171.邪竜、手分けして城を攻略する【後編】
通路を進んでいった先に、カルマたちは分かれ道を発見した。
「道は三つ叉に分かれてるわね」
「前は分かれ道なんてなかったのです~」
「ということは……向こうがわざわざ用意したと言うことですね」
チェキータは両手を前に出す。
魔法の光がともると、それは3つの通路へと伸びていく。
ややあって。
「分かれ道の構造がわかったわ」
チェキータは右端の道を指さす。
「この先には、ベリアルの力を感じる。おそらく完全復活を待つ邪神がいるわ」
次に、左の道を指さす。
「こっちからは魔王四天王の力を感じたわ。おそらくメデューサでしょうね」
最後に、チェキータは中央の道を指さす。
「この真ん中の道の先に……リューがいるわ」
チェキータは全員を見渡す。
「どの通路もかなり長いわ。全員まとまって3つのルートをいったりきたりする時間はない。ベリアルがその間に復活してしまうわ」
「では、三組に分かれましょう」
こくり、とチェキータがうなずく。
「わたしはメデューサを止めてくるわ。地上のヨルムンガンドを操っているのはあの女よ。止めないと、地上が滅ぶからね」
チェキータが覚悟を決めた女の顔で言う。
「カルマはリューのところへいってあげて。そして、残り全員でベリアル復活を阻止よ。休眠中の今なら倒せるはず」
「ま、まってくださいなのです!」
シーラが慌てて言う。
「チェキータさんがあぶないのです! しーらも……しーらもいくのです!」
「……私も。メデューサには、因縁があるから」
シーラ、そしてルトラがチェキータのそばへとやってくる。
「べりある。るぅたち。まかせて」
ルコがどんっ、と自分の胸をたたく。
「ですがルコ。相手は邪神ですよ?」
「だいじょーぶ。るぅ、つよい」
「それにまだ完全復活していない状態なら、魔王四天王ふたりでどうにかなるじゃろう。おぬしらは、おぬしらのなすべきことをしてくれ」
バブコがルコとともに、こくりとうなずく。
「カルマがリューを救出。わたしとしーちゃんとルトラちゃんでメデューサを止め、ルコちゃんとバブコちゃんでベリアルの破壊。良いわね?」
「「「おう!」」」
それぞれが、分かれ道の入り口に立つ。
「みんな……健闘を祈るわ」
かくして、カルマたちはそれぞれの道を進むのだった。




