表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険に、ついてこないでお母さん! 〜 超過保護な最強ドラゴンに育てられた息子、母親同伴で冒険者になる  作者: 茨木野
11章「最終決戦編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

309/383

157.息子、同窓会に参加する【後編】



 カミィーナ冒険者ギルドにて。


 リュージは級友と再会していた。


「しかしよぉ、リュージ少し見ない間に、筋肉ついたじゃんなー」


 隣に座るスターチが、リュージの腕をペタペタ触る。


「前はひょろひょろだったじゃん?」


「そう、かな。自分ではあんまりわからないけど……毎日仕事してるからかな?」


 冒険者としてのクエストは、主にモンスター討伐。


 体力を使う仕事をこなすうちに、体格もがっしりしてきたのだろうか。


「少し見ないうちにたくましくなったねリュージくん」


 イボンコがふふと笑う。


「しかし毎日仕事って、根を詰めすぎてないかい?」


「そうかな? 普通じゃない?」


「んなことねーって。みんな適度に休んでるじゃん。毎日毎日仕事じゃ気が休まらねーじゃん。なぁ?」


 うんうん、と友達がうなずく。


「がんばることはいいことなんだなー。けど休むことも大切なんだなー」


「休養も仕事のウチだと私も思うよ」


 イボンコは真剣な表情でリュージを見やる。


「確かに仕事は大事かも知れない。けど私たちは仕事のために生きてるんじゃない。生きるための手段として仕事をしている。無理をして体を壊しては意味が無いよ」


「適度にサボれツーことよ、な、リュージ」


 スターチが肩を組んで、ニカッと笑う。


 ……どうやら、みんなリュージの状況が伝わっているみたいだ。


 おそらくシーラが伝えのだろう。

 その理由は言わずともわかる。


 休まずにいたリュージに、休んでくれと伝えたかったのだ。


「ところでよー、リュージぃ~?」


 ニヤニヤ笑って、スターチが顔を近づけてくる。


「その後大事なシーラちゃんと進展はあったのかよぅ?」


「し、進展って……別に普通……」


 冒険者学校のとき、リュージに恋人シーラがいることを、スターチたちには教えていた。


「じゃあもう一緒にベッドにインしたじゃん?」


「なっ!? そ、そんなことしてないよ!」


「「「えー……?」」」


 つまらなそうな顔になるみんな。


「リュージくん、一緒に住んでいてそれは良くないな」


「だ、だって……できないよそういうの……」


 シーラがきょとんとした顔で首をかしげる。


「何の話なのですー?」


「シーラちゃんとリュージが大人の関係になるのはいつじゃんって話じゃん?」


「おおおとおとなのかんけー!」


 ぴーんっ、とシーラの耳が立つ。


「そ、それはきがはやいのですぅ~……」


 しゅぅう……とシーラが顔から火を噴いて言う。


「いーや! 何言ってるんじゃん。おれらはもう大人じゃん!」


「うむ、結婚してもおかしくはない歳だ」


「挙式はいつなんだな~?」


 そんなふうに、わいわいと楽しい時間を、リュージは過ごした。


 ややあって。


 リュージは友達と別れ、シーラと帰路につく。


「いっぱいお友達できてうれしかったのです!」


 隣を歩くシーラが言う。


「あのさ……シーラ。今日はごめんね。気を遣わせちゃって」


 シーラはリュージのために、イボンコたちに招集をかけてくれたのだろう。


「気にしないで。リュージくんが元気になって、しーらうれしーから!」


 リュージは微笑むと、シーラの小さな手を掴む。


 そして愛おしい恋人を抱きしめる。


「ありがとう、シーラ」

「えへへ♡ どーいたしまして♡」


 ふたりは仲良く、並んで家に帰ったのだった。

書籍、コミックス好評発売中!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ