12/25　クリスマスデート★まずはクリスマス会から

　クリスマス会にちょこっと参加。

　陸(むつみ)お姉ちゃんは行けたら行くって言ってたけど、公認会計士の試験勉強の合間にホテルの方手伝ってるからどうなんだろう？

　海(あみ)お姉ちゃんも「アレは届けるし、その辺は適当にしとく〜♪」って言ってたけど……

　でもアレは、流石にどうかなぁって思うんだけどな。

　鎮君とクリスマスの挨拶をして、そんな事を思ってちょこっと苦笑を浮かべていた所に、芹香ちゃんがクリスマスプレゼントをくれて。

　そっとその包みを開くと、中から出てきたのは芹香ちゃんお手製のもの。

　頑張って作った感が出てて、すごく愛おしい。

　藍の羽ピアスが添えられていて。

　そっと手にのせて眺めていると、ふと結婚式での裏企画の光景が浮かんで。

　ふわり、翻る白。

「あ」

　そっか。

「コレ、カラスマント君なんだね」

　冬バージョンのカラスマント(鎮)君だってわかって。

「さすが空ねぇ！」

　胸を張って告げる芹香ちゃんに、

「ありがとう。大事にするね」

　にっこり微笑んでそう言うと。

「その羽は外れるから鞄のワンポイントピンみたいに使ってね？」

　笑って芹香ちゃんが言ってきて。

　それに頷いてから、早速バックに付けてみる。

　クリスマスカラーの赤色のミニバックに、藍の羽がすごく良く映えて。

　かわいい。

　芹香ちゃんにもう一回ありがとうと微笑むと、

「テスーー！！！」

「あ。ゲイルーーー！　めりーくりすますーアミューズメントではコレかぶってねー。頑張って作ったんだから！」

　出入り口から呼ばれた声に返事を返して、ててっと駆けていく芹香ちゃん。

　それを可愛いなと思いながら見つめてると、鎮君に「アメリカにいる上の義兄さんの長男君。隆維たちと同い年だよ」と紹介されて。

　きょうだい多いと楽しくていいよねって思ってたら、薄茶髪のお兄さんがそっと近付いて来て。

　いきなりがばりと、鎮君に抱き付いたかと思ったら。

　…………

　………………っ！？？！

　はわあぅええぇっ！？？

　い、いぃっいま、いまっ？？！

　何が起こったのか分からない頭で、頑張って頑張って考えていると。

　飛んできた芹香ちゃんが、そのお兄さんをばしっと叩いて。

「この国ではあんまりそういう挨拶はしないのよ！」

　そう告げる芹香ちゃんに、お兄さんは笑って呟く。

「相変わらず、元気だね、テス。だってね、シーに会うのは久しぶりだし、電話もあんまりしてくれないしね、少しスキンシップしときたくてね」

　…………す、スキンシップ…………？

　……あ、そ、そっか。挨拶……海外(むこう)じゃ、これくらい普通……だよ、ね？　きょ、きょうだいなんだし……？

　っ！

　〜〜はうぅっ。じゃ、じゃあ、わ、私っ、勘違い！？　やだ、恥ずかしい……っ

　……あぁでも、お兄さん大丈夫、なのかなぁ？

　け……結構、勢いがあった気がするんだけど……

　頬を染めてドキドキしつつも、いきなりの芹香ちゃんからの攻撃を受けたお兄さんを見ておろおろしていると、

「ひさしぶり。バート兄、メリークリスマス」

　普段通りに接する鎮君のその声に、目をぱちりと瞬いて。

　……やっぱり普通の事……なんだよね？

　……鎮君、普通だし……

　そっと視線を走らせて、普段通りの鎮君の態度に段々と落ち着いてきて。

　ほぅ、と息を吐いて。

「空ちゃん、アメリカから来た芹香の兄さん」

「バート兄、空ねぇは家族も同然なんだから失礼な扱いしたら怒るんですからね！」

　ペコリ、お辞儀して挨拶する。

「青空空です。はじめまして」