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魔法の森学園乙女ゲーム狂騒譚  作者: 深月 涼
後期~ルーエの恋~
46/47

宴の開幕は炎の渦と共に

 秋の月の最終週も、残すところ後2日。

 王都の城下では、あちこちから花火の音や賑やかな音楽が聞こえてくる。

 誰かが放つ華やかな魔法の灯りが弾けては消える。つられる様に、次々と増えてく。

 広場には特設の舞台(ステージ)が置かれ、芸人や踊り手が観客を沸かせている。

 きっと“外”では、そんな光景が広がっているのだろう。

 いつもはお父さん関係で忙しいながら、それでも世界各地の特産品や民芸品がいっぺんに集まったみたいな異国情緒あふれる露天商通り(バザー)に顔を出したりできるくらいには余裕があって楽しい筈の大感謝祭だけど、今回ばかりはそうもいかないのが残念だわ。

 私たち召喚学科生徒が、学園を離れて数日。

 いよいよこの時が来たのだ。


「―――顕現せよ、月夜の精霊!呼び声に応えて今こそ来たれ、我が元に!!」

 しんと静まり返った舞台上、足元に輝く魔法陣から召喚主の声に応える様に飛び出してくる影が1つ。

 くるりと一回転して華麗に着地を決めたその影は、まるで道化師のような衣装を纏った子供の姿をしていた。

「「「「おおおおおお!!!」」」」

「や、やったー!!やりましたっ!!」

「おめでとう!」

「大成功だねっ!」

 一般観覧客による惜しまぬ拍手の中、学友たちの遠慮無い抱擁に息が止められそうになりながらもやり遂げた感いっぱいな彼女は、召喚したての大事な大事な相棒を誇らしげに披露する。

「属性は闇一択か」

「でもあの召喚獣()には合ってると思うわ。敏捷性も上がるし、足りない火力も補えるもの」

「彼女にしては少々難しい課題に思えましたが……」

「そこはほら、愛の力よ」

「うわ、凄く納得」

 ま、私も少しは手を貸したしね。


 年に一度、国を挙げて行われる大祭典、通称『大感謝祭』も残すところ後わずか。

 盛り上がりは最高潮。まさにそのさ中で行われる超大型目玉企画な今回の『魔法学園召喚学科による召喚実演(サモンストレーション)』は、普段あまり召喚魔法に馴染みが無い人々の興味を誘った事もあって観覧席を満杯にしての開催となった。

 会場はなんと王都でも一番大きな屋内闘技場(ドーム)、通称『巨大卵(ずんぐりむっくりさん)』。

 驚くなかれ、貸し切りである。

 まあ「巨大魔物出すよ」って予告もあれば、それも当然と頷けるかしら?

 周囲を階段状の観客席に囲まれ、いくつかの区画に分かれた舞台上では次の子が召喚の詠唱に入ってる。

 数百人の生徒が行う実演を1人ずつ紹介していくんですもの、事前準備で多少前倒し出来たところで全員が終わるまでにはどうしても丸1日かかってしまうわよね。

 むしろ本来なら複数日に分かれて行われるそれを、たった1日で終わらせようって事の方が凄いと思うわ。

 まあ、会場の都合もあるんでしょうけど。


「うおーーーーーー!!すっげーーーーーー!!すぅっげーーーーーーーーーー!!」

 誰かが召喚を成功させるたびに、少し離れた場所からものすごい大騒ぎしている男子生徒の声が聞こえてくる。

 まあ1人しかいないわよね。私?止めないわよ。精神状態がそれどころじゃないもの。

 お守りは専門の人たちに任せるわ。止めるどころかハイハイで流してそうだけど。

「にぎやかねえ、あっちは」

「いつもの事だろ」

「気にしたら負けな気がする」

「それで、次は?」

「ああ、あの子。確か予定では……人形型(ドールタイプ)だったわよね?」

「あれ?そうだったか?」

妖精型(フェアリータイプ)だったと記憶していましたが……」

幽霊型(ゴーストタイプ)じゃなかったっけ?」

「「「……」」」

「まっ、見てみりゃわかるって!」

「それもそうですね」

「同感」


 幾人かの仲の良い友人同士で集まり、各々の見解を口にし合う。

 そうね、やっぱり私には、こうして少し離れた立ち位置からお気楽に意見を交換し合うのが合っているんだわ。

 冷静に、とまでいかないのは、自分では思いもつかない様な召喚獣が出て来るとやっぱり「おお!」ってなるからじゃない?

 ええまあ、何だ言いながら楽しんでしまってるわよ、実際。

 いいじゃないの、少しくらいはしゃいでたって。

 これから『起こる事』からの現実逃避、って自分でも何となく気づいてはいるけどね。


 そういえば、お貴族様のご意見をもとに開催された本公演だけれど、名前が挙がっただけでご本人様が直接顔を出す事は無かったのよね。

 その名前も知らない方の名前ばかりだったし。

 特別席で御覧になるとか言われたら慣れない友人たちが余計あたふたしてしまうだろうし、これはこれで良かったのかも。

 向こうも気を使ったのかもしれないし、それが本当かどうかまでは分からないけれど。

 ……てっきり『あの人』が出て来ると思ったんだけど、なあ。


「レディはこれからか?」

「ケツから2番目よ」

「レディがケツとか言わない!」

「気にしないで。この子ったら、ラビたちと一緒に問題児扱いでひと括りされて拗ねてるだけだから」

「それ、否定できねーよな」

 あはは、と友人たちが笑うけれど、それ本人笑えないから!

「で、どっちがどっちの抑え?」

「両方でしょ」

「レディの召喚で問題があればラビのゴーレムで抑え、ラビのゴーレムが問題になりそうな場合にはレディが新規の召喚獣で抑えるってとこか」

「ラビが召喚するのはゴーレムで確定なのな」

「何を今さら」

「けどレディの順番が先なあたり、前者の方が可能性高いと見られてる訳ね」

「あー、こりゃレディさんおこ(・・)ですわー」

 別に、怒るってほどじゃないわよ。

 ただ、自覚があるだけにまったくもって言い訳できないのが困るってだけ。

 ちょっとだけ唇がとんがってしまうのは、仕方ないと思うわ!


「でも珍しいですのね。普段暴走するのはラビ君たちがほとんどで、リグレッド嬢はそれを止める役が多いと思いますのに」

「ま、な」

「心意気は買われるべきと思う」

「ちょっと。まだ失敗すると決まった訳じゃないんだから、そういう事言わないでよ」

 まったく、縁起でもない。

 苦手属性に手を出した結果、思いもよらぬ原因から上手く行かなくなってしまった状況は、この場にいる友人達にはすでに知られてしまっていた。

 その上、有効な『抑え』の手段はともかく確実に成功する為の方法がはっきりと思い浮かばないまま、今日のこの日を迎えてしまった私。

 いや、正確に言えば1つだけは、ある。

 けれど、恐らく始まってしまえばそれどころじゃなくなるだろう状況の中で、“ソレ”を正しく運用できるかが問題なのだ。

 もう!教授達ったらノリノリで変なギミック付けてくれちゃって!止めてよ恥ずかしい!

 けど実際、とんでもないシロモノなのよねえ。

 最初から運用できなかったら意味無いっていうのに、使用者の危機(ピンチ)じゃないと発動しないとか変な条件付けまで!

 ロマンの一言で納得させられてしまった私も、大概なのかもしれないわ……。ぐう。

 図書館や塔の本を読み漁り、お父さんや先生方とも相談しながらできる限りの事はしたつもり。

 魔法陣もかなり手を加えたから、設計は万全、消費魔力自体はなんとか賄える程度にはなっているはずだけど。

 どこまでいけるか、こればっかりはやってみないと分からない、というのが何とも。


 後はどれだけ自分の力で統制出来るか。

 単純にして最大の難問が待ち構えていた。

 あ、ダメだ。緊張してきたかも。

「おーい、大丈夫かー?」

「アラヤダ、珍し」

「これ、もしかするともしかするかもしれんぞ」

 だからそうやって煽るの止めてってば!


『587番、リグレッド』

「はい!」

 さあ、いよいよ本番。

 気合入れて行かなくちゃ。

 媒体……事前に教授達に念入りに調整してもらった専用杖……よし、召喚魔法陣の確認……間違えている個所は無さそうね。

 魔力増幅の為の魔石は、陣の周囲に沿って等間隔に置かれている。

 中央に盛られた赤い土は、依り代にして核。

 最終的に選んだ属性は、炎と土。

 加えて、乾燥させた飛竜の翼、その皮膜の一部を乗せて強い風属性も付与しようとしているのだ。


 私自身の目でよく吟味し、厳選したこれら魔道具を標に『魔力の根源(むこう)』から『実像世界(こちら)』へと魔力を引き出し道を作り、呼び込まなきゃいけない。新しい友達を。

 うん、大丈夫。何度も練習したものね。

 レジルさんに連れて行ってもらったあの料理研究発表会でも、ちょっとしたコツというか秘訣みたいなものを貰ったのだし。まあ一方的にだけれど。

 でもそれを思い出して忘れなければ大丈夫。

 炎は怖くない、怖くない。恐れずに、支配する。

 よしっ、じゃ、行くわよ!


 不安になりそうな心を必死で押し殺し、見なかったふりをしながら杖に、魔法陣に魔力を通していく。

召喚設計図(コード)、展開!」

 ヴおン

 魔法陣に光が灯る。

 よし!まず第一段階無事に成功!

 けど、油断したらいけない。

 ここから先がいっつもままならない、上手く行かなくて困ってる部分なんだから。


「根源よ、我が請願に応えて道を開け」

 これは、トトを召喚した時には省いた工程。

 あの時は準備など無くとも近場に核となりうるほど豊かな水があったし、秘宝『失われし古代青エンシャッテッド・ロストブルー』から魔力の源泉……根源と直で繋がっていた状態だったものね。

 でも、今回は少し違う。

 呼び出すのに使う魔力は私自身の力のみ。正確には補助の魔石もあるけれど。

 あの時みたいに満ち満ちて溢れ、押し流されそうになるくらい膨大な魔力を一気に扱う訳ではない。

 それでも、不安定に揺らぐ魔力が私に気づけば(・・・・)、のみ込もうと押し寄せるだろう。

 例え『その相手(魔力)』が『向こう側』にいようとも、その時にはすでに道はまっすぐこちらまで伸びてしまっているのだから。

「希うは炎の力、燃える赤。呼び声に応えて来たれ……っ」

 脳裏をよぎる夕日の色。

 大丈夫、まだ、まだ!

 主導権は、まだこちらが握っている。

 気を抜くと暴れそうになる魔力を何とかいなす。

 けれど。


 (ゴウ)っ!!


 魔法陣の上で炎が噴き出し、逆巻いた。

 それはまるで風に煽られて踊る、黄金の獅子のタテガミのよう。

 美しくも危険に満ちた、狂乱の火柱が幾本も立ち上った。

「キャアアアアア!?」

「うわあっ!?」

『落ち着いてください、客席からお立ちにならぬようお願いします!繰り返します、客席は安全です!むやみに立ち上がらないでください!』

 司会者が叫んでるのが聞こえた気がするけれど、正直それどころじゃない。

 主導権を放さないよう、集中するので精いっぱいよ!

 荒れ狂う炎の渦の向こうで、先生たちが走り回り始めてるのが見える。

 まだ、まだ大丈夫だから、もう少しだけ待ってて欲しい!

 その為に、何度も話し合ってきたのだから。

 今出来る事はただ1つ。

 なんとか無事にこの召喚儀式を終わらせるだけよ!


 とはいえこれはちょっと、と弱気になりそうな自分を叱咤する。

 どんなに無事に終わらせるのが困難か、そんなの自分が一番分かってるけれど。それでも!

 トトを呼び出した時のあの騒ぎ、ヴィクトールの言葉を思い出し、ついでにあの炎の料理大臣こと王宮料理長さん(らしい人)の言葉も思い出すけれど、だんだん状況が悪化して来てるような気がするわ!

 じゃじゃ馬魔力っていうレベルじゃなくなってきているわよ、これ!

 荒ぶる魔力がひっきりなしに吹きつけて来るおかげで、自分が立っているのかさえわからなくなりそう!

 その上……悔しいけど、ひっかける現実は『今はいない』から本当に独力でどうにかしなきゃいけないのよね。

 心の中で『魔法の呪文(おまじない)』を何度も繰り返し、銀杖を強く握りしめた。

 そうよ、炎なんて怖くなんて無い、絶対に、のみ込まれたりなんてしないんだから!

 

「出たぞ、竜だ!」

「ドラゴンだって!?」

「何というものを呼びだすのだ……!!」

 どんなに耐えようとも、耐えているだけで事態は進行しない。

 ゆらぎ、暴れようとする魔力の本流に負け、少しずつ失いかけている統制をなんとか取り戻そうと悪戦苦闘しながらも、体組織の構成はほぼ終わりに近づいていた。

 鼓動を打ち鳴らす心臓、そこに宿り満ちる魔力と属性の選定はすでに終わっている。

 付随する能力と、それを実現させる為の体格設定。

 維持、放出の為の循環器と消化器官。

 それらが順番通り、設計図通りに形作られていく。

 夕日色に美しく輝く魔法陣の中から姿を現したのは、真っ赤に燃える炎の竜だった。


 不意に、あのかつての『炎の記憶』を思い出した。

 燃える家、訳が分からない人たちの様子。

 いなくなってしまった、パパとママ。

 急に独りぼっちになってしまって、ただ呆然としていたあの感情を。

 別に、怖いって思った訳じゃない、と思うけれど。

 それとは別に、お父さんの言葉も思い出す。

『お前は忘れてしまったんじゃない、思い出さないよう、心の奥底深くに閉じ込めてしまっただけなんだ』

 都合の悪い事を、忘れるんじゃ無くて『無かった事にする』。

 それがお前の、本当の『処世術』なんだと。

 本当は今でも“そこ”にあるんだと。

 ここ最近何度も炎の魔力に慣れようとする自分に対して、お父さんが言った言葉。

 どうしてそれを、今思い出したのか。


 意思持つ宝玉の様な(ソレ)が、自分の(ソレ)と合ったような気がしたけれど、何か違和感を感じて、でもそれが何だか分からなくて困惑する。

 ……ととっ、急いで体内形成に不備が無いか確認しないと!

 どうやら魔法陣が正確に起動してくれたおかげで、体の構成に異常は無いようだ。

 けれど。

「どうして!?」

 さっきの違和感は、これだったの!?

 肝心の、自分と相手を繋ぐパスに形成異常がみられる!

 つまり、相手との意思疎通に齟齬が生じている、簡単に言えば言う事を聞いてもらえない……かもしれないって事!

「先生!」

 くやしいけど、現状は報告しなきゃ。

 間違いなく、不具合よ!

「どうした!?」

「すみません、体に異常は無いようですが、自分とこの子を繋ぐラインが不完全の様です」

「「「「「何――――――ッ!?」」」」」

 悲鳴じみた叫びは、近くにいた先生だけじゃなかった。

 生徒も同様、どれだけ危険なのか理解してしまったという事なのだから。


「大丈夫なのか!?」

「大丈夫じゃないけど、何とかしたいと思って頑張ってるところです!」

「よし、それだけ言えれば十分だ!」

「もう少し持たせられるな!総員展開!」

 いっとくけど先生方、これ本気で言ってるんであって軽口じゃないわよ!

 上手くラインが繋がらないせいで、私の意思が相手にちゃんと伝わっているって手ごたえがはっきりしない。

 なんというか、直接伝えるんじゃなくて体を囲むように魔力を回してなんとか相手を止めている、そんな状況に近い。

 こっちは必死で相手に意思を伝え、何とか言う事を聞いてもらおうとしてるんだけど、相手が受け止めきれてないっていうのかな。そんな感じもする。


「ギア、ア゛ア゛ア゛アアアアアアッ」

 産声は、拘束を振りほどく為の裂ぱくの気合。

 訳が分からなくて混乱している、そんな感情が何となく伝わって来るから、完全に繋がり(ライン)が寸断されてしまった訳ではないみたいだけど。

 というか、繋がりが断たれてしまったらそれこそ失敗扱いとなり、問答無用で送還手続きにはいらなきゃいけなくなる。

 つまり、生まれたてで何も分からないままに暴れる赤ん坊を、言う事を聞かないからと叩いて壊してただの魔力に戻す作業、だ。

 戦闘。

 きっとそうなる。

 現に、もう―――。

「せ、先生私たちも!」

「俺たちもやります!!」

「ああ、では―――」

 包囲網は敷かれ始めている。

 時間が、無い!


 まだ、諦めたくない!

 まだ例のアレだってあるのに!

 でも目の前にいるあの子を落ち着かせようとするのに精一杯で、少しだって目が離せないのに、その上変化の命令(コマンド)入力なんて、出来る状態じゃない!

 アレさえできれば―――!

 どうしよう、焦りが生じる。

 こんなんじゃダメだって、分かっているのに!

 戦闘は、たしかにデモンストレーションになるだろう。きっとある意味良い見世物になる。

 観客席に張られた防護結界は頑丈で、熱も衝撃も伝えないから一般客の誰ひとりとして場を離れようとしていない。

 彼らのこわばる表情を笑顔に変えるには、それを上回る衝撃が必要だ。

 悪い竜を退治するなんて、そんな英雄物語が目の前で繰り広げられたら、観客はきっと喜ぶだろう。

 危機が回避され、大団円で終わるのだから。


 でも、何だか嫌だ。

 そんなの絶対にさせない。

 させたくない。

 正直怖いと思う心も無くは無いけど、これだけは言えるわ。

 私の竜は、悪い子じゃない。

 そんな悪い子になんて、させるもんですか。

 絶対なんとかして見せる―――!!


「お願い!雨を降らせて!」

「水をかけろ水を!」

 誰かが叫んでるけれど、それが誰だかもう把握できていない。

 それくらい私は目の前の事に集中していたのだけど、ふと気付くと目が合っていた。

 今度こそはっきりと。

 ―――誰と?

 召喚した私の竜と。

 魔法陣の中から飛び立とうとし、それを止める存在、つまり私に気付いたのだろう。

 つまりこの子に、周囲に目をやる余裕が出来たという事だ。

 危険度がまた跳ね上がった。

 このままでは先生方も他の生徒、なにより友達が危ない……!

 今一番抱いてはいけない感情、相手を傷付けたくないと怯える気持ち、あるいはこちらが傷付けられるという恐れが、私の心を塗り潰そうとしていた。


 轟ッ!!

 炎のブレスが容赦なく私に向かってくる。

「きゃああ!?」

「マズイ!!」

 儀式効率の為に、召喚主()召喚獣(この子)の間には何もない。

 先生方がとっさに結界を張ろうとする動きが見えるけど、間に合うかどうか、微妙!

 私自身に危機が迫った時、誰かが―――知った声が何か叫んだ。


「ラビ、準備は良いですね!?今アレを止められるのは、貴方のゴーレムだけです!」

「おうよ!俺の声を聞け、新たなる相棒!唸れ、目覚めろ、ゴルトリオン―――!」





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