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12/7 よく考えてみなよ


とにあ様のURONA・あ・らかると 12/7 バレた。

を経ての






 なんでそんな事を言われているのかわからない、とでもいいたげな表情。


 はぁ。この分じゃ「なんで」怒られてんのかすら、わかってねーんじゃねえかなぁ。


 きょとんとしつつも、何処か「諦め」感が漂う千秋のまわり。

 ほんとーに、それでいいもしくは、どうでもいいという雰囲気。


 あぁもう。本当面倒くさい。

 千秋(相手)が落ち着いているからか、熱が冷めて妙に冷静になって、頭が冴えるのも。


 鎮が料理を、聞きに来た時期。

 隆維の、さっきの言葉。


「……はぁ」


 一つため息が出る。


 何でもかんでも溜め込むのは、アンタ達の悪いクセだよ。


 千秋を見つめて言葉を紡ぐ。


「気にしてほしくねーんなら、もっと上手い事やるんだね」


 言葉は待たず次を続ける。


「おっさんらは放っとくのが基本だろうが、あたしゃそーはいかねーよ」


 ニッと、口元を緩めて。


「ちょっとでも関わりがあるんなら、それはもう「関係ねえ」事なんてねーんだよっ。ましてや、お前とは幼馴染み同士だぞ!? 家族同然みてーなモンなのに、関係ねーもくそもあるかっ!」


 全く。なんでわざわざ、こんな事言わなきゃなんねーんだよ。


「それに、あたしあんたらの事好きだし? ちょーっと、いや、かーなり手のかかる弟妹共だけどなぁ。そんでも、あたしなりに好きなんだよ、お前らの事。千秋(お前)の事」


 だから、と呟いて。


「そんな状態のお前見て、放っとけるかってんだよ! お前がどーこーぬかそーが、絶っ対! 治させるかんなっ!」


 覚悟しやがれ、この野郎っ!

 ビシリ、指を差す。

 するとそれに声が返る。


「……海ねぇ。人を指差しちゃダメだって」

「だあぁっ!!」


 あー、もぅ! 本当にわかってんのか、コイツわっ!


 すっ転びそうになるのをなんとか堪えて、千秋に詰め寄り、その鼻先に指を突き付けながら告げる。


「あたしは、今、だ・い・じ・なっ! 話をしてんだよっ」

「え、あぁ、うん」


 それに、素直に頷く千秋。

 返事は良いんだよなぁ、コイツ……

 気が削がされてばっかだ、くそ。


 けど、ここで負けてなるものかっ


 ごほん、咳払いしてから続ける。本題、こっからだし。


「兎に角っ! 千秋(あんた)が関係ねえって言うんなら、あたしがあんたをどーしよーが、関係ねえワケだよなぁ? なら、問題ねぇよなぁ? 千秋をあたしがどーしよーとさぁ。だから治させる。あたしは今の状態(それ)が、正しいとは思わねぇからな」

「なんで」


 その呟きに、目を向ける。


「なんでだぁ? お前こそ、なんでんな答えが出てくんのさ? 味覚障害起こしてるくせに」


 じろり、睨んで千秋の口を閉ざさせてから続ける。


「ずっと、疑問だったんだよ」


 あたしの言葉に、不思議そうに首を傾げる千秋。さらりと赤毛が揺れる。それを見返しながら。


「なんで千秋(お前)が、味覚障害(そんな事)になったのかが。けど、さっきの隆維の言葉で確信した」


 くるん、視線を外してぺったぺったと歩きながら呟く。


「鎮が料理を聞きに来た時期。それに隆維が言ってた、二学期はじまってしばらくしてからって言葉。それらから考えられる要因は、いっこしかねぇんだよ」


 ぴたり、歩みを留めて告げる。


「……あの子の事件が、カンケーしてんだろ」

「!」


 すいっと眺めた千秋の緑の瞳が、僅かに揺らいだのを捉える。

 千秋の態度は、変わんねーけど。


 でも確かに捉えた揺らぎ(それ)に、やっぱりな、と思う。


 味覚障害(そんな)になる程、好きだったんだな、あの子の事。


「……なんで?」


 不思議そうに呟かれる問い。


「あたしだって、ニュースくらい見るっつーの」


 ガリガリ、頭を掻きながら呟く。


「ライブん時とバザーの時しか会ってねーけど、それでも、どう思ってたかくらい、わかるっつーの」


 接客業ナメんな。


「ライブん時、あの子の相手してたあんた、良い表情してたよ。それに、バザーん時のあの子見てた限りじゃ、あの子も千秋(あんた)の事、好きだったんだと思うし」


 ま、信じる信じねーは千秋(あんた)の自由だけどな、と呟いて。


「だからこそ、余計に思うよ」


 ぱちくり、目を瞬いている千秋を見つめながら呟く。


千秋(あんた)本当に、「そのまんま」で居続けるつもりなのかってな」

「え……?」


 ふわんと、合わされる目。いや、ちゃんとは合ってねぇかなぁ?

 まぁ、いいか。取り合えず、言っとかなきゃなんない事を言っとく。


「なぁ、千秋。……あんたが好きになった子は、千秋を好きになったあの子は……千秋が、そんな風になるのを、望むような子なのかよ?」


 呟くだけ呟いて、視線を逸らし、部屋を出るため歩き出す。

 微妙に、身動ぎしたような気もするけど、構うもんか。

 完全に部屋を出て行く前に、振り向きざまちらりと目線をくれて。


「よく考えてみなよ。……そんな風に自分を貶めて、アンタが好きなあの子を貶めて――、本当にそれで良いのかってな」



言いたい事を言う海

それならそれでいい、が。じゃあ、あたしのする事にも文句いうな、と(笑)


とにあ様のURONA・あ・らかるとより、千秋くん、ちらりと暁くん、鎮くん、隆維くん


寺町朱穂様の人間どもに不幸を!より、サツキちゃんを


お借りしております

おかしな点等ありましたら、ご連絡下さいませ


お説教は終わりっぽいですよ?



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