白玉楼ですよ、白玉楼
妖夢「着きましたよ、天照様。」
「ゼェ……やっと……ハァ…着いた…ハァ…。」
妖夢「やはり、私もお持ちした方がよろしかったのでは。」
「これから泊まらせてもらうって言うのに、何もしないのは嫌なんだよ……。(それにしても…相変わらず長い階段……。)」
妖夢「大丈夫ですか?」
「ふはは…余裕ですよ。さぁ、入ろう。」
ガラッ
……………玄関
妖夢「少々お待ち下さい。」
「うん。」
妖夢「幽々子様~幽々子様~。」タタタッ
「ふわぁぁ~」
………
ガラッ
妖夢「幽々子様、ただいま戻りました。」
幽々子「あら妖夢、お帰りなさい。天照も一緒なのね。」
妖夢「ご存知でしたか。」
幽々子「当たり前でしょう。私は、この白玉楼の主人なのよ?誰が来たかなんて、すぐに分かるわ。」
妖夢「あの、幽々子様、それでですね。」
幽々子「良いわよ、泊めてあげても。」
妖夢「よろしいのてすか?」
幽々子「えぇ、断る理由なんて無いじゃない。それに……(もしも断って風邪でもひかれたら、紫になんて言われるか)。」
妖夢「それに?何ですか、幽々子様?」
幽々子「……なんでも、無いわ。さぁ、いつまでも玄関で立たせては可哀想じゃない。上げてあげなさいな。」
妖夢「はい、只今!」
……………
妖夢「お待たせ致しました、どうぞ。」
「それじゃ、お邪魔します。」
…………
妖夢「荷物は此方へ、置いて頂けますか。」
「はいはい、よっと。」ドサッ
妖夢「それでは、居間まで御案内します。」
スーッ
幽々子「いらっしゃい、天照。」
「こんにちは幽々子、今日はお世話になるよ。あっ、これお土産。」
幽々子「あらあら、悪いわね~。妖夢、お茶を煎れて頂戴。」
妖夢「はい、幽々子様。」
………
幽々子「美味しいわ~♪」
「それは良かった。」
スッ
「妖夢、どうしたの。」
幽々子「妖夢は今から修行の時間なのよ。」
「修行?」
妖夢「剣術の修行です。よろしければ、ご一緒にどうですか。」
「面白そう……私もやる。」
………
妖夢「……。」スッ
「……。」スッ
幽々子「それでは、始め。」
妖夢「参ります!」バッ!
幽々子の開始の合図と共に妖夢は木刀を構え、私に向かって走り出した。
カッ!
互いの木刀が目の前で交差する。
「くっ!」
…………
妖夢「はっ!やぁ!てやっ!」
「くっ!」
始まってからどれほど経っただろうか。私は妖夢の素早い攻撃に私は防戦一方だった。
幽々子「あらあら~♪」
幽々子は楽しそうな声をあげている。
「このままは……ちょっとマズいかも……。」
何か策を考えねば……。
…………
妖夢「はぁっ!」
「わわっ!」
カランカラン
妖夢の一撃で私の手から木刀が落ちる。
幽々子「勝負あり、そこまで。」
幽々子が終了の宣言をする。
「まだっ!まだ終わってない!」
幽々子「終わりよ、天照。武器も無いのにどう戦うつもりなのかしら?」
「……それは…。」
幽々子「再戦なら、いつでも出来るじゃない。それに、妖夢はこれから夕食の用意だとか色々あるでしょうし……ね?」
「………わかった。」
幽々子「そう、それなら良かったわ。そうだわ、天照。貴女、食事の前にお風呂になさい汗かいてるでしょう。」
「……。」クンクン
幽々子の言う通り、私はすっかり勝負に夢中になっていたらしく体中汗でベッタリだった。
幽々子「妖夢、先にお湯の準備お願いできるかしら?」
妖夢「かしこまりました、幽々子様。では、準備して参ります。」
妖夢は屋敷に向かい歩きだした。
タタタッ
「妖夢!」
妖夢「はい、何でしょう?」
「次は…次は…。」
妖夢「?」
「負けないから!」
妖夢「ふふっ……望むところです。」
…………
幽々子「あらあら~♪」
つづく




