12/25 クリスマスデート★きっと大丈夫
とにあ様のURONA・あ・らかると クリスマスデート☆イルミネーション
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空ちゃん視点
映画を見て、感想を言い合いながらモール内を歩いていると。
暗くなってきた周囲を彩るかのように、イルミネーションが輝きだして。
様々な光が織り成すその幻想的な風景に、目と心を奪われる。
「きれい」
それしか言葉が出てこない。
周囲をキラキラと飾る光たちは、本当に綺麗で。
イルミネーションを眺めつつ、こんな素敵な風景が見られたのを嬉しく思いながら、ふと、考える。
……鎮君と、一緒に見ているから、こんなに綺麗にみえるのかな……
自分でそう考えたのに、なんだかそれが、すごくすごく恥ずかしくて。
ドキドキして、頬が熱くて。
鎮君に悟られないように、頑張って頑張って落ち着こうとしていたら。
とん、と。
誰かに触れたと思った瞬間。
繋いでいた手が、スルリと外れて。
「えっ? 鎮く……」
その時には、既に人の波に流されていて。
そこに突然流れ込んでくる、残像。
幼いあの日、手を離してしまったあの人は
それきり、帰ってきてくれなくて――……
過去の淵に、沈みそうになってた心が、くんっと髪がひかれる感覚によって浮上する。
「!」
はっとして慌てて後ろを振り向くと、側にいた人の鞄のチェーンに、自分の髪が引っ掛かっていて。
「あの、えっと、すみません。髪が……」
そう告げると、振り返ってその人はごめんね〜と謝りながら、髪をとくのを手伝ってくれて。
ほどけた後、お礼を言ってから、はたと気付いて。
慌てて周囲を見回すけど、鎮君の姿はなくて。
うそっ……!
ど、どうしようっ……こんな人の多い所で……
……もし、見つけられなかったら……、見つけてもらえなかったら……っ
そう思ったら、急に不安がせり上がってきて。
――こわい
突然怖くなって、身体が震えて。すがるように鎮君の瞳と同じ、深緑の目をしたぬいぐるみをぎゅうと抱き締めた、その時。
「空!」
確かに聞こえた、鎮君の声。
それにはっとして、声のした方へゆっくりと振り返ると。
見慣れた赤髪。深緑の瞳の。
鎮君がそこにいて。
「っ!」
嬉しくて、涙が溢れそうになる。
よかった、会えた……っ!
そう思いながら小走りに駆けて。
自分からも飛び込むようにして、鎮君のその胸に抱き込まれる。
包み込む腕に、触れた温かさに安心して、ほぅと息を吐く……んだけど。
っ!
今の状況を思い出して、一気に身体の体温が上がる。
……わっ、私自分からっ……し、鎮君にっ……ととと、飛びこ……っっ?!
ひっ……ひひ人っ! ひとがっ……!!
……そっそれに……し、しずめくん、いま、さっきっ…………〜〜っっっ!?!
と、頭の中でぐるぐるしていると、
「ごめん。はぐれるつもりじゃなかったんだ。大丈夫だった?」
鎮君にそう聞かれて、顔を覗き込まれてしまう。
あうぅ。見ないで〜
考え過ぎて頭がパンクしそうで、ドキドキしてて顔が真っ赤なのを覗き込まれて。更に恥ずかしくなって、あわあわと慌てている内に。
「人の流れが今、すごいから少し外れよう。またはぐれてもなんだしさ」
鎮君はぬいぐるみを小脇に抱えて、もう片方の手であいた手を握られる。
「大丈夫? 空ちゃん」
「え? うん。大丈夫。急に流れが変わってびっくりしたね」
それにドキンとしながらも、なんとか声を返すんだけど、うわずっちゃってて。
「人混みに酔っちゃった?」
変な声になっちゃったのを恥ずかしく思ってたら、ちょっとだけ、不安げな鎮君の声が返ってきて。
……鎮君も、不安……だったのかな……?
でも、もう……うん。大丈夫
だって、ちゃんと会えたから
「ううん。大丈夫。少しびっくりしただけだよ」
気持ちを落ち着けて、微笑んで。
呟いてそっと。
あいている方の手で、繋がれている鎮君の手を、安心させるように軽く撫でる。
それに、ちょっとだけでも安心してくれたのか、鎮君が微かに笑んで呟く。
「はぐれてもさ、ちゃんと見つけるから」
「うん」
鎮君の、その言葉が嬉しくて。
今度は、私もちゃんと見つけるよって、伝えるように。
繋いだその手を、きゅっと、握りしめた。
ドキドキしっぱなしですね(笑)
心臓持つかな、この子
残像のあの人は、あの人ですよ?(笑)
とにあ様のURONA・あ・らかるとより、鎮君
引き続きお借りしております
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