582.悶えて(セヴィル視点)
お待たせ致しましたー
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(セヴィル視点)
何をされた?
とても心地よい夢を見ていた気がしたのだが。
何故、目が覚めたと同時に……カティアが目の前にいるのだ?
目が覚める直前に、口に柔らかいものが感じた気がしたのは……まさかカティアが?
俺に、触れてくれた?
それも口付けを!?
俺の寝起きは自他ともに認めるほどの最悪なものだと言うのに、フィルザス神やサイノスがいると言うことは……たち向かわされたと言うのか!?
危険な目に遭ってまで!?
俺は慌てているカティアの腕を掴み、自分は起き上がってすぐに向き合った。
「カティア!? 怪我はしていないか!?」
「あ、はい。サイノスさんに結界を張っていただいたんで」
「……俺には触れれるようにか。しかし、今何をした? 俺を容易に起こせるなど」
「え、え、その……」
愛らしく目を伏せがちでいる仕草は堪らないが、床に散らばる家具やほっとしているサイノスを見る限り……フィルザス神がカティアにやらせたのだろう。
カティアをベッドの上に残し、フィルザス神に近づけばケラケラと笑っていた。
「何をさせた?」
「いいじゃーん? うまくいったんだし」
「良い悪いの問題ではない。カティアが怪我をしないと言う保証はないんだぞ?」
「ちゃんとフォローもしたのに」
「何をさせた?」
「んー? 寝ている君に口付けさせただけ〜」
「なっ!?」
照れやすいカティアになんと言う仕打ちをさせるのだ!?
カティアに振り返れば、ベッドの上で羞恥に耐えているのかうつ伏せになっていた。本当に、俺に口付けをして起こしてくれたのか?!
二人きりであれば、在らん限りの感謝の心を伝えるのに……サイノスとフィルザス神もだが、はしゃいでいるクラウの前で出来るか!?
「とりあえず、ゼル」
この気持ちをどこにぶつけられればと思っていると、サイノスに肩を叩かれた。何がとりあえずなのだ!?
「……なんだ」
「あの方法ですんなり起こされるのなら、カティアと一緒に住め」
「は?」
「昨日エディも言ってたじゃないか。即実行しろ」
「…………それは」
例えばこの部屋で、カティアが共に生活してくれる?
カティアは綺麗好きだから、汚したりの心配はないが……って、そうじゃない!!?
「ぼ……僕、同棲始めてなんですよぉ」
可愛く悶えている姿も愛らしく、是非すぐに住もうと口から出かかったが。
せめて、この部屋に出入りするのから慣れようと言うことにはなった。俺の気持ちもまだ青く整っていないからだ!!
この部屋に毎日愛しい存在が居たら、俺とて悶えが止まらないぞ!?
次回は日曜日〜




