表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/160

前を走る車

   69.前を走る車




 深夜にとある田舎を走っていたときの事でした。


 そこは片道一車線の細い道路でした。その道は速度が出るので深夜なんかは法廷速度を大分過ぎた速度で走るのですが、その日は前に黄色い軽自動車がいてそうはいきませんでした。


 時速四十キロ位で走り続ける前の車を正直鬱陶しく思っていたのですが、追い越せるような道幅でもなく、ひたすらにラジオを聴きながら肘をついていたんです。


 車間も大分近くなって来てイライラしていたのですが、ふと前を走る黄色い軽自動車が異様なことに気が付きました。


 トロトロと走る軽自動車の下の辺り、後ろのタイヤとタイヤの間に何かが見えるのです。


 目を凝らして近付いてみました。


 車の底の所に、逆さになって何かが貼り付いているのです。


 暗闇でなんとなくシルエットしか見えないのですが、人の影のような物が、ヤモリの様に四つん這いで前を走る軽自動車の底に貼り付いてこちらに顔を向けているのです。


 時折灯る赤いブレーキランプに照らされて、その影の顔が赤く照らされました。


 無表情の中年男性の顔半分が真っ赤に照らされて見えたのです。


 いや、そんなはずはないとより目を凝らして車間をキープしたのですが、チラチラと男の顔が見え続けたので、見間違いじゃないと気づいて、僕はその場で停車しました。


 黄色い軽自動車は、相も変わらずトロトロと走り去っていきました。


 あれがなんだったのか、今思えば見間違いとしか思えないのですが、あの時何度確認しても映った男の真っ赤な顔は、未だに克明に思い出せるのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【実話怪談を収集しています。心霊、呪い、呪物、妖怪、宇宙人、神、伝承、因習、説明の付かない不思議な体験など、お心当たりある方は「X」のDMから「渦目のらりく」までお気軽にご連絡下さい】 *採用されたお話は物語としての体裁を整えてから投稿致します。怪談師としても活動しているので、YouTubeやイベントなどでもお話させて頂く事もあるかと思います。 どうにもならない呪物なども承ります。またその際は呪物に関するエピソードをお聞かせ下さい。 尚著作権等はこちらに帰属するものとして了承出来る方のみお問い合わせよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ