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転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?  作者: 紙城境介
因果の魔王期:あの日の扉を開くために

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■馬■


 ……周囲に変わり映えはない。

 相も変わらず、真っ黒な世界が広がるばかり。


 思えば、どうしてわたしは歩けているんだろう。

 地面なんて、どこにも見えないのに。

 ありもしない地面を、わたしはずっと歩いていた。


 ……どうでもいいことか。

 死後の世界なのだ。

 見えも触れもしない地面を歩けたとしても、何がおかしいと言うんだろう。


 わたしは歩き続けた―――

 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

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