輝夜姫の難題
「待って!ウサギさ~ん!」
今、私は永遠亭の庭先で白い兎を追いかけていた。
「待ってよ~!少し触るだけだから~!うわっ!」ガッ!
ズザザーッ
藍「大丈夫ですか天照様?」
「痛たた。……藍!何か良い方法ない!?」
藍「良い方法ですか?やはり餌をあげてみては如何でしょうか。」
「餌…。兎が食べるって言ったら、やっぱり人参だよね。」
藍「まぁ、そうですね。」
「じゃあ人参貰ってくるね!」
藍「えっ!?いきなりですか!?」
「大丈夫大丈夫!行ってくるね~!」
藍「あっ、天照様!……行ってしまわれた。大丈夫だろうか。」
…………
「ちくしょう、迷った。…あ~もう!なんでこんなに広いの!4人暮らしでこの広さはいらないでしょ!」
輝夜「人の家にケチつけるんじゃないわよ。」
「あっ、蓬莱ニート。」
輝夜「誰が蓬莱ニートよ!良いかしら天照、私は働かないんじゃないの。私に合った仕事が無いだけよ。」キリッ
「ニートはだいたいそう言った能書きをたれるんだよ、輝夜。」
輝夜「へぇ~。良いのかしら、そんなこと言っても。」
「どういう意味?」
輝夜「これ、な~んだ?」
「はっ!人参!」
輝夜「そうよ。永遠亭に住む兎たちが食べるてゐ特製の人参。天照、貴女今欲しいんじゃない?」
「そっ、それは…!」
輝夜「別にあげても良いのよ?」
「本当!?」
輝夜「ただし!私の言うことを聞いてくれたらね。」
「何をしろって言うの?」
輝夜「簡単なことよ。今、奥の部屋で永琳とスキマ妖怪が何やら話し合いをしているの。その内容なんだけど、永琳が新しく作った薬のことらしいのよ。」
「それで?」
輝夜「その薬を取って来て欲しいのよ。その新しく開発された薬を。」
「え~!嫌だよそんなの!下手したら実験台にされちゃうかも知れないじゃん!」
輝夜「断るの?兎たちを諦めるの?」
「うっ。」
輝夜「ここの兎は一匹懐くと後は警戒せずに一気に寄って来て可愛いのになぁ。」
「分かった!分かったよ!行くよ!」
輝夜「そう。物分かりが良くて助かるわ。それじゃあ、よろしく~♪(くくっ、計画通り。)」
つづく




