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冒険に、ついてこないでお母さん! 〜 超過保護な最強ドラゴンに育てられた息子、母親同伴で冒険者になる  作者: 茨木野
11章「最終決戦編」

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169.息子、塞ぎ込む【前編】



 カルマが仲間たちとともに、息子の救出を決意した……一方その頃。


 カミィーナ上空。


 雲海の上には、1つの城があった。


 それはかつて、カルマが作って放置していた天空城。


 城壁からメデューサは、地上をのぞき込んでいた。


「くふっ♡ わたくしの可愛い世界蛇ちゃんは、順調に仕事をこなしているようですわね」


 巨大な銀の蛇が世界をむしばんでいく。


 緑は死に、海は犯され、大気は汚染されていく。


 もう数時間もすれば、この星は人間の住めぬ星に代わるだろう。


「そして復活したベリアル様が地上に降臨する……くふっ♡」


 メデューサはきびすを返し、城壁から降りる。


「唯一ベリアル様に対抗できる勇者リュージは、今こちらの手にある。世界の破滅はもはや秒読み……しかし」


 城の中に入る。


「もし万一、あの元邪竜が息子を取り返しに来る可能性も、なくはないですわ。そこで……あなたたちの出番と言うことですわ」


 城の中には、人とも思えぬ異形な姿をした化け物たちが、うめき声を出して徘徊していた。


「人造勇者の失敗作、とっておいてよかったですわ。さすがにリュージやルトラほどの力はありませんが、その数はかなりのもの。時間稼ぎにしかならないでしょうね」


 しかしそれでいいのだ。


 時間を稼ぐことが、このゴミたちの仕事だからである。


「本当ならルトラがいれば役に立つのですが……ま、いないものを当てにしてもしかたりませんわ。さて……」


 城の最奥までやってきた。


 だだっ広いホールに、玉座が一つある。


 頭上には、結界に包まれたリュージが眠っていた。


 メデューサは玉座に近づいて、深々と腰を下ろす。


「さ、邪竜とそのお仲間。来るならどうぞご自由に」

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