表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ショートショート6月~

座布団

作者: たかさば
掲載日:2020/06/15

引っ越しをして、パソコンデスクが座卓になった。

フローリングに、座卓タイプのパソコンコーナー。

ふむ、座布団がいるな。


ホームセンターで、ふかふかした座布団を一枚買ってきた。

なかなかの手触り、これは座り心地がよさそうだ。


大喜びで、座布団の上に座る。


ふかふかしている。


よし、この快適さならば。

いっぱい物語が書けるに違いない!


座布団に座って、パソコンに向かう。

キーボードで物語を…。

ええと…。

なんだ?

…おかしいな、集中力が?


座布団ね。


座ってるとね。


落ち着かないのさ。


尻が浮くとでもいうのかね。


これはあれだ、子供の時の記憶だね。

座布団はさ、父親しか座っちゃいけなかったのさ。


なんていうんだろうね、今の世代の人たちにはわかりにくいかもね。


働いてくる父親ってのが大変に崇められた時代があったんですよ。


働いてくる父親の晩御飯のおかずが一品多いとか。

働いてくる父親が一番風呂に入るとか。

働いてくる父親をお見送りお出迎えしないといけないとか。


働いてくる父親は一番偉かったんですよ。


でっかい座卓の食卓テーブルで、父親が上座に座っていてね。

その横に腰が悪いと言い張る年がら年中旅行に出かけている祖母が座椅子に座っていてね。


畳の上で、座布団使えたのは父親だけ。

私の中で、座布団に座っていいのは父親だけという思い込みがあるようだ。


座布団に座らない生活が、しみついてしまっているのかもしれないな。


たった18年そういう生活をしただけなのに、座布団に座ると違和感がハンパないという。

ふわふわしていて心地いいと思ったのはほんのわずかなひと時で。

座っていると不快感が増してくる。


フローリングに直に腰を下ろし胡坐をかいてパソコンの前に向かう。


めっちゃ集中できる自分がいる。

なんだめっちゃキーボード叩くスピードが上がったな。


ふうむ。

じゃあ勢い任せに昔の話書いてみるかい。


私は買ったばかりの座布団を猫に差し出し、文字を打ち込み。


打ち込み終わって後ろを見たら、猫が三匹所狭しと座布団の上で団子になっていた。


「父親が三匹か。」


乗ってるのは雌猫ばかりだけれどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 私のところにも、親父専用の座椅子がありましたよ。座っちゃいけなかったんですよ。 猫様に座布団取られたら、もぅ返してもらえません。もう座ってはいけません。
[良い点] 分かる。いや、現代っ子ですけど、座布団は落ち着かないです。 [気になる点] 地べた良いですよね。 [一言] ぬこは正義。ごろーん♪
2020/06/15 18:39 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ