10/27 決闘観戦後・夜
YL様のうろな町の教育を考える会 業務日誌 10月27日 決闘編
の後話的です
「決闘、凄かったね〜♪」
「決闘観てますます、鬼神のじーちゃんと、先生とヤり合いたくなっちまったよ〜あたし♪」
渉先生と勝也氏の決闘を観戦した後。
ホテルの一室。プライベートフロア一階のリビングのソファに座って、興奮冷めやらぬというように、語り合う海と汐。
「あぁ。清水先生の決闘、今日だったのね」
「そんなに凄かったんだ?」
「うんっ♪ 竹刀と竹刀がね、バシーンッ! って――」
向い合わせのソファに座っている陸と空に、身振り手振りしながら話す汐。
それに海も加わって、騒がしく話が進む。
「シビレたって、マジで! 桃華翔閃って、なにあの技!」
「…………鋭い、斬撃からなるカウンター攻撃」
くぅー! と拳を握る海の言葉を、テーブルの椅子に座って端末をいじりながら渚が補完する。
「渉先生、絶対いけると思ったの! でもね、そこからおじいちゃんの、凄い攻撃が始まってね」
「…………桜花乱舞。連撃主体の剣技。たぶん、桜吹雪を模したものだと思う」
と、渚の解説を交えつつ話が進み。
「マジで消えたよな〜、アレ!」
「…………視覚的には。空間の熱源量分析結果では、ちゃんと回り込んで移動してたのが分かる。……たまにデータがブレる時があったから、解析、検証してみないとまだなんとも言えないけど」
「決闘中も収集してたの?」
「…………来月の、アレの為に。ちょこちょこ、パーツ組みはしてる」
話が膨らむ中、汐はそれをにこにこしながら聞き、ふと思考を巡らせる。
(……渉先生〈不思議なモノ〉、持ってたんだよね。データブレたのって、きっとそれのせいだよね〜。周りから、それに渉先生からも放たれた〈キラキラ〉を、渉先生自身が纏ってたし。それに――あの場所、〈それ〉だけじゃなかった)
アレってなんだったんだろう? と思いながら首を傾げる。
(……カッパさんの腕にぶら下がってた女の子、汐より小さく見えたけど……お姉ちゃん、だよね? でも〈鍵〉が、かかってるみたいだったけど)
神聖なモノみたいだったし、悪いものじゃなさそうだったけどな〜、と汐が思っていると。
「でもまさか、あの場面でアレを使うなんてね〜♪」
「…………海姉、ずっと笑ってた」
その場面を思い出してか、くくっと笑って告げる海に、ため息つつ渚が呟き。
「何があったの?」
首を傾げて訊ねてくる空に、意識を現実に引き戻した汐が、にっこりしながら教えてあげる。
「アレだよ〜。海お姉ちゃんお得意の」
それだけで〈写真のバラまき〉だとわかったらしい陸が、ため息してジットリした視線を海に向ける。
「……なんてものを教えてるのよ。真剣勝負だったんでしょう?」
「意表を突くんならアレ以外ねーだろ、やっぱ♪ でもあたしだって、マジで使うとは思ってなかったんだよ〜ん♪ 大体あれ完璧に、親子ゲンカだったんだって」
陸の視線など意に介した風もなく、にんやりと告げる海。それに苦笑する空にため息を吐く渚。それを眺めつつ笑って告げる汐。
「でもそこからがまた凄かったんだよね〜」
「攻撃の応酬に、技の出しあい。あたし、もーどんだけあの戦いに、割り込みたいと思った事か!」
「そ、それはダメだよ?」
「…………大丈夫。ちゃんと止めた」
「……渚や汐が、一緒に行っててよかったわ。海だけだったら、どうなってたことか」
海の言葉に慌てる空に、渚がコクリと頷いて告げ、やれやれと陸が呟きながら額を押さえる。そんな陸に、なーんだよ〜? と海。
「あたしが、マジで突っ込んでいくとでも?」
その問いかけに、意外な所から声が返る。
「んじゃ、渚や汐みたいな、歯止め役がいねぇ状態でならどーだよ? 留まれてる自信、海(お前)にあったか?」
バサリ、羽音を響かせてバルコニーに降り立ったフィルが、窓を開け室内に入ってきながら、その蒼の瞳を海に向けてニヤリと告げる。
その声に、自身の腰に手をあて、海は自信満々の表情で言い放った。
「ないっ!」
それに、周囲から笑い声があがり。
そうして、賑やかに青空家のその日の夜は更けていくのだった。
きっと、いなかったら飛び込んでいくんでしょうね、海は(笑)
まぁ、真剣なのはわかってますから、行きませんけど
遊びだったならアレでしょうが、ね…
そして汐が感じたものは
YL様のうろな町の教育を考える会 業務日誌より、清水先生、勝也氏、技名
桜月りま様のうろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話より、魚沼先生、冴ちゃん
話題としてお借りしております
おかしな点等ありましたら、ご連絡くださいませ
※後日、日付を揃える為差込で移動させる予定です
ご注意ください




