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転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?  作者: 紙城境介
因果の魔王期:あの日の扉を開くために

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第ΑΩ話 "彼女"




 ――――――早く、助けないと。




 いつからなのかはわからない。

 わたしはずっと、何かに衝き動かされてきた。


 早く、助けないと。

 いったい、誰を?

 わからない。

 でも、早く助けないと。


 答えはわたしの中にはない。

 ただ、衝動と焦燥だけが、ぐるぐると渦を巻いていた。


 わたしの中には、いつもとある世界がある。

 真っ白な。

 純白の。

 何にもない、世界が。


 わたしはそこを、ずっとずっと走っていた。

 目印になるものもなくて、地平線もなくて、どれだけ走ったかわからない。

 それでも、ずっとずっと走っていた。


 目指すべき場所は知っている。

 この先に"彼"がいることを知っている。

 わたしは、一刻も早く、"彼"の手を取ってあげなきゃいけないんだ。


 わたしは走る。

 わたしは走る。

 わたしは走る。


 そして―――


 ―――ああ、まただ。

 真っ白な世界に、真っ黒な染みが滲んだ。

 わたしはそれに包まれて―――




 ――――――早く、助けないと。




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― 新着の感想 ―
[一言] 結城君の幼なじみの記憶を持ってるのがラケル? だけれども記憶喪失になっており、守らなければならない誰かが分からず焦燥感のみ存在しているんだろうか?
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