23話目 休息
「なんであんたたちがここにいるのよ」
責め立てるようにアタッカーさんがぼくとアルに声をかけてくる。
モンスター部屋へ入ったときに十数体のオークが待ち受けていたけど、これは難なく倒すことができて、オークの死体は全部アルの持つ時空の革袋に入れた。
今日は孤児院の子供たちが楽しみにしている月一度のお誕生日会、ちゃんと祝ってあげないと子供たちががっがりする。
「え? きみたちがここでケガ人を助けてるからって聞いたから来たんだ」
「そう……ありがとう……」
アタッカーさんはいつものような勢いがなく、なぜか顔を赤くした。ギガンテスとの戦いで疲れたのかな。
「ああ。礼ならアルに言えよ? あいつがきみたちを見捨てられないからここに来るち強く推したからな」
「……じゃあ、あんた一人なら来なかったわけ?」
「そんなことはないよ。さすがに顔見知りを見捨てるほどぼくも薄情じゃないよ」
「顔見知りならだれでも助けるわけね、あんたは」
先からこの女はなにを言っているんだ。聞いて言うことがまったくの的外れで、ぼくにはその真意が全然わからない。
「誰でもって、きみたちも人助けでここに残っているんでしょう? それと同じじゃないかな」
「んもう、そういうのじゃなくて……もっとほかの言い方があるでしょう!」
なぜか怒られてしまった。
人助けで怒られるなんて初めての経験だよ。いったいなんなんだよこの女は。
「もどかしいわね!」
「リーダーは言葉のきっかけが欲しいのよ。でないと自分から言い出せないと思ってるわね」
「……ツンデレ?」
「そんなん可愛いもんじゃないよ。うちのリーダーの性格はただ子供みたいなものだけだ」
「うん、それ。ボクもそう思う」
「すまないね、うちのアキは鈍感なんだよ。こういうのは全然慣れていないんだ」
なぜか外野のほうでアルがバラの騎士団の女の子たちと仲良く喋ってる。あいつ、こういうときは抜け目がなくて、だれとも仲良くするから羨ましい。
ヒーラーが怪我人を治療しているとき、ぼくらはモンスター部屋を隈なく探索して、宝箱が置かれたる小部屋を見つけることができた。
宝箱の中身は傷を回復できるポーション。万が一に備えて、ケガ人を含める全員が小部屋の中へ移動することにした。
ありがとうございました。




