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コミカライズ記念SS

「マリア様……夕食のお時間ですよ」

 恋人兼秘書のラファエルが部屋のドアを叩く音がした。

 私は喜んで廊下に飛び出る。


「よかった。お腹ペコペコよ。領地経営の仕事はやはり疲れるわね。あなたと気ままに旅行していたころが懐かしいわ」


「まだ、半年も経っていませんよ。それにしてもお嬢様のお仕事は完璧ですね」


「それでも懐かしいわよ。お嬢様なんて久しぶりに呼ばれたわ。旅行の時の身分を隠すための呼称じゃない。結局、王族からもらった賠償金もまだまだ残っているからそれを使って旅行に行きたい」


「それは来年のバカンスまで我慢ですね」


「もう現実的なんだから。今日のご飯は何?」


「カマンベールチーズのアヒージョを用意しました」


「あら、珍しい。今日はかなりカジュアルなのね」


「マリア様はそちらの方がお好きでしょう?」


「まあね。ということは、あれも用意してあるのでしょう?」


「もちろんです。いつものディヴィジョンの街のワイナリーが新しいブドウを使ったワインを作ったらしいので、取り寄せました」


「それは楽しみね」


「お嬢様がお好きな樽でしっかり熟成したワインのようですよ」

 樽で熟成したワインは渋みが抑えられて、バニラやチョコレートのような味わいになる。とても上品でエレガントな味のはずだ。


「あなた、そこまで調べてくれたの?」


「秘書ですから」


「そこは恋人だからって言ってほしかったわ」

 もちろんラファエルの照れ隠しだとわかっている。

 今日はカマンベールチーズのアヒージョとワインの夕食か。幸せな時間になりそうね。あの楽しかったディヴィジョンの街の旅行を思い出しながら、私は幸せな香りに包まれた空間の扉を開いた。

11月5日よりwebマンガ雑誌にてコミカライズ連載開始です!雑誌掲載の後に順次、各種コミックサイトでも配信開始される予定です!!詳細は作者のエックスをご確認ください。


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