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飽き症の天才は飽くなき無限の世界へと旅立つ  作者: 聖花 シヅク
第2部:天才はかくして面倒ごとに巻き込まれる
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第21話:PvP


 PvP———それはプレイヤーとプレイヤーの戦闘の事をさすが、ここでは決闘というゲーム内のシステムを利用した戦闘を指す。

 決闘は大きく2つのルールがあり、HPの残量が一定値を切った時点で終わる決闘、一撃あてた時点で終わりの決闘の2種類が大まかなルールとしてある。

 今回挑まれたのは、HP全損で勝利というルールの決闘である。

 また、決闘を挑む際には何か賭けをすることが可能であり、その内容に相手も同意することで決闘が開始される。


「じゃあ、始めようか」


 俺が決闘に了承したことで、周囲から隔絶した場所へと転送される。

 その際、実際にその場から離れるわけでは無く、映像としてその場から決闘を見る事が可能らしい。


 そして、転送された時点で決闘は開始される。


「はあああ!」


 勢いよく近づいてきたアサヒが剣を振り下ろす。


「うーん‥‥30点」


 俺は冷静にアサヒの振り下ろす剣を見ながら、その剣筋を採点した。

 力に任せた雑な振り下ろし、相手のことをしっかり見ていない、取り敢えず振り下ろしているだけ、などなど、まあ減点対象は多々あるが、あまあま採点で30点だ。本当は0点を言い渡していてもおかしくない。


 剣筋を見極め盾ではじく。

 全ての武器のスキルにおいて、最初のアーツに【パリィ】というものがある。これには大きく2種類あり、声に出す事である程度システムの方でタイミングを取ってくれる代わりに大きくAPを消費するものと、APを消費しない代わりに使用者本人がタイミングを合わせて行う2つだ。

 後者の方は【ジャストパリィ】と呼ばれる高等技術だそうだ。

 まあもちろん、見極められてる剣筋をパリィ出来ない理由はなく、俺は簡単に【ジャストパリィ】を決める。

 【パリィ】成功時には相手に0.1秒ほどの硬直が現れることを、昼間の戦闘で確認済みだ。


 その隙を狙い、俺は剣を振り下ろす。

 その際、しっかりと剣術の基本アーツである【スラッシュ】も発動させる。


 そして、【スラッシュ】によってHPが2割ほど削れたアサヒを見て体勢を立て直せていないことを確認し、魔法で追撃をかける。


「【ライトアロー】」


 光魔法のレベルアップによって使えるようになった魔法で、ライトボールの1.5倍ほどのダメージが出る。その分、MPの消費も上がっているが、正直そこまで問題ではない。


「【ライトボール】」


 さらに魔法で追撃をかけ、アサヒの残りHPは5割を切る。


「じゃあ、そろそろ決着といこうか」

「まけて、たまるか!!」


 主人公のような言葉を吐きながら、無理矢理体勢を立て直す。まったく‥‥呆れてしまう。あまりにも遅い。

 この程度でトップ?笑わせる。レベルでゴリ押すしか能の無い雑魚が。そこには何一つとして考えがあるわけでもないだろう。

 昼間に戦った【ルーポ・リ・デル・ブランコ】の方がレベルは高かったことはもちろん、考えて戦っていたため圧倒的に厄介だった。


 俺は体勢を立て直したアサヒに向かって盾を向け突撃する。

 盾術の基本アーツ【シールドバッシュ】だ。


 これは剣を防いでいるようなときはじくために使うような技だが、攻撃として利用することも出来る。

 アサヒは体勢を立て直したところで無理な体勢なことに変わりはなく、【シールドバッシュ】を避けることも防ぐことも敵わず直撃する。


 【スラント】を発動し、これが最後の攻撃となった。

 【スラント】は剣術のレベルが上がった時に使えるようになったスキルなのだが、何故か斜めに振り下ろしているだけなのに、APの消費量もダメージ量も【スラッシュ】よりも高いのだ。


 これによってアサヒのHPは全損し、俺の勝利となった。


「第21話:PvP」をご覧いただき有難うございました

次話の投稿は未定ですが明日の同じ時間に投稿する予定です


続きが気になる、など思っていただけたら

ブクマ登録いいねや☆の方をつけてくださると励みになりますのでよろしくお願いします


では、また次話でお会いしましょう

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