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11/16 町案内、という名のWデート? 着せ替え人形、その前に【女性陣】

前回から引き続き、ラヴぃ回!(笑)

一旦今回で打ち止めですがー


桜月りま様のうろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話

11月16日 逢引?中です(汐ちゃんと:謎の配達人)

このダイジェスト回とリンクりますー





「雪姫お姉ちゃん大丈夫?」

「……は、はぃ……」


 うしおに支えられながらなんとか、脱衣所の長椅子までたどり着き。

 そこにそっと腰掛けた雪姫ゆきは、心配そうに見上げ訊ねてくる汐に笑みを浮かべ声を返すが、高めに設定されている湯船の温度と双子の姉妹まなか、なかばに「悪戯」された時の(羞恥からくる)火照りも合わさって、どうみても辛そうだった。


 お湯で温められた肌は元々色白である為か、全身ほんのりと桜色に染まり。

 つやりと潤む神秘的な紅の瞳、ふっくらした頰は肌より更に朱を帯びて。

 濡れた桃の唇から溢れる吐息は小刻みに早く、それでいて甘さが後を引いてるかのようだった。


 大人の女性になりゆく間際の少女の色香などまだ知りもしない汐だが、神聖ですらあるかのような艶を醸し出す今の雪姫を、「賀川のお兄ちゃんに見せたら危ないかも……」、とはなんとなく察し。


「濡れタオル(これ)でおでこ冷やして、ちょっとだけ待っててね」


 浴室と脱衣所を隔てる扉の側に設置された、洗面台兼手洗い場の水道で濡らしてきたタオルを雪姫に差し出し。

 身体を冷やすといけないから、とバスローブもちゃんと羽織らせてから。

 ちらっと服を脱いだ各々のロッカーを確認してみたが、置いてある網かごの中身は貴重品くらいなもので、塩まみれ砂まみれの二人の服は既に片された後であり。

 今頃はホテル内に設けられた手洗い専用のブースで、付着した砂のはたき落としか塩抜きの為巨大な桶でつけ置きされている頃だろう。


「…………」


 少し、躊躇う。

 このじゅっさいでタオル一枚巻いただけの姿で、一応公共スペースでもある廊下に出るのは乙女的に少々気恥ずかしくもあるがしかし、雪姫の容体の方が心配だった。


「汐、お母さん呼んでくるっ」

「ぇ、あ……う、うしおちゃん……っ」


 そう告げると意を決し汐は、雪姫の声を背後にそこから駆け出して廊下へと続くドアノブへと、手をかけた。


「こーら。そんな魅惑的なカッコで、廊下そとに出ちゃダーメ♪」

「わっ!?」


 扉を開いた途端、そんな声と共に掬い上げられ、驚いた顔を眼前に向けると。

 そこにはまるで出てくるのが分かっていたかのような、柚月ゆつきのにっこりとした顔があった。


「柚月お母さんっ?」


 なんで、と驚いたがどうして? の方が大きい汐は柚月に抱き上げられた状態のまま、後ろに続く二人の母にも向けて、きょとんとした顔をする。


「きょとんとした汐ちゃん、可愛い〜♡ ん〜♡」


 そんな汐を見るやキラキラした瞳をして黄色い声を上げた柚月は、そのまま海外帰り満載の挨拶キスをその小さな頰に落とす。


「や〜ん……っ!?」


 何時もの事であるとはいえ照れくさげに返した汐だが、その気配に気付いてハッとすると、察して柚月の腕から奪うように伸びた太陽ひかりの腕にさらわれながら、


「ゆ、山桜桃ゆすらお母さん、ま……」

「もぅ、つきちゃんたらっ。てぇ〜い♪」


 慌ててかけた静止の声は、被るように告げられた山桜桃の声にかき消され。


「べぶしっ!?」


 珍妙な声をあげ。

 柚月はまたしても。

 床とお近付きになったのだった。





「柚月お母さん大丈夫? ーーって、そうじゃなかった、雪姫お姉ちゃんがっ!」


 頭から白い煙を立ちのぼらせる柚月の側に屈み込み、心配そうにそう声をかけた汐だったが。

 タオル一枚で廊下へと向かう事になった経緯を思い出し、あっと声をあげる。

 汐のその態度に一瞬の内に封殺され、じょーっと涙を流しながら「うぅ、ヒドい……」なんて呟いている柚月を放って、切羽詰まった汐の声に山桜桃と太陽がすぐ様脱衣所へと足を踏み入れ。


「あらあら、大変〜」

「雪姫ちゃん? のぼせたのかしら、大丈夫?」

「……は、はい……」


 長椅子にぐったりと腰掛けている、まだ辛そうな雪姫に声をかけて。


「水持ってくるから、それまで横になってなさいね」

「汐ちゃん、ついててあげて〜。ブランケット取ってくるから〜」

「うん」


 てきぱきと指示を出し、脱衣所から出ていくついでに転がっている柚月を叩き起こし。


「事情を聞けそうなら聞いておいて。ーーでもね、つきちゃん」

「な、なにかしら? ひかりちゃん、ゆーちゃん」


 にっこりと微笑む太陽と山桜桃に、恐々、といった感じで柚月は聞き返す。

 なんとなく、嫌な予感がするからだ。

 早くに各々結婚し、それからはまるで姉妹のように過ごして来た三人だ。お互いの事はそれこそ、血の繋がった本当の姉妹のようにわかっている。

 にーっこりしたまま、儀姉ゆすら義妹ひかりは柚月にざっくりと釘を刺した。


「くれぐれも、変な「フェチ」、発動させないようにね?」

「じゃないと〜」


『後が怖いわよ〜?』


 うふふふふ……

 黒々したオーラを纏いながら、愉しそうに愉しそうに微笑む二人に、そのほっそりとした頰を引きつらせながら。


「……わ、分かったわよぅ……」


 呟いて「折角のチャンスだったのに」とぼやきながらガックシと、柚月は肩を落としたのだった。

柚月が可哀想な回?になりつつあるよーな(苦笑)

フェチズムが凄い母ちゃんなのでスイッチ入るとアレ、な


桜月りま様のうろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話より

http://nk.syosetu.com/n2532br/

雪姫ちゃん


お借りしております

継続お借り中です

おかしな点等ありましたら、お気軽にご連絡くださいませ


まだまだ続くデート回!なんですが

一先ず終了〜

暫しの毎日更新お付き合い、ありがとうございましたー


また書き上がりましたら投稿再開したいと思いますー

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