第27話:本気の勝負
今日から学校が再開するため、更新回数を減らし週3にします
曜日は月、水、金の三日です
余裕があれば火、木にも投稿するかもしれません
「うーん。この後どうしようか?」
今の時間は23時手前。明日は休みだが、明日もゲームをすると考えた場合そろそろログアウトをするべきだとは思う。
冒険者ギルドが、東門と中央の噴水広場の中間あたりに位置するため、外に出るまでにも時間がかかるので、外に出るのは正直なしだと思う。
「まあ、外に出るって選択肢はないかな。流石に今から外に出ようとしたら、ログアウトするのも0時過ぎちゃうし」
「そうだよねぇ‥‥さっきのカフェはプレイヤーの経営だからやっていたけど、流石にNPCのやっているところはやっていないしな‥‥」
さっきのカフェはプレイヤー経営だったのか‥‥
こんなに遅い時間にやっているから不思議には思っていたのだが、それなら納得は出来る。恐らくβテスターで、アイテムボックスの中身でも持ち込むことにしたのだろう。そんなことが出来たのかまでは知らないが。
「そうだ。久しぶりに少し戦ってみない?本気でさ」
「うん‥‥スキル在りの本気でって事か?」
「ううん。剣術だけの勝負。ここなら決闘で設定すれば筋力の差もなくすことが出来るしね。最後に戦ったのって小学校の頃でしょう?筋力にも差が出てくるから、あまり戦う事もなくなって。そのままミトは師範代になって、私はなぁなぁでやめちゃったし」
俺とユイは幼いころから小学校卒業の頃までとある剣術教室に通っていた。
まあ、剣術教室なので剣道のような大会があったわけでもなく、個人で週に1度から2度ほどやっていただけだったが、それでもそこに通っていたメンツは皆本気で習っていたと思う。
大人から子供まで世代は幅広くいて、当時はかなり負けることも多かったことを憶えている。
筋力差も大きかったため低学年の頃は大人とはやれず、同年代の中では俺もユイも無双していたがお互いの戦績としては4:6くらいで、若干ユイの方が勝率が高いと言ったところだった。
しかし、高学年に入ったタイミングで中学生と、5年に入る頃には大人と試合うことも増えていった俺と、逆に同年代とばかりやる様になったユイとで別れてしまい、次第に二人で試合をすることは無くなっていった。
俺は小学を卒業するころ師範代となり、その後は月一程度で見に行くことがある程度で、普段から通うという事はなくなった。
まあ、大人相手にも技術で勝てるようになってしまい、高校に入った今では真っ向勝負でもそうそう負けることは無いので、相手もいなくなってしまいつまらなくなってしまったというのが大きいのだが。
ユイは低学年の頃は天才少女と持て囃されていたが、小学卒業と共に完全に剣術教室に行くことは無くなり、それ以来いっているところを見た事は一度もない。
「流石に負けないぞ?」
「私も簡単に負ける気はないよ。誰かと試合をするのは久しぶりだけど、一日も素振りを欠かした日はないし、元天才少女としての意地もあるんだから」
ユイは低学年の頃のように戦意をたぎらせたような目をしている。
本当に、ユイが再びこんな目を俺へ見せてくれる日が来るとは思っていなかった‥‥
もう一生俺とユイがしあう事は無いのだろうと、そう思い続けていたが———いい機会だ。数年ぶりに最後の試合をしよう。
唯一、俺が負け越している相手———
唯一、俺が勝てないかもと思った相手———
唯一、俺が才能で負けたと思った相手———
そんなユイと、最後の勝負をするんだ————
「第27話:試合」をご覧いただき有難うございました
次話の投稿は未定ですが明日の同じ時間に投稿する予定です
何となく、そのままログアウトさせるのも味気ないと思い、試合をさせることにしました
元天才少女は何を思うのか、現天才少年は過去の強敵を前に何を思うのか‥‥
続きが気になる、など思っていただけたら
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では、また次話でお会いしましょう




