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7/22 ちょっとそこまで

 騒動から、少し。


 今日は曇りで、昨日の雨日の閑古鳥を思えば、すこぶる盛況。


 猫の手も借りたいくらい、忙しい時間。


 だけど。


「…………」


 ちらり、動き回る太陽(ひかり)を、(あみ)は密かに盗み見る。


 オカンに、いつものキレはない。いや、見た感じはいつもどーり。

 変わらないオカンがそこにいるけど。

 こんな些細な変化に気付くのは、家族ぐらいなもんだ。


「……海お姉ちゃん」


 と、芹香ちゃんと鈴音ちゃんと遊んでいた筈の(うしお)が、いつの間にか傍らにいた。

 じっ、と此方を見やる。


 あっちゃ〜。コレは、ダメだわ。マジだ。


 被害被るの、あたしなんだけどなぁ。

 今日はいつものメンバーの他に、千秋、涼維、公志郎がいるし、大丈夫だろうとは思うけど。


「……はぁ〜」


 と、あたしがため息を付いた所で。


「海」


 オカンに呼ばれる。

 その手には、三段重ねのティースタンド、二つ。


「うぇ〜、そんなにっ!? そんなになのかよ、オカン!」


 驚いて声を上げたあたしを、訝しげに千秋達が見やってくる。おおっと。


「……もちょい、なんとかなんないの」

「あら。海の家ARIKAの調理担当が、それくらい出来なくてどうするの。それに、今日は千秋君がいるんだから、楽勝じゃない」

 うんざりするあたしにオカンはサラリと告げてにっこりし、引き合いに出された千秋が、きょとんとした顔をする。


「はい、母さんこれ」


 と、どうやら(ムツ)姉は早々に諦めたようで、重そうな袋を手渡している。


 ま、いいか。今日千秋いるし。

 それを見て、あたしもやれやれと肩を竦めて諦めると、ティースタンドに器ごと軽食やらつまみやらを詰め込んで、ジャッとカバーをかける。


「てやんでぃっ! 持ってけドロボウ!」

「ありがと海! 愛してるぅ」


 あたしが腕を組んでそっぽを向くと、愛の言葉を吐いてティースタンド二つと袋を片手に、店を飛び出して行くオカン。


「え!? ちょ、いきなりどこにっ!?」


 その後ろ姿を慌てて千秋が止める。

 まぁ、そらそーだ。あの流れでオカンまで飛び出すとは、思わねぇよな〜。


 なんてあたしが思っていると、オカンが振り向き、笑って言った。

 そりゃーもぅ。太陽みたいにキレーな笑顔で。


「ちょっと行って、あっちゃんイジってくる」


「えぇっ!?」


 オカンの言葉に驚く千秋。隆維涼維はそうでもない。


「それ、は。あっちゃんの長所であって短所なの。私は、それでもいいと思ってるけどね。人様のトコの事情なんかに、踏み込んだりしたくないわよ? 面倒くさいもの。でも、さっきのはダメ。私的には」


 呟いてニヤリと含み笑いを晒すと、


「私にメーワクかけたんだもの。つぶれてもらうわ」


 んな事をほざいて、走り去った。


 ありゃあ、違った〜。

 しばきに行くのかと思いきや、単に飲みに行きたかっただけかい!


「え? え? え?」


 オカンの二つのその言葉は、千秋を混乱させただけだった。



実は怒ってる?太陽母さん

でも、袋の中は絶対ビールだ(笑)


とにあ様のURONA・あ・らかるとより

千秋君、隆維君、涼維君、公志郎君、芹香ちゃん、鈴音ちゃん

引き続き借りてます、バイトの諸君

あとあっちゃんを


おかしな点等ありましたら、ご連絡くださいませ


丸投げ〜?


※一部修正

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