朝の散歩
ちゅん…ちゅんちゅん…ちゅん
「………。」
幽香「Zzz…Zzz……Zzz……。」すーすー
「…………(結局、幽香さんの顔が近すぎて一睡も出来なかった)。……外出てみよう。」ボソッ
……………
ガチャ
「ん~!良い朝だな~。ちょっと周りを歩いてみようかな。」
…………
幽香さんの家の周りには、たくさんの花が咲いていた。中でも一際目を引くのは、向日葵だった。
「綺麗な向日葵。畑の向日葵も綺麗だったけど、この周りに咲いてる向日葵も凄い綺麗。良く手入れが行き渡ってる感じがする。」
私は太陽に向かって伸びる向日葵たちの中に手を伸ばしてみた。
「君たちは幸せ者だね、あんなに綺麗な人に育てらて貰えて…こんなに綺麗に咲いて。」
?「あややや?朝からセンチメンタルなムードですか?」
「へ?」
文「お早うございます!毎度お馴染み射命丸ですっ!」
「あややややや文ちゃん!?」
文「いや~。朝刊を配達している途中でお見かけしたのでもしかしてと思いましたが、まさか本当に天照さんだったとは。」
「……………(イヤな相手に見つかったなぁ)。」
文「紫さんに取材させて頂いた時に、大事な人がいなくなったと言っていましたが……。まさか天照さんでは無いですよね~?」
「さぁね。」
文「まぁ、違ったとしてもこれはネタになりますね。タイトルは『天照大神、風見幽香と一夜を過ごす!?熱愛お泊まりデート!!』これで決まりですね。」
「えっ!?」
文「早速記事にして号外で配らなくては!それでは、天照さん文々。新聞をお楽しみに!」
「ちょ、ちょっと!」
ビュン!
「行っちゃった………どうしよう。……とりあえず一旦家に戻ろう、幽香さんも起きてるかもしれないし。」
…………
ガチャ
「ただいま。」
幽香「あら、起きたらいないから心配したのよ。どこに行ってたの?」
「ちょっと家の周りを散歩してた。」
幽香「そう。それじゃあ、朝食にしましょう。作るこら手伝ってくれる?」
「うん、分かった。」
…………
「ご馳走様でした。」
幽香「お粗末様。天照、この後どうするのかしら?」
「特に予定は無いけど、とりあえず適当にフラフラしようかなって。」
幽香「ふ~ん……あっ、そうだわ。」
「?」
………………
幽香「これを、届けてくれないかしら?」
「これは、苗?」
幽香「えぇ。昨日、花屋に渡すつもりだったんだけど、渡しそびれてしまったの。お願いできる?」
「別に良いよ。」
「そう、それじゃあお願いね。」
………………
「それじゃあ、私そろそろ行くね。」
幽香「えぇ、なかなか面白かったわよ。またいらっしゃいな。」
「うん、それじゃあ。泊めてくれてありがとう。」
幽香「大丈夫だと思うけど、気をつけて行きなさい。」
「うん、さようなら幽香さん。」
幽香「また、会いましょうね。」
つづく




