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お父さんのおとぎ話1
口伝
語り聞かせおとぎ話、その1
※後日、日付を揃える為差込で移動させる予定です
ご注意ください
広い広い、遥か彼方に続くかのような、闇の中
そこには、ただ一人
その創造主(人)だけがおりました
永く永く、ただ一人だけだったその人は
ある日、色々なものを創る事に決めました
独りが、寂しくなったのかもしれません
そうと決まれば創造主は、早速作業に取りかかりました
指先が閃くたび、暗闇しかなかったその場所に、様々なものが生まれていきます
大きいもの、小さいもの
形あるもの、ないもの
欠けているもの、輪っかがあるもの
熱いもの、冷たいもの、普通のもの
幾つも幾つも
様々なものを
その暗闇に創っては、浮かべました
すると暗闇は、途端にそれらでいっぱいになりました
暗闇に、彩りが生まれた瞬間でした
それを見て、その創造主(人)は微笑み目を細め
そうして『そこ』に世界と、星々の海が出来たのでした




