表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お下がり愛用悪役令嬢  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/40

時空魔法

 人が持つ魔法の属性は主に四つ。水、火、土、風だ。

 他に希少属性として、光やヒロインが持つ聖がある。

 人に光や聖の属性が発現することは稀だが、光魔石や聖魔石は特定の場所で採掘できる。


 魔石にしかない属性に『時空』がある。

 時空魔石は、転移陣や収納空間が拡張されたアイテムボックスなどに使われる。

 採掘場所が不明なため、たまに市場に出回ると非常に高値で取引される。


 ◇◇◇


 ひとまず、用を足した。トイレは私の部屋に付いていて、常時光魔石を使った照明が灯されている。


 手を洗い、トイレの床を見る。きちんと掃除されているが、寝転がっていた時に床に接した体の側面が気になる。

(汚れたかも。…え?)


 なんか今、体やネグリジェの表面を魔力が覆った感覚がした。


(……。寝室に移動)

 土魔法を発動する時のように念じてみる。


 …寝室だ。


 転移! ファンタジー!

(私、時空属性持ち!?)



 ◇◇◇


 朝一で公爵邸の図書室で文献を調べたところ、時空属性持ちの人間はこれまで確認されていない、とある。


 昨夜は時空魔法を色々試してみた。

 私の専用スペースである居間、寝室、浴室、トイレの間を何度も転移した。

 手をインクで汚した後、そのインクを転移させて手をきれいにした。

 透明なアイテムボックスに収納するイメージで、空間に物を出し入れしてみた。試した中で一番大きかったのは長椅子だが、問題なくできた。

 凄い。重い物も大きい物も簡単に運べる。公爵令嬢になってから本より重い物持ってないけど。


 一体どれくらい魔力を使っているのかわからないが、ごっそり減ったという感覚はない。悪役令嬢は魔力量が多い設定だったしな。


 何ができるかもっと検証したいが、時空属性持ちとばれたら面倒そうだ。


 ◇◇◇


 午前の授業の後は昼食とがっつり昼寝。起きたらお茶の時間だ。


 アールグレイに似た香りの紅茶を飲んで、深く息を吐く。

(昼寝におやつ付き、幸せ…)


 転移できるとわかって、気が楽になった。

 修道院送りという悪役令嬢として最悪の結末になったとしても、転移で抜け出せば自由になれる。

 一平民として、食べるのに困らない生活ができればそれで十分…。


(紅茶にクッキーも美味しいけど、お汁粉が無性に飲みたいな)


 トリスタンは外出している。第二王子と一緒に剣の稽古だ。

 剣の腕は第二王子が上、魔法はトリスタンが上らしい。


 第二王子の婚約者はいつ決まるのだろう。


 ◆◆◆


 物語の始まりは、主人公マリーが学院に入学した時。

 マリーと悪役令嬢、騎士団長子息は同学年で、悪役令嬢は入学時既に第二王子と婚約していた。

 第二王子と公爵家嫡男は一学年上、宰相子息は一学年下だ。

 マリーが第二学年に進級してから次々イベントが起こり、その年の第二王子らの卒業パーティーで、悪役令嬢は婚約破棄される。


 ◆◆◆ 

 

 物語の設定と違って、私は第二王子に恋していない。いくら美少年でも子供は対象外だ。


 仮に私が婚約者になっても、ヒロインに嫌がらせなんかしない。妃なんて大変そうだから喜んで身を引きたい。

 …むしろ私にとっては、転移で抜け出せばいい修道院送りより、儀礼や社交だらけの妃になる方がバッドエンドな気がする。

 でも修道院送りは公爵家の恥。父とトリスタンに迷惑をかけるわけにはいかないから、やはりそれは回避したい。


 婚約者にならないこと。

 婚約者になってしまったら、ヒロインには関わらず、悪役令嬢にならないこと。

 悪役令嬢になって物語と同じ結末を迎えてしまったら、修道院を抜け出して一人で生活できるようにしておくこと。


 これで行こう。


 第二王子と婚約しなければ、私が悪役令嬢になることも妃になることもない。

 お茶会で参加者と会話しないような令嬢は妃にふさわしくないだろう。婚約者候補から落とされてるといい。


 今後、第二王子は避けまくろう。

 できれば学院には入学したくない。物語の登場人物達はもちろんだが、今更10代の子達に混じって勉強したりお友達を作ったりなんて、きつすぎる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ