血戦!紅魔館!
レミリア「ここよ。」
レミリアの妹、フランドール・スカーレットがいる場所は地下にあった。
「あの、レミリアさん。つかぬことを聞くけれど何故に地下に部屋があるのかな?」
レミリア「お父様の言いつけなのよ、フランは地下にって。」
「そうとうぶっ飛んだ人だったんだね。」
レミリア「お喋りはここまで。パチェ、開けて頂戴。」
地下室のいかにも重そうな鉄の扉には魔法の札が数枚貼られており、さらに魔法の術式の陣まで施されていた。
「随分と厳重だね。まるで猛獣でも中にいるみたい。」
パチュリー「開くわ。」
ギギギギィ
鉄の扉が軋んだ音をたてて少しずつ開いていく。
レミリア「パチェ、もう良いわ。」
扉は半分開いた状態で止まる。
レミリア「さぁ、天照。中へ。」
「レミリア。」
レミリア「何かしら?」
「貴女が次にこの扉を開けた時、貴女はそんな馬鹿なと言う。」
レミリア「それは、予言かしら?」
「いや、運命だよ。」
レミリア「運命を操る能力を持つ私に対して、面白い発言ね。まっ、期待してるわ。それじゃあ、頑張って頂戴。」
ギギギィ
扉が閉まっていく。
バーンッ!
完全に閉じ込められた。部屋の中は薄暗くなった。そこは部屋と言うには殺風景過ぎる感じだ。あるものはベッドとトイレ、僅かばかりの本だけ。天井には、空がはっきりと見える小さな窓がある。
「こんな所に400年も…可哀想に。」
フラン「誰…?」
部屋の奥に、その少女はいた。七色の宝石のような羽、薄暗い中でも分かる金色のサイドテール、血に染めたような赤いワンピースを着た少女、フランドール・スカーレットが。
「こんにちは、フランドール。私の名前は天照大神、貴女のお姉さんの友人よ。」
フラン「お姉様の友達?」
「そうよ、フランと遊ぼうと思って来たの。」
フラン「フランと遊んでくれるの?」
「えぇ、何をして遊ぶ?」
フラン「それじゃあ…戦いごっこ。」
「…っ!」ゾクッ
フラン「簡単には壊れないでね?それじゃあ始めるよ…キュッとして…。」スーッ
「っ!まずい!」
フラン「ドカーン!」ギュッ
ドゴーン!
「石壁が、一瞬で粉々か…パチュリーに聞いてたのより厄介そう。」
フラン「次、いくよ?」
これは骨が折れそうだ。
………
レミリア「天照、上手くやってるかしらね。」
咲夜「お嬢様、やはりこのようなやり方は……。」
レミリア「ここまで来て、今更止めるなんて出来ないのよ咲夜。私には見えたの。天照が、あの神様らしくない神様が妹を、フランを救ってくれる姿を。」
パチュリー「レミィ、これで地下の状況が見られるわ。」
レミリア「ありがとう、パチェ。………さて、どうする天照。」
………
フラン「あはははは!ほらほら、どんどんいくよ!」
ヒュン!ヒュン!
「まったく、綺麗な花火だねこれは。」
フランは次から次へと色とりどりの光弾を放ってくる。
フラン「じゃあ、これはどう?グランベリー・トラップ!」
「さっきよりは弾幕が薄い、これなら!」ヒュッ
フラン「あはっ!残念!」
「しまっ!」
気づいた時には遅かった。薄い弾幕の裏に密度の濃い弾幕が待ち受けていた。
「ぐああぁぁ!」
フラン「あはははは!まだまだいくよ!禁忌〈フォー・オブ・アーカイド〉!」
「フランが四人!?分身ってことか。」
フラン「どうする、天照?」
フラン「終わりにする?」
フラン「それとも、まだ」
フラン「続ける?」
「まだまだ!こんなものでへこたれるもんですか!」
………
パチュリー「押されてるわね。」
咲夜「そのようですね。何故、天照様は反撃なさらないのでしょう。」
レミリア「フランを無傷で治めたいんじゃないかしら。」
咲夜「しかし!このままでは天照様が…。」
パチュリー「………。」
………
「はぁはぁ!」ぽたっ…ぽたっ
フラン「大丈夫?すごい血だよぉ?」
「このくらい平気。続けよう!」
とは言ったものの血を流し過ぎたみたいだね。ふらふらしてきた、血で視界が悪い。
フラン「でもすごいよ、天照はぁ。フラン、こんなに楽しいの初めて!」
「それは良かった。気に入ってもらえて。」
フラン「でも、もう飽きちゃった。だから、これで最後。レーヴァテイン!」
「やっと武器を出した。なら、私も出すとしよう。」
もう少し、もう少しだけ保ってね私の身体!
つづく




