朝の雀はちゅんと鳴く
ちゅん……ちゅんちゅん…
ガバッ
「朝か。」
どうやら私はいつの間にか眠ってしまっていたようだ(もしくは、幽々子の乳圧で気絶したのかも知れない)。
横で眠っていた、幽々子の姿はなかった。
私より先に起きたようだ。
外からの光が障子越しに差し込んでいる。
「起きなくちゃ。」グッ
立ち上がるために足に力を入れる。が…。
グラッ
「わっ…!」
ドサッ
私の体は真っ直ぐ立つことなく、再び布団へ倒れてしまった。
「あっれぇ……おかしいな。もしかして私ったら幽々子が寝てる間に何かやっちゃった…。」
頭の中を整理してみるが記憶にない。
「どうしよう…。」
……………
妖夢「幽々子様、朝食の用意できました。」
幽々子「そう。それじゃあ、天照を起こして来て頂戴。まだ、眠っていると思うから。」
妖夢「分かりました。」
…………
「うぅ…。」
妖夢「天照様、妖夢です。起きていらっしゃいますか?」
「おっ、起きてるよ~。」
妖夢「失礼します。」
ガラッ
妖夢「おはようございます、天照さま。」
「おはよう、妖夢。」
妖夢「朝食の用意ができましたので、居間の方へどうぞ。」
「うん、わかった。」
妖夢「では、お先に失礼します。」
「あっ、妖夢。」
妖夢「はい、何でしょうか?」
「ごめん、手を貸してもらえるかな。なんだか、立てなくなっちゃって。」
妖夢「構いませんよ、どうぞ。」
「ありがと。」
…………
「いやぁ、助かったよ。あのままだったらどうしようかと思った。」
妖夢「それにしても奇妙ですね。朝起きて、急に立てなくなるなんて。」
「新手の病気かな。」
妖夢「永淋先生の所で診ていただいた方が宜しいのでは?」
「そうだね、一応行ってみるよ。」
………
妖夢「幽々子さま、天照さまをお連れしました。」
幽々子「入って頂戴。」
ガラッ
「おはよう、幽々子。」
幽々子「おはよう、天照。昨日はゆっくり眠れたかしら。」
「あはは……お陰様で。」
幽々子「そう…それは良かったわ。それじゃあ、食事にしましょう。」
…………少女食事中
「ご馳走さま。」
妖夢「ご馳走さまでした。」
幽々子「ご馳走さま。」
妖夢「食器、片付けてきます。」
幽々子「えぇ、お願いね。」
「……。」
幽々子「それで、この後はどうするのかしら。」
「帰るよ、紫の所に。いい加減帰らないと……。」
幽々子「その方が良いわね。紫、ああ見えて寂しがり屋だから。拗ねちゃってるかもしれないわ。」
「かもしれないね。でも、許してくれるかな。」
幽々子「勝手に出て行ったこと、かしら?」
「うん。」
幽々子「それは、流石に分からないわ。でも、大丈夫よきっと。」
「だと、良いけど。」
幽々子「紫の所に戻ったら、べったり甘えてくるでしょうね。」
「あはは……。あっ、妖夢の手伝いしてくるよ。」
幽々子「ありがとう、助かるわ。」
「妖夢~手伝うよ~!」
………
幽々子「ふふっ……。あんなに思われて、幸せ者ね紫は…。」




