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魔法の森学園乙女ゲーム狂騒譚  作者: 深月 涼
夏季長期休暇~メフィ先生の過去行~
26/47

遥かなる時を超えて


略して『はるとき』




 お父さんの―――そう、メフィ先生個人ルートのはじまりは、ヒロインであるセイラの過去、つまり彼女が孤児になってしまったいきさつについて知ってしまった先生……お父さんが、自分なら助けられるかもしれないと考えて自らの属性と悪魔としての能力、それに寿命を犠牲にし、彼女の亡くなった両親を助けようと過去に飛ぼうとして―――直前で気付いたヒロインと共に過去に跳ぶという流れになっていて、これは現状に合致していると言えると思う。

 ただ、何故か跳んだ先が私の実の両親のもとだった、という事だけが違うけど。

 『少しの違いが大違い』とはいうものの、どちらにせよこれって、お父さんが私を……私の本当の……パパとママを助けようって思ってくれたからこそ……で、いいのよね?そう、信じても。


 それと、当然だけど個人ルートだけあって、さすがにこんなに多くのメンバー引き連れて過去に跳んだりはしてなかったわね。

 ……クルエラ嬢がしようとしたのは恐らく、先生を攻略しなかった場合の先生の立ち位置というか、セイラが一緒にいなかった場合、過去から帰ってこれなくなる様な何かがあって、結果的に現代で行方不明になった……というゲームでははっきりと描かれなくて結果だけが示された部分について、補完要素も含めた“シナリオ”全体からの回避なんじゃないかしら。

 っていうか……今更ながらに記憶がはっきりしたって、もう遅いとしか言いようが無いんだけど!

 

「悪いが私語はここまでだ。君たちにはこれより私の指示に従って欲しい。質問は後で必ず受けつけよう。だが、先に言っておくが、ここは学園のあったあの場所……はっきり言おう、あの『時代』ではない。よって、今後の行動については君たちの良識が頼りとなる。くれぐれも、軽率な行動は慎むように」

 まだ混乱が収まったとは言えない自分に……ううん、“私たち生徒全員”に対し、“先生”として指示に従うよう頼むお父さん。

 つまりそれって、言いたい事も聞きたい事もあるだろうけど、今は皆黙っててくれって事よね?

「この近くにお住まいの方でしょうか?」

「あ、ああ……そうだが。あんたらは?」

「失礼、“私”は……」

 そうした私たちへの軽い説明の後、お父さん……メフィ先生は、私たちの保護者としてパパ……に向かって事情を説明し出す。

 って……あら?今のパパ、もしかして時間『凍りついてた』かしら?

 お父さんがわざわざ悪魔として、魔法使いとしての能力を前面に出さないといけないくらいに、ここって危ない場所だった?

 ……ううん、私が覚えている限り『あの日』まで、私たち親子は穏やかに暮らしていた……はず。

 なら、まだ何か私が知らない、あるいは覚えていない忘れてしまった何かがあるというの……?

 それとも過去の世界だけに、何がどう未来に影響するか分からないからという配慮かしら?

 ……とりあえず、状況が落ち着いて方針が決定されるまでは、このまま大人しく従ってた方が安全ね。

 “先生”も、それを望んでいるようだったし。

 他の人たちも同様の意見みたいで、落ち着いた様子で先生を見守っていたわ。


「という訳で、こうして頭を突き合わせて困っていたという訳なんですよ」

「なるほどな。……『あいつら』とはどうやら無関係らしいが……いや、『襲った』のは『連中』か……?それにしても災難だな」

「ええ、まったくですよ」

 肩をすくめる“先生”の言う事を“パパ”はどうやら信じたらしい。

 メフィ先生の言い分としては、こう。

 私たちは遠くの町から“とあるモノ”を探しに来た“私塾”の教師と生徒であり、こちらの方までわざわざ足を伸ばしたのは、それがこの近辺にあるという情報を得たからというもの。

 近くまで来たところ運悪く野盗に襲われてしまい、生徒の安全を取った結果命こそ無事だったが所持品や金目のものはすべて奪われた、と。

 ……無理ない?その設定。どれだけ凄腕なのよ、そして良心的なの、その盗賊団。

「この辺には人を襲う動物はいたとしても、野盗の類は出ないと思っていたんだがな」

「いえ、よく知りもしないで入りこんでしまったこちらにも、落ち度はあったのでしょう」

「いや、そういう人間を狙う方こそ卑劣だろう。……この国は平穏だと聞いていたが『セントラーダ』の西の果てともなると、やっぱり治安に不安は残るもんだな」

 考え込み始めてしまったパパだけど、ちょっと待って『セントラーダ』って!?

 驚いたのは私だけではなかったみたいで、『セントラール』の『第2王子殿下』ことアルフレアさまが、慌てた様子で口を挟んだ。

「待ってくれ、一体ここはどこなんだ!?貴方はここがどこか、知っているのか!?」

「どこって……『セントラーダ王国』の西部地方、ヴェストランデの山の奥だろう?知ってて来たんじゃなかったのか?」


 『セントラーダ』

 その名は神と人とが戦ったという『大戦』の時代まで遡る、現代に続く『セントラール王国』の前身である。

 と、いう事はつまり、今、この『時代』は。


 ――――――200年前近くまでさかのぼった、過去の時代――――――?


「…………どういうこと」

 生徒である私たち全員が、その事実に驚き顔色を無くしていたと思う。

 そう、『知っていたはず』の『私』や『クルエラ嬢』でさえも。

 過去にさかのぼった話だけは『知っていた』けれど、それがどの時代かだなんてそんなの描かれていなかった。そんな描写も無かった。

 だから(少なくとも)私は、ただ単にヒロイン―――セイラが生まれた、年代的には現代に位置する近日の過去に跳んだとばかり思っていたのに―――!

 もしかしてセイラ()こんな昔から現代にやってきたの?

 それとも、救う相手が私たち家族だったからなの?

 混乱しすぎて気持ち悪い。目が回りそうよ!

「……名前だけは、存じておりますよ。どうやら盗人は我々をかなり遠くの方に捨ててくれたらしい。本人たちは今頃遠くの空の下でしょう。まったく、やってくれますね」

 先生だけは、涼しげな顔のまま。

 ……知って、たの?

 知ってて、ここに来たの?

 じゃあ、私が、私が生まれて育ったのって、やっぱり……?


「おっかねえ連中がいないってなら安心だが……なら、あんたらはこれからどうするんだ?」

「そうですね……」

「ねえパパ、この人たち、困ってるの?パパも、困っちゃってるの?」

「ああ……そうだな」

「じゃあさ、パパ、おうち行こうよ!ママのおいしークッキー食べたら、きっとみんな笑顔になるよ!困った事もきっと解決できるの!だってママ、すっごく頭いいんでしょ!?」

 ね!と満面の笑みを浮かべる……私。多分、小さい頃の私、本人。

 子供の物無邪気な笑顔に、2人の親は顔を見合わせ……。

「そう、だな。ここで立ち話もなんだし、家に来るかい?生徒さん方も疲れてんだろう?」

「お言葉に甘えてしまって、いいんですかね?」

「そうだな……俺たちは、理由(わけ)あってこんな山奥に住んでいるんだが……どんな理由でここにいるのか絶対に問わない、俺たちがここで暮らしている事を決して他言しない、って約束できるってんなら構わないぞ。むしろ俺の嫁の自慢をしたいくらいだ」

 ははっ、と笑った顔は、私がかつての『パパ』を思い出そうとした時に浮かび上がる印象よりも、ずっとずっと若く見えた。


「狭いが我慢してくれ。おいナタリー、客だ。茶ァ、出してくれ」

「あらあら、珍しいわね、アナタがお客様だなんて」

 ……ママも、ちゃんと『実在』した。

 日の光を集めたみたいな、柔らかくてきれいに波打つ金の髪、パパと“私”に向かって優しく笑いかける穏やかな緑の瞳、お母さんという言葉の全てを詰め込んだみたいな、優しそうであったかくて、だけどどこか女性らしい可愛い声。

 素朴な色合いの服を着て、使いこまれているのがよく分かるような、少ししわの入ったエプロンをつけている。

 パパの姿も、うろおぼえながら何となく覚えていた姿形そのもので。

 ツンとどこかとんがったような硬くて少しぼさっとした黒い髪、鋭いけどママや“私”には優しい目、ちょっぴり怖い時もあるけれど、聞くと安心できる低い声。

 ごわつくけどさっぱりした黒いシャツを着て、黒のズボンをはいている。

 汚れが目立たないからいいんだって、笑ってたっけ。

 腰にナイフをさしてて、そのナイフはパパに投げられると必ず命中してた。

 まっすぐ美しく飛んでいく綺麗な線に、いっつもいっつも見とれてた。


 ……最近までずっとふわふわしていた『お父さんに拾われる以前の私がいた時間』が、急に目の前にはっきりとした姿形となって表れて、でも、そこにはちゃんと『私』が『私』として存在していて『私』の居場所は何処にも無くて―――

 どうしよう、どうしよう。

 眉間のあたりがツンとして、今すぐにでも泣いてしまいそう。

「おねーちゃん」

 あ……。

「おねーちゃん、だいじょうぶ?どこかいたいー?」

「ち、がうの、いたく、ない、から」

 ダメだ、誤魔化さなきゃ―――変に思われちゃうから―――

「安心できる場所に来て、ホッとしたのでしょう」

「そっか、酷い目に遭ったんだもんな。さっさとこっち連れてくればよかったのか」

 先生が上手く誤魔化してくれて、パパはますますこっちの状況を信じてくれたみたい。

 説明がまだだったママがキョトンとする。

「一体何があったの?」

「あのねー」

 ニコニコと首を突っ込もうとした小さな『私』だったけど、パパにくりっと向きを変えられてしまう。

「レディ、そっちのお姉さんと一緒に向こうで休んでなさい」

「はあい。ねえ、この子も一緒でいい?」

「『リグレッド』、ジンを連れて少し休ませてもらえ」

「……はい」

 “先生”に逆らう気力も無い私は、素直に従い下がろうとした。

 そこへ、脇から声がかかる。

「先生、女子たちは全員休憩させてもらった方がいいと思うのでしょうが、どうでしょうか」


 ヴィクトールは先生の嘘……というか誤魔化しに乗っかるつもりなのか、そんなことを提案していた。

 曖昧な表現ではあったけど、ここで女子を休ませたいと願い出た事は、酷い目に遭ったという状況への補足にはなると思う。

 彼がそこまできちんと考えていたのかは、よく分からないところだけど。

「……そうだな、よろしいですか?」

「それは構わないが……ボロくて小さな家ですまないな」

「とんでもない、休めるだけありがたいというものです」

「それにしても、あんたら野盗に襲われたってのに、ずいぶんと小奇麗なままなんだな」

「えっ、野盗ですって!?」

「それは……」

 本格的に話し込み始めた大人たちから離れ、私は小さなソファに腰をかける。

 家、も、どこか見覚えがあって、ああ、『昔の私』が『パパ』と追いかけっこしている情景が容易に浮かんで顔を覆ってしまう。

「大丈夫?レディちゃん」

「お水、もらう?」

 心配そうに声をかけてきてくれるセイラとルーエだけど、正直声が出ない。

 だってきっと、絶対震えた声しか出ないもの。

「レディ?おねーちゃんもレディっていうの!?わあ!“わたしといっしょ”!!」

 あ。

 さあっと血の気が引いたのが分かった。

 でもここは、誤魔化すしか、ないよね?お父さんも、いないし……。

「う、ん。偶然、だね」

「すっごいー!きれいなおねーちゃんといっしょなの、うれしいな!」

 『私』に『私』は分からないの。

 気が抜けたような、どうしようもなく絶望してしまったような。

 そうだよね、私の髪、真っ白だもんね。

 目の色だって、赤いもんね。

「……はは」

 なんだ、じゃあ、気付かれないんじゃないの。

 ――――――パパにも、ママにも。

「…………おかしい、わ」

 考えにふけっていた私は気付くのが遅れてしまったけど、クルエラ嬢の、消えそうなほど小さなそのつぶやきの意味を知るのは、もう少し後になってからの事。


「女子たち、今いいか?」

「あっ、はい!」

 代表してセイラが返事をすると、“先生”は1枚の手書きの地図をひらりと見せた。

「ここの家主さん……エルクハートさんに書いてもらった。これで近隣の町までは出られるだろう。後はどうにかして『救助』を要請すれば良い」

「救助、ですか?」

「えっと」

 セイラもルーエも顔を見合わせているけれど、どう返事していいのか分からないって感じね。

 助けを求めるにしたって、この時代に知り合いなんていない訳だし……。


「おねーちゃんたち、行っちゃうの?」

「ちっちゃなレディちゃん」

「やだなあ。レディ、もっとおねーちゃんたちやジンくんといっしょにいたいよ?おにーさんたちともあまりおしゃべりしてないもん。ねえ、だめかなあ。もっと遊びたいよう」

 長居出来るとは思えないこの状況で、小さな『私』だけはこれほど早くに私たちがいなくなるとは思ってなかったらしい。

 ジンを抱きかかえたまま、べそをかき始めてしまった。

「ごめんね、ちっちゃなレディちゃん」

「……」

 それを見ながら、しばらく考え込むそぶりをしていた“先生”は……。

「1つ、提案があるのですが」

 そう言って、パパに許可を求めた……のだけど。


「にしてもさあ、結構先生って『腹黒』?」

「先生はお前が『腹黒』って言葉を知ってる事の方が驚きなんだが」

 それは私もそう思うわ、ラビ。

 ―――結局、パパにわざわざ許可まで取って、私たちは近くの場所に野営を設置する事になった。

 自分たちには目的があって、その為にもしばらく逗留する必要がある。

 帰るにしても連絡が取れないといけないが、だからといって迂闊に人と会えないような人に金は借りられない。

 返すにしても、誰かがパパたちに会わなければならないのなら隠れている意味が無くなってしまうし、そうしたらただでさえ迷惑かけているのに、これ以上迷惑かけられないだろう……というのがその言い分。

 それを聞いたパパは、ものすごく苦そうな顔をした。


 まどろっこしいと思ったんだと思う。直後に家を貸すとまで言っていたし。

 まあ、借りるにしても人数が多すぎてそれこそ邪魔になっちゃうのは分かり切った事だったけど、パパはそれでも粘った。

 邪魔、邪魔じゃないの応酬の後(お父さんの本音としては、王族だの貴族だのいるのに他人の狭い家での生活はちょっと、というところだと思うわ)結局「あまり長居はしない事をお勧めする」と言いながらも、しぶしぶ許可を出したようだった。

 それに対して“先生”は胸を張って「そこら辺は大丈夫ですよ。元々警戒を怠ったこちらが悪いのだから。警備さえしっかりしていれば負けはないでしょう」ですって。

 まあ、実際その通り過ぎて言い返せないんだけれど。

 というかだから、それだけの戦力相手に金目の物だけ盗って行った盗賊、どれだけ凄いのよって話になるじゃない。

 まあ、私たちの強さなんて見せる機会も無い……いえ、その内あると想定していた方がいいのかしら?

 ご家族も含め守れる程度の力はある、だなんて“先生”は勝手に請け負っていたわ。

 ともかくそんな交渉の末、パパの……『私』の『住んでいた家』から少し離れた所に、野営を設置する事になったのだけれども。


 とはいえそこは王族もいる今回、適当に布の天幕を広げる訳にいかないし、そもそもそんなもの持ってきていないものね。

 となると後は簡単。

 自分たちで宿泊棟を建てるのだ。

 『私』や『家族』の事についてはひとまず置いておいて、まずは出来る事をしよう!

 ……と気持ちを切り替えたはいいものの。

「なら、俺の出番だな!来ぉい、ゴンザ「蔵王はやめとけ!近所迷惑だ!」メイワクダーダーダー……あれ?ゴンザレス、引っかからないぞ?あれ?あれれ?」

 いざ建てる段になって、問題になったのが、私たち(・・)の召喚魔法。

「こっちもよ。トトが出てこない……。ジンは平気なのに、どうして……?」

 召喚の魔法陣すら起動しないなんて、そんなの一度だってなかったのに。

 首をひねる私たちに、“先生”はあっけらかんと言い放った。

「恐らくだが、“未来”から“現代”に無いものを呼ぼうとしても無理って事だろう。なにせ『無い』のだからな」

 そ、そういう事なのっ!?

 嘘でしょう!?いきなり戦力外疑惑浮上しちゃってるじゃないの!

 どうすんのよ、この事態ー!

 



とある日の王城。

胡散臭い宰相G「おや、また新しいグラサンをお買いになられたので?」

王様E「いや、これは冬将軍のご子息殿(ノエル)から贈られてきたモノさ。なんでも、とある骨董屋で買ったとか。書かれていた手紙にいわく、並行世界を覗く事が出来るサングラス、だそうだよ」

胡散臭い宰相G「ほっほっ、それはまた、おもしろきもので……ございますなあ。しかし一介の骨董屋風情に、このようなものがあるとは。もしや古代魔道具(アーティファクト)の類でございましょうか」

王様E「いや、恐らくは大戦の魔法使い『エメラルドの国の魔法使い』の仕業ではないかな?」

胡散臭い宰相G「ほっほ。それが本当ならば、他にも何やらありそうですなあ、その店には。……少し、お調べいたしますかな?」

王様E「いや……あの類の店というものは、本当に必要な者にしか門戸を開かないものなのさ」

胡散臭い宰相G「なるほど、かしこまりました。それにしても、数あったであろう中からわざわざこちらを選ばれたという事は……ノエル殿も、ずいぶんと陛下のご影響を受けられたご様子」

王様E「影響?フッ、私が彼に与えたのは、ほんの僅かな助言に過ぎんよ」

胡散臭い宰相G「では、そういう事にしておきましょう。して……何かお返しになられるので?」

王様E「そうだな……今年の大感謝祭に招待するというのはどうだろう。彼も自国を拠点に、自ら率いる楽団でかなりの成功をおさめているようだしね」

胡散臭い宰相G「おお、それはよろしいですなあ。折しも第1王子プリンシファル殿下が帰参との知らせもありました。よい機会と存じます。ご友人同士、積もる話もあるのでは?」

王様E「そうだね、ではそのように手配よろしく頼むよ」

胡散臭い宰相G「かしこまりましてございます」

王様E「では……せっかくだから覗いてみるかい?」

胡散臭い宰相G「おお、これは有難く。さて……いかなる世界が広がっているのやら、楽しみですな」

王様E「そうだね。さて、それでは……世界という『(はこ)』の中をのぞいてみようか―――」



人の事を言えた義理ではない黄金の魔女にして寵妃B「……普通に話しているはずなのに、胡散臭い会話にしか聞こえないのはどうしてなのかしら……」





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