怪しい取り引き現場
輝夜「この奥の襖を開けば、永琳たちのいる部屋へ着くはずよ。」
「本当に大丈夫なの?こんな煙玉一個だけで?」
輝夜「輝夜ちゃん印の特製煙玉よ?信じなさい!万が一捕まった場合は知らないけど…。」
「おい!」
輝夜「ええい!さっさと行く!」ドンッ!
「のわぁ!おっとっと!」ガクッ
ズザーッ!
「いったーい!畳に顔擦った~!」
輝夜「しーっ!静かに!大声出すと辿り着く前にバレるわよ!」
「輝夜だけ、あんなに離れて…。これも兎さんの為だ、我慢しなきゃ!」
…………
「ここだ。少しくらいなら開けても大丈夫だよね。」スーッ
………
紫「それで、例のアレはできているの?」
永琳「一応、手元に2つ完成したものがあるわ。でも、実際に効くかはわからない。なにぶん、サンプルがいないものだから。」
紫「庭にたくさんの兎がいるじゃない。」
永琳「あの兎たちは、てゐの言うことしか聞かないのよ。」
紫「ふ~ん。」
永琳「ところで、約束覚えてるわよね?」
紫「分かっているわ。その薬が私の要望通りなら、1日だけ天照を貸し出す。でしょ?」
永琳「えぇ。あの娘は興味深いわ…調べ甲斐がある。」
紫「そういう言い方、やめてくれる?あの娘は貴女の実験台じゃないわよ。」
永琳「分かっているわよ。言葉のあやよ。」
……
「なんだろう、良く聞こえないよ。」
?「………。」
「でもこれ以上開けると流石にバレるよね。」
?「ふんっ!」
ドカッ!
「ぐあっ!」
ドサッ!
「だっ、誰!?」
?「悪く思わないで。こうしなきゃ、私達は…。」
「あっ、貴女は……。」
ぱたっ。
………
?「あらあら。意外と早かったのね。さぁ、連れて行きなさい!」
つづく




