10/31 ハロウィン・その後
アッキ様のうろな高校駄弁り部・ハロウィン回の、その後話となっております
「すっごく楽しかった〜! あ、そうだ。空お姉ちゃん、恵美お姉ちゃんからお手紙? だよ〜」
お菓子の家ARIKAをきっちりお片付けしてきてから、源海の経営するホテル、〈ブルー・スカイ〉のプライベートフロアの一室、自分達家族用にあてがわれた部屋に帰ってきた汐が、リビングでお茶の用意をしてくれていた空にそう告げる。
「恵美ちゃんから? なんだろう?」
小首を傾げて呟く空。空が手紙を受け取っている間に、海は温かいお茶の入ったコップを手にソファへといき。渚もちょこんとその端に座り、置かれているお茶には目もくれず、まだマフィンを食べていた。
思いのほか出来がよかったのか、気に入ったらしい。珍しい事もあるものだ。
「ガキってのは、やっぱ元気なのが一番だねぇ〜♪」
顔のペイントを落としながら、海がそう呟いていると。
「っ!? え、ちょ、ひゃうっ? は、はわっ……、はわわわわ〜〜っ!?」
顔を真っ赤にして、持っていた紙を取り落としながら、空が妙な声をあげる。
「あん? ……どったの空?」
「…………?」
それに、首を傾げつつ空を見上げる海と渚。汐はきょとんとした顔をして空を見上げ、栗色の瞳をぱちくりと瞬いている。
「……あっ、ああの、そのっ……あうぅ……っ」
そんな三人にぱちぱちと目を瞬きながら、忙しなく黒の瞳を泳がせ、真っ赤な顔をして頬を被いつつ告げる空は、余程動揺しているのか、なかなか言葉が出て来ない。
その間に落ちていた紙に気付いた汐が、
「コレのせーじゃないかな〜?」
呟いてひょいっとその紙を拾う。すると、それに反応した空が慌てて、
「だだだっ、ダメダメダメェ〜〜っ!! 汐はまっまだ、見ちゃだめぇ〜〜っ!」
汐から手紙を取り返そうとするが、
「わっ!?」
「きゃあっ!?」
勢いあまって、二人一緒にソファにぽふりとダイブする。
その間にヒラリ、汐の手を逃れた手紙が海の手の中へ。
「さぁて。な〜にが書いて、あっるのっかな〜♪」
「っ!? あっ、ああああみお姉ちゃんっ! だっ、だだだダメだよ〜〜っ!!」
ニヤリとして手紙を開く海。それを真っ赤な顔のまま空が止めようとするが、手があと少し、届かない。
その間にぴらり、開かれる手紙。
きゃ〜〜! と叫んで顔を被う空。真っ赤な顔が更に朱に染まる。
「ん〜? なになに? ……【アダルトな大人の女になるための、男の誘い方】……だぁ?」
読み上げ、一瞬ポカンとしていた海だったが、
「――あははははっ! っとに。やるねぇ〜恵美っちってば。……くくっ。なぁ空? 恵美っち見習って、やってみてもいーんじゃね〜? 朝はしとやか、夜は妖艶美少女って、売り出せるかもしんねーぜ? 確かに空にゃ、男経験無さすぎだからなぁ〜」
腹を抱えて笑い出し、しまいにはやってみたらどうだ、と提案までしてくる始末。
ニヤリとその口角が上げられていて、もの凄〜く面白そう、という表情をしている時の海は、あまりにも危険だ。
放っておいたら、本当に実行しかねない。
「むっ、むむむ無理だよそんなのっ! そっ、それにそーゆーのは、海お姉ちゃんとか、陸お姉ちゃんとかがやった方がいいんじゃないかなぁっ!?」
慌てて矛先を変えようとする空だが、
「私がどうかしたの?」
「ひゃあああぁぁっ!?」
お店の最終確認を終えて太陽と共に帰ってきた陸が、リビングにひょこっと顔を出して訊ね。
それに驚く空を放って、海がニヤリとしたまま言葉を紡ぐ。
「陸姉。いや、それがさぁ〜」
「あっ、あみお姉ちゃんっ! おっ、お願いだから、もうやめてぇ〜〜!!」
ニヤリとしたままの海に、空は涙目で必死に懇願するのだった。
そんな事が行われている傍らで、渚は一つ息を吐き。
「…………やりすぎは禁物、だけど……空姉には、良い機会?」
小首を傾げて呟いた。
きっと、エロインな方法が色々書かれているに違いない(笑)
お片付け中にしようかなと思ったんですが、それだと皆いるので、空ちゃんが恥ずか死にそうだったので
アッキ様のうろな高校駄弁り部より、霧島恵美ちゃんをお名前だけお借りしております
あと空ちゃんのネタを(笑)
おかしな点等ありましたら、ご連絡くださいませ




