28・特殊作戦軍
今回は武器と兵器名称を出しまくっている不親切構成ですが、既にここまで付いてきているミリタリー玄人諸氏の皆様なら大丈夫でしょう(傲慢)
アルストロメリアより南へ下がった先に存在する要塞......、臨戦態勢へ突入した帝国軍航空基地は慌ただしく兵器や兵士が行き来していた。
「第2小隊!! 整列ッ!!!」
スタンバイモードの陸軍多目的ヘリコプター『MH-60』。
その近くで、完全武装のゴツい出で立ちをした兵士たちがキレイに整列していた。
「第3小隊整列!! 点呼ッ!!」
彼らは帝国陸軍特殊作戦軍 特戦第1中隊 第2および第3小隊。
イグニス・ハルバード少佐率いる、愉快な部下たちだ。
手にしている得物は様々で、定番のM4A1ライフルから発展型のMk18Mod1。
さらに派生型のHK416Dに、M249Para分隊支援火器。
変わりどころだと、日の本で採用されたばかりの"20式自動小銃"を持つ者すらいた。
特殊部隊らしくバリエーションが非常に豊かだが、どれも共通しているのは5.56ミリ弾を使うということ。
部隊で同じマガジンを使うことで、利便性を追求したのだ。
「先ほど赤色フレアが少佐殿より撃ち出されたのを、グローバルホーク無人偵察機が確認した!! これを受け第002号臨時対テロ制圧作戦『ホーリーランス』を発動する旨が司令部より下された!!!」
部隊を指揮するのは、第2小隊の隊長だった。
階級は少尉で武器はM27-IAR。
前述のHK416の派生型で、外見はほとんど変わらない。
「市内は既に戦闘状態と思われる! 我々の任務はマギラーナ構成員の保護だ! なに、RPG(※ロケットランチャー)が飛び交うソマリアに比べればピクニックのようなものだろう」
部隊に和やかな空気が流れる。
こういうとき、軽口を叩ける余裕が案外大事なのだと小隊長はかねてよりイグニスから教えられていた。
「小隊長!!」
M4A1アサルトライフルを持った若手の兵士が、手を挙げる。
「なんだ!!」
「ROE(交戦規定)はどうなっているのでしょうか!?」
「ふむ伍長! 確かにここは異世界だし、それ相応の交戦規定は既に策定されていたな。だが!」
小隊長はライフルを担いだ。
「我々は特殊部隊だ、威嚇射撃は一切不要! 敵の識別は既に現地入りしている第1小隊がやってくださるだろう! あとはそこに銃弾を叩きつけてやるだけだ!!」
「識別といっても、前世界のように銃では識別できないのでは?」
「マギラーナには一切の武装をしないでくれと予め要請している、よってギルド周辺の剣や杖を持つ者は全て敵の可能性が高いっ! だが民間人への誤射だけは許さんからな!!」
滑走路からフル武装のA-10攻撃機が次々に離陸していく。
基地上空の戦闘機と合流して、一足先にアルストロメリアへ向かうようだ。
「この世界にドラゴンがいるかは知らんが、我々は誉れ高き特殊作戦軍だ! 魔法などという不完全な存在を、科学の合理でもって叩き潰せッ!!!」
「「「「サー、イエッサー!!!!」」」」
「総員、搭乗ッ!!!」
特殊作戦軍本隊を乗せたMH-60、およびAH-6Jヘリコプターが続々と離陸した。
空中で編隊を組んだ彼らを護衛するべく、AH-1Zヴァイパー攻撃ヘリコプター4機が先導する。
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めっちゃ高評価いただいちゃってます、ありがとうございます




