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【完結】ピッツァに嘘はない! 改訂版  作者: 櫛田こころ
第十七章 異界のバカンス旅行
558/616

558.魔術内容について(カイツ視点)

お待たせ致しましたー








 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(カイツ視点)










 カティアちゃんを含め、神王家の方々がバカンスに行かれている今。


 俺の仕事は、以前とほぼ変わらない業務となっていた魔術省での雑務もだが、簡単な書簡の手続きくらいなら任されるようになってきた。


 去年は軽くではあったが、罪を犯した俺なのにカティアちゃんのおかげで日常は戻るどころか良い意味で変わりつつある。


 俺で教えられる魔術を改めて復習したりして、初心者の彼女にわかりやすく教える方法を模索していると……先輩方や上司、後輩までも俺に協力してくれるようになったんだ。


 カティアちゃんのためはもちろんだけど、正直言って嬉しい。


 今まではただの仕事仲間でしかなかったのに、あの子が関わってきたことで……語り合う時間が増えるだなんて思わなかったから。



「魔術の基礎を教えたのなら、そろそろ適性の元素を見極めるべきだろう。何が得意そうだった?」



 特に上司は意欲的に相談に乗ってくださる。魔術省のトップだから、当然その疑問はわかっていらっしゃったのだろう。俺は正直に伝えることにした。



「料理人と言うこともあり、火と水は得意ですが……生活していく上での最低限な術ばかりです。術内容に関しては、創生神様のお教えがあったことで無詠唱を可能にはしていますが」

「創生神様がか。……大胆だが、荒っぽい教え方だからな」

「……長はご存知で?」

「俺がお前くらいの歳の頃、陛下はまだ王太子ではなかった。創生神様は無邪気な子どものように、陛下と遊び回っていたからな。簡単に言えば悪戯好きの子どもと同じだ」

「……ご本人の前で言えますか?」

「……ここだから言えるだけだ」



 黑の世界を管理する子どもの姿の神。


 唯一神であるあの方を外見だけで判断してはいけないのに……カティアちゃんもだが、陛下方は対等の存在として接している。俺には絶対出来ないことだ。



「……とりあえず。ご帰還なさってからは、元素の引き出し方からでしょうか?」

「そうだな。無詠唱を行使するのは、理論をある程度理解してからが良い。幼いが、陛下方に認められる至高の料理人であれば頭は悪くないのだろう?」

「……下手したら、大人顔負けです」

「…………一度、俺も会いに行くべきか?」

「大丈夫だと思いますが」



 閣下が一番のお気に入りとされているのに、すこーし変な噂が立っているんだよな? ご親戚ではあるらしいけど……なんか異常に好かれているような?


 まさか……とは考えがよぎったが、すぐに打ち消しておいた。

次回は月曜日〜

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