる回りながら、椛が興奮気味に告げる。
「Konata's father treasure! Ushio味方に付ければEvil godもLost! Ushio協力OK〜?」
「それは大丈夫だけど、椛お兄ちゃん」
「What,Ushio?」
「自分の力で認めさせる事が、条件なんでしょ?」
「Oh.Yes! Ushio味方Me Power! Evil god,surrender.万々歳! yeh〜♪」
「そんな簡単にいくのかなぁ? じーじは……、手強いと思うよー?」
「…………」
首を傾げて告げる汐に。一瞬、考えるような間を置いて。
「それは承知してるけど……。これだけはどうしても、譲れないから」
真っ直ぐ、その白灰色の目を向けて言ってきたのに、にっこりして。
「じゃあ、しっかり体力付ける為に、しっかり食べないとだよね?」
「Oh.Yes! rice活力Energie! appetite.desire to sleep.ecstasy! 生きる基本!」
その言葉に、汐を片手に座らせ額にキスを落としてから。
Launch,Launchと、上機嫌で繰り返す椛は。
「…………」
ぱちくり、白灰色の目を瞬く。
「…………」
「…………」
椛と目が合った賀川と雪姫も、その驚きに満ちた目をぱちぱちと瞬いた。
青空椛。十九歳。今年の四月から源海が使用する家族スペースの一室に、居候させてもらっている。
源海の二人目の息子、彼方と双子の娘此方の養子。
引き取られた八歳の時から世界中を飛び回る此方について回っていた為、日本語と英語どちらも出来るが、混合した喋り方が抜けない。興奮するとミックス度が増す。標準は日本語。
ある目的の為此方の元を離れホテルに身を置いているが、白灰色の目はいつも眠たげでカーテンの隙間やソファで日がな一日寝ている事も多い為、他家族に言わせると「邪魔」「何をしに来たのかさっぱりわからない」等と言われる始末。
しいて言えば、ホテルにやってきた次の日、思い切り良くイメチェンして皆を驚かせた事くらいか。
「この頭なのは決意表明で、背高くて身体も大っきいけど、何もしないから大丈夫だよ〜?」
窓の前にいた時の印象と側に来た時の印象が違う事に驚いているのかな、と思って椛に抱かれたまま汐がそう告げる。
賀川が少し見上げた位置に椛の優しげな顔があり、細身の割に引き締まった良い身体をしている為、長身なのも相まって威圧感が凄い。
パーカーとスェットパンツというラフな格好が、何故か似合っているのにも妙な違和感を覚えさせる。
加えて見事なまでのスキンヘッドが、賀川や雪姫からしたら僅かに逆光越しであり。凄味がプラスされていた。
「っ! 失礼しました」
「す、すみませんっ」
反射的に謝って頭を下げる賀川と雪姫に、にっこり笑って椛が呟いた。
「sorry sorry.Ushio's Friend? お客様? どっちも大事! no problem!」
HAHAHA! 全く気にしていないように笑う椛に顔を見合わせてホッと胸を撫で下ろし。賀川と雪姫が互いを見つめ笑みを浮かべる。
「みんな〜。今度こそ本当に、お昼にしましょ〜」
そこに山桜桃のほわわんとした声が、再び響いたのだった。
ある程度、ウチとこの子たちは出た感じかなー
まぁ、がっつり絡む事はあまりないかもですが
桜月りま様のうろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話より
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賀川さん
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