表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?  作者: 紙城境介
黄金の少年期:貴族決戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/262

The Rain of Dullahan


 まるで鍾乳洞だった。

 まるで吊り天井だった。


 無数に、無数に、無数に。

 ――ぶら――ぶら――

 と。

 ぶら下がっていた。


 銀色の、鎧。

 否。


 銀色の鎧を着た――人間が。


 ――ギギギギギ……。

 ――ギギギギギ……。


 軋む音がする。

 その元は、天井から垂れ伸びた、鎖。

 その先端は――

 鎧を着た人間たちの、首に巻き付いている。


 ――コキリ。


 かすかに、そんな音が聞こえた。

 直後。


 ――ブチブチッ、ブチッ!


 聞いてはいけない音だと思った。

 肉が。

 皮が。

 千切れる音なんて――

 できれば、一生聞きたくはなかった。


 ――ガシャンッ!


 鎧を着た人間の一人が、落下する。

 その首に、兜は乗っていない。

 首の上は、完全な空白。

 だから最初、俺たちは、鎧に中身があるなんて思わなかったのだ。


 消失した首から上は――

 ――ぶらーん――

 と。

 鎖に巻きつかれたまま、空中で揺れている……。


 ――ギギギギギ……。

 ――ブチブチッ、ブチッ!

 ――ガシャンッ!


 ――ギギギギギ……。

 ――ブチブチッ、ブチッ!

 ――ガシャンッ!

 

 ――ギギギギギ……。

 ――ブチブチッ、ブチッ!

 ――ガシャンッ!


 ――ガシャンッ!


 ――ガシャンッ!


 ――ガシャンッ!


 同じことが続く。

 何度も何度も。


 鎖に巻きつかれた首が――

 鎧を着た自身の重さに耐えられず――

 骨が折れ――

 肉を断たれ――

 皮を千切られて――

 ――落下する。


 雨のように。

 雨のように。



 首のない鎧が、降ってくる。



 ――ガシャンッ!


 ――ガシャンッ!


 ――ガシャンッ!


 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ!

 ――ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ―――――――――――――――――――――――




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ