10/13 特訓後
YL様のうろな町の教育を考える会 業務日誌 10月13日その2 修行編その6 雨の砂浜、君はそこにいた。
の後話的です
「いや〜。しっかし凄かったよねぇ〜♪」
雨の降る中。
渚発明〈高性能雨合羽〉を着て、特訓を終えた渉先生と別れ帰路の途につく海、渚、汐の三人。
〈師匠君1号〉は後日回収という事で、ARIKA(お店)に置いてきてある為、身軽に足を運ぶ。
「…………送られてくるデータで、渉先生の身体能力が向上してたのは理解し(わかっ)てたけど、まさか『母さんモード』まで使う事になるとは思わなかった」
海の言葉に頷きながら告げる渚。それに横を歩く汐もにこにこと呟く。
「すごかったよね〜、渉先生♪」
「だねぇ〜♪ まさかあの速度の斬撃を、避けるだなんてね〜。でもあれなら、あたしが直でやりたかったなぁ〜」
惜しい事したかな〜と告げる海に、渚がギロリとした視線を送り呟く。
「…………海姉、反省してない」
「してるってぇの〜♪ 渚、陸姉に似てきたんじゃね〜?」
それに、もぅ終わった事だろ〜とつけ足す海。
そんな海にじっとりとした視線を送る渚だが、海は気にもかけていない。
ふふ〜んと、機嫌良く歩みを進める。
暫し、そんな海を見つめていた渚だったが、ため息して、本当に陸姉みたいになってきたかも……と悩ましげな顔をする。
そんな二人と並んで歩きながら、汐はふと思考を巡らす。
(……あの時の光、司先生の色をまとってたけど、たぶんそれって、渉先生の感覚に触れたからだよね)
師匠君が暴走した時の事を思い出しながら、首から下げた夜輝石を手に取り、
(……夜輝石から流れ込んできたイメージは、狼のお姉ちゃんだったんだけどな〜?)
考えながら、なんでだろ? と首を傾げる汐の耳に、海と渚の声が響く。
「汐〜? なにしてんの、置いてくぞ〜?」
「…………足、止まってる。どうかした?」
それに、はっとして。
「なんでもないの〜」
いつの間にか止まっていた足を動かして、にっこり笑顔で二人の元に駆けていく汐。手を繋いで歩き出す。
「そいや、先生があそこまでやるって事は、対戦相手ってかなり凄いヤツなんじゃねーの?」
「…………梅原勝也。剣道界の鬼神」
ポツリ、呟いた渚の言葉に驚きの声を上げる海。
「鬼神〜〜!? そこまで言われてるヤツと決闘なんて、こりゃあ、俄然面白くなってきたじゃん♪ 決闘、た〜のしみになってきたぁ〜♪」
しかし直ぐ様その顔をニヤリとした不敵なものへと変えて笑う。
そんな海に渚と汐は苦笑を浮かべ。ふと汐が渚に訊ねる。
「そういえば、渚お姉ちゃん。特訓中の渉先生モニタリングしながら、なにかしてたよね?」
それに頷き、渚は呟く。
「…………そろそろホテルに置いてある救急セット、新しいのにしないとだったから。……それに、直澄兄に言われたヤツを、ちょっと」
「あー、あれな♪」
「あれだね〜」
渚のその言葉に海と汐が訳知り顔で呟いて、ニヤリと含み笑みを浮かべるのだった。
何かを感じた汐
しかし、楽しみなのは決闘と、アレですアレ(笑)
YL様のうろな町の教育を考える会 業務日誌より、渉先生、司先生、勝也氏、直澄君のお名前、発明品を
寺町朱穂様の人間どもに不幸を!より、ちらりとサツキちゃんを
お借りしております
おかしな点等ありましたら、ご連絡くださいませ




