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第62話 いつもの日常

今回のお話はいつもと比べると短くなってしまいました。


ただ、こういう日常系の内容は個人的に好きなのでお許しをm(_ _)m

私は、この前美月と皐月が応援にきてくれた大会で負けた。

その悔しさから、ゲーム部屋にこもる時間が増えてきていた。


私の油断からミスに繋がって、動揺しすぎてそのまま負けちゃうという後から考えると、しょうもなさすぎる理由で負けた。


家に帰った後悔しすぎて半日くらい泣いてお兄ちゃんにすごい心配されたし。

もうあんな思いはしたくないって気持ちが強すぎて、最近寝不足気味でもある。


「おい凛起きてるか?朝飯作ったけど食うか?」


ゲームがちょうどひと段落して寝ようかと思っていると、扉の前からお兄ちゃんの声が聞こえてきた。


この部屋には時計がない。時計があるとどうしてもそっちを気にして集中できないって理由で外してるんだけど…もうこれをやり始めて12時間ちょっと経ってるらしい。


電源を切っていた携帯の電源を入れて初めて分かった。夢中になると周りが見えなくなるのは悪い癖だと思うけど...治らないんだもん。仕方ない。


「ん。食べる…」


「お前まさか…一晩中やってたのか?」


「ご飯食べたら寝るから大丈夫…」


「大丈夫じゃねぇだろ。日曜プール行くって言ってたのにそんなんで大丈夫なのか?」


「多分大丈夫…」


お兄ちゃんは軽く呆れながら肩を貸してくれた。

あまりに眠すぎて私がふらついてたのを見て、コーンスープも追加で作ってくれた。


「夏休みだからって完全に昼夜逆転してると色々良くないぞ?ゲームの大会でもなんでも」


「ん〜。分かってるけど…やめられないじゃん」


「なら皐月さんと美月さんに少しの間泊まりに来てもらうか?あの子達が良いって言うなら俺は友達の家にでも行ってるぞ?」


「皐月…。え!?やだ!ゲーム出来なくなるじゃん!」


「あのなぁ…。宿題全部終わらせてから好きなだけゲームしてたら極力何も言わないからあの2人呼んでさっさと終わらせた方が良くないか?」


私はそう言われて、食べる手を止めた。

美月は皐月ほど厳しくないし、なんなら優しいから呼ぶのは別に良いんだけど…皐月がうちに来るとなんか色々厳しそう。


美月には普通なのに私には凄い厳しい気がするんだよね皐月って。

それに、美月か皐月にご飯作って貰えるならお兄ちゃんはいなくても大丈夫だけど、それもどうなんだろうって気もする。


1番の問題は、今は一晩中ゲーム三昧の毎日なのに2人が来るとそれが叶わなくなる可能性があるってこと。


いや、皐月が来るんだったら間違いなく許してくれないと思う。宿題を全部終わらせたとしても、ちゃんと寝ろって言われる気がする。


「ちょっと考えとく。でも!呼ぶとしても皐月にはいつもより優しくって言っといてね!」


「皐月さんが一番しっかりしてるからむしろ厳しくして貰える方が俺はありがたいけどな」


ちょっと笑いながらそう言うお兄ちゃんが初めて怖く見えた。

基本的には優しいお兄ちゃんだけど、時々こう言う風に微妙に怖い時がある。


この前の花火大会の時、お兄ちゃんの事を完全に忘れて帰った私の事凄い怒ってたし。

会場に戻ってもどこにもいないし、連絡もつかないしで、1時間近く必死で探した挙句、私からお腹空いたってメールが来て軽くイラっと来たって言ってたし。


いやこれに関しては私が全面的に悪いんだから仕方ないんだけどさ。


「皐月ってなんで私にだけ厳しいかわかる?」


「俺がついつい甘やかしてるから皐月さんに凛の事お願いって前に言ったことあるなそういえば…」


「そう言うこと!?私怒られるとやる気なくすタイプだよ!?」


「凛の場合、褒められたら調子乗って失敗するタイプでもあるだろ…」


全くその通りのことを言われて、何も言えなくなった私は少しだけ負けたような気がしてご飯を食べる手を動かした。


怒られたらやる気なくして、褒められたら調子に乗って失敗するタイプってどうすれば良いんだろうね…。

皐月は私にもう少し優しくしてくれても良いような気がするけど!


ご飯を食べ終わるのと、玄関のチャイムが鳴ったのはほぼ同時だった気がする。

お兄ちゃんが玄関のドアを開けたらしく、外の風の音が聞こえる。


「おはようございます。凛起きてますか?」


「おはよ。今朝飯食べてるから呼んで来るね」


「お願いします」


なんとなく聞こえたけど、美月の声だった気がする。

案の定、私を呼びに来たお兄ちゃんは、美月さんが来てるって言ってたし。


ただ、私がリビングから出て玄関を見ると、確かに美月はいたけどその横に少しだけ嬉しそうな皐月の姿もあった。


「なんで私の顔見た瞬間まずいって顔するんだよ」


「え!?あ〜いや?なんでも!?」


「ふ〜ん。まぁ良いや。美月が新しい水着が欲しいって言うからこれから見に行くけど、凛も来るか?」


一瞬、寝たい…。って思ったけど、よく考えたら私が持ってるのって中学校の時に1・2回使ったかな?程度の学校の水着だけだった。


流石にそんな水着でプールに行くわけに行かないし、昨日皐月が言ってた限りだと結構大きいプールらしいから…そんな格好じゃ悪目立ちしそう。


どこに行くのかも言ってた気がするけど、名前を聞いてもほとんど外に出ない私には分からないし。


「ん?でも美月も皐月も水着くらい持ってないの?私はともかく…」


「まぁ私は中学の時からそんなに体型変わってないから大丈夫だと思うけど一応買っとこうかなって感じ。美月はだいぶ変わったせいで前のはきついかもって〜」


「うわ〜何その嫌味〜」


私は美月のある部分を見ながら少し笑って言うと、美月は顔を少しだけ赤くしながらそんなんじゃないって小さく反論していた。


紅葉ちゃんに気付かれない為に色々努力したのは分かるけど…なんでそんなに色んなところが変わるのか本当にわからない。

私も皐月もあんまりある方じゃないのに…。


「分かってるけど小さいって凛に言われると微妙にムカつくな」


「なんで!?」


「はぁ…。とにかく、行くなら待っといてやるから早く準備してきな?」


「わ…分かった」


反射的に頭を抑えた私は、皐月からチョップが飛んでこなかったことを心の中で喜んだ。

皐月のチョップって何気に少しだけ痛いんだよね。それに慣れつつある私も私だけど。


リビングに戻った私は、お兄ちゃんに事情を話してお小遣いをもらった。

自分のお財布にも少しは入ってるけど…自腹では払いたくなかったし…。


私は、全身をできるだけ黒に染めて、帽子とサングラスをかけて家を出た。

皐月達が待ってると言っていた近くの公園に着くと、ブランコに乗りながら待っていた2人がちょっと呆れながらこっちを見ていた。


「あのさ〜これから買い物行くって言ってんのになんでそんな不審者みたいな格好してんの?」


「だって〜クラスの人とかにあったら気まづいじゃん」


「着替えてこい」


「え〜?別に良いじゃ…痛!」


「美月。ちょっと待ってて。この子着替えさせて来るから」


「分かった。なるべく早くね〜」


美月のその言葉を聞くと、凛は嫌がる私を無理やり家まで連れ戻して、部屋で今の服を全部着替えさせた。


結局、前に紅葉ちゃん達と買いに行った時に買わされたワンピを着せられた。そう言えば皐月もあの時買った服じゃん。


というか、私が着れるまともな服って制服かこれか、ジャージ。後はゲーム部屋にいる時はいつも着てる白い半袖の、真ん中に元気!って買いてあるTシャツだけだし。


美月のところに戻った私達は、少しだけ笑いながら待ってた美月に少しだけ引きながら合流した。


なんとなく想像はついてたけど、紅葉ちゃんとメールのやり取りをしてたらしい。

どんだけ好きなの…。


ちなみに、美月は腰にパーカーか何かを巻いて白いシャツに前に皐月に買ってもらったって言ってたスカートを履いてた。

なんか…スカートがズボンとかだったら厨二病気味の小学生が着てる格好みたいなんですけど…。


私の最初のやつにはすっごい言ってきたのに美月のはスルーなわけ!?なんで?


「さぁ?なんのことだ?」


「はぁ!?酷くない!?」


「ほらさっさと行くぞ〜」


すごくご機嫌な美月と嬉しそうな皐月。納得行かずに少しだけムスッとしてる私。

これがいつもの私達の日常。納得はまだ全然できないけど、なんだかんだ言って楽しいのには変わりない。


紅葉ちゃんの家で寝ちゃった件に関しては美月からは羨ましいだの、私が捕り方のアドバイスをしてプレゼントしたサメの枕が置いてあってすごい嬉しかったとかよくわかんない事も言われたけど、皐月からはただひたすら怒られた。


ゲームくれるって言うから頑張ったのに、結局ゲーム買ってくれたのはお兄ちゃんだったし…。本当に皐月って私にだけ厳しいよね!


少しだけモヤモヤしながら、私は2人の後をついて行った。

次回のお話は7月12日の21時に更新します。


取り敢えず7月終わるまでは3日投稿を頑張ります。

8月からは7月の様子を見ながら考えます!

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