■は認めた
「――――おめでとう」
見覚えのある純白の世界で。
聞き覚えのある声を聞いた。
「あなたは、成し遂げた。耐え難きを耐え、忍び難きを忍び――およそ成し得ないと思えたことを、それでも成し遂げてみせた」
純白の世界の只中に佇むのは、一人の女の子だった。
以前は模糊としていたその姿は……今は、背中に翼を生やし、白いローブを纏い、大きな木の杖を携えた姿に見えていた。
「約束通り……返還のときだよ」
女の子が柔らかに微笑み、携えた杖を、高く掲げる。
「私は認めた。あなたが証明した。よって、契約に基づき――あなたの記憶を返還する!」
杖の先端が強く光り輝いて、純白の世界をなお白く染めた。
視界が眩み、女の子の姿が霞んで消え。
送り出すように、声が言う。
「さあ、受け取って。これがあなたの覚悟の証。これがあなたの戦う理由―――」
意識が不意に、因果を駆けた。
人生を回想する走馬燈――その、さらに向こう側へと。
「―――これがあなたの、前世の記憶!」
そして、わたしはわたしを思い出す。




