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眠れない夜に  作者: ミィ
第三章
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21 迷い(Ⅰ)

夕食の後に真理亜はネットにアクセスして総合職のことを調べてみた。


現在真理亜は経理事務の一般職なので総合職に変わるには試験が必要なのだと思う。


課長の話では2~3年後に試験を受けて合格すればという話ではあったが、

具体的にどんな試験なのか、傾向と対策はあるのかよくわからなかった。


会社のホームページから情報をとも思ったがそこには簡単な説明しかなく、詳細は特別なセキュリティがかかっているようなので、これは就業日に会社のPCから試みることにした。

どうも外部からのアクセスをブロックしているようだ。



真理亜は検索の手を止めて考えてみた。


企業としては以前のように女性は補助業務をというわけにはいかず、男女均等に営業や企画、管理職への道を開いているということなのだろう。


転勤もあるということなので、まだ結婚が決まっていない真理亜が今度どのような人生設計をするのか課長は2~3年後と考える猶予をくれたような気がする。


結婚かぁ・・・と思うとよくわからなくなる。


今付き合っている佐々木はどう考えているのだろうか。


平和に楽しく付き合ってはいるがあの佐々木亮輔が結婚を考えているのだろうか。


もう30歳なので家族からは結婚を言われているかもしれないが、この私とは結婚なんて考えていないような気がする。


佐々木との時間は毎回オシャレで快適だ。いつも真理亜を気遣って優しくエスコートしてくれる。


美味しい食事とお酒、そして下品にならない程度の会話だ。


セックスのときは少々乱暴な言葉遣いになるが、それも軌道を脱したものはなく充分にノーマルの範囲だろう。


先ほど佐々木から『大丈夫か?お大事に。じゃ来週予定しておくよ』というメールが届いているが、お互いに忙しい時はデートも融通がきく。


GW以降は会う機会が減っているが、無理やり会いたいと言われたことはないし真理亜も言ったことが無い。


佐々木とだったら真理亜が総合職で忙しくなっても上手くやってけるだろうか?


いやいや、結婚相手にはまた別の意向があるかもしれない。


どんな妻が好みなのだろうか・・・?


そこまで考えて真理亜は佐々木がどんな結婚観を持っているのか全然知らないことに気がついた。



そのことに気がつくと妙に落ち着かない気持ちになり、お茶を淹れることにして立ち上がった。


長く同じ姿勢で座っていたので膝がこわばっている。


足に手を伸ばして筋肉をほぐしながら、気持ちを落ち着けるためにカモミール茶を淹れることにした。






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