173.エルフ、メデューサと戦う【中編】
メデューサと戦闘中のチェキータたち。
「なるほど……矢に毒をぬってあったのね」
ぐぐっ……とメデューサが矢を抜いてつぶやく。
「知恵をつけたじゃない、ルトラ。お母さん、あなたの成長、うれしいわ」
口の端から地をこぼしながら、メデューサが愛おしげにつぶやく。
ルトラはメデューサの細胞を元に作られている。
いわば蛇女の子供なのだ。
「けど母親に逆らうなんて、いけない子供ね」
ひゅっ……! とメデューサが蛇の腕を振る。
矢が飛んできた方向にルトラが居ると踏んだのだろう。
早すぎて、ルトラは避けることができなかった。
「くっ……!」
ガキンッ!
「……ちぇ、チェキータ」
「大丈夫よ、ルトラちゃん。しーちゃん、一気にたたみかけるわ! 援護を!」
「はいなのです! 【火炎槍】!」
炎の槍が、メデューサの周囲にぶち当たる。
メデューサは手で顔を覆う。
彼女の周囲には炎の海ができあがっている。
「どこを狙っているのかしら?」
「どこを見てるのかしら!」
炎のなかから、チェキータが出てくる。
彼女は賢者。
高い魔法防御力を持っている。
シーラの炎の魔法でダメージは喰らわない。
あの炎で目くらましをし、そこにチェキータが攻撃を仕掛けるというコンビネーションだ。
「もらった!」




