12/6 二人の会話
こちらも
とにあ様のURONA・あ・らかると 12/6 放課後
からの流れで(笑)
商店街を一本入った裏路地の、角にあるお店〈天然石ショップ 無限回廊〉。
ちらほらとお客さんのいる中、奥の作業スペースでこの店の二十歳の若店長、立神上総は、予約品であるオーダーブレスレットを製作していた。
店内のショーケースには原石がまるごと置かれていたり、既製品のブレスやネックレス、チョーカーにピアス、イヤリングなど、天然石を使ったそれらが列べられているが、一番の売りは、名前と誕生日、それからお好きな色を二つ選んで貰ってから作る、オーダーメイド品(値段はピンからキリまで)だ。
必要とあれば、原石を彫って置物を作ったりもする。
最近は自分で作るというものも流行っているので、箱形のケースに入れられた小鉢に、様々な色や形、大きさの天然石が所狭しと列べられ、てぐすや金具、チェーンに革ひもと、自作出来るようなものも販売している。
今年の九月中程から不定期に開けている店だが、売上は上々だった。
「これでよし、と」
結び目を中に入れ込んで、強度を確かめてから頷く上総。オマケで付けている巾着に出来たブレスレットを入れ、各々の石の効果を書いた紙を添えていると、ふと〈声〉がかけられる。
――新たな客人のようだぞ、上総。プラチナブロンドの少女と、赤毛の少年のようだの
自分だけにしか聞こえないその〈声〉に、ひそりとした声で返事を返す上総。
「……仕事中に、声かけないでよ、フェリニアルト。変な噂がたって廃業なんて事になったら、どうするのさ」
上総の声に、その〈声〉の主、フェリニアルトは、半透明の身体をふわふわと空に漂わせ、窓の外を見つめながらにこりと笑みを浮かべて告げた。
――お主は。一体いつになったら、〈念〉での会話が出来るようになるのじゃろうなぁ。……まぁ良い。しかし、聞いておいて損はないと思うがの
フェリニアルトの含みあるその言い方に、首を傾げつつ上総。
「……どういう事さ?」
それににこり、笑みを深めてフェリニアルトは呟いた。
――ふむ。どうやらあの少年と少女、空姫に縁ある者のようぞ
フェリニアルトのその言葉に、
「おや。それなら、きちんとおもてなししないといけませんね」
金髪を揺らし、橙の瞳を細めにっこりとした笑みを浮かべて呟き。
隣の部屋で、石の選別をしている空に声をかける。
「青空さん。どうやらお客様が見えるようなので、二階でお茶の準備、してもらってもいいですか?」
「わかりました」
それに声を返し。選別した石を上総に渡してから、パタパタと二階へ上がっていく空。
そんな空を見送りながら、傍らに浮いているフェリニアルトに声をかける。
「……カンの良い子だったら〈視え〉ちゃうかもしれないんだから、護石に戻っててよ」
――いやじゃ。護石の中は狭くてかなわん
それに、ツンと顔を背けるフェリニアルト。
「……じゃあせめて、隠れててよ。邪魔だけはしない約束でしょ」
――仕方ないの
はぁ、とため息を吐く上総にニッと笑って、ふわりと、フェリニアルトの姿が霧散する。
こうなったら流石の上総でも、その姿を目に捉える事は出来ない。
大丈夫だよね、と思いながら暫く待つと。
お茶の香りが漂い出してきたのと共に、店の扉が開かれた。
天然石ショップ 無限回廊こんな感じです
どうやら九月中旬から開いていた模様…(苦笑)
お茶はサービスです♪ある程度の好みには答えますよ?
とにあ様のURONA・あ・らかるとより、鎮くんと芹香ちゃん
ちらりとお借りしております
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