523.親友の激変(ファルミア視点)
お待たせ致しましたー
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)
……やばい。
(めちゃくちゃやばいわ!?)
私じゃないわ、カティよ。
正確には、奏樹だけど……そこは置いといて。
現在は『カティア=クロノ=ゼヴィアーク』っていうひとりの少女なのだけれど。
あの子が私のように、死後転生して別個体に生まれ変わったのとかそういうのじゃないのよ!
奏樹の頃から、ちょっとボーイッシュな美少女タイプで多方面から人気があったのに。
現在のカティ……身体的な縛りが外れて、蒼の世界でいう二十歳の年齢に成長したのだけれど。
色彩が金髪虹目っていうコスプレ並みの特殊カラーのせいもあって。
(セリカ以上の超絶美少女に出来上がったじゃないの!?)
私もまあまあの外見ではあるけれど、それ以上よ!!
ゼルが合流出来た時に……何かはしたでしょうけど、お似合い過ぎなカップル成立じゃない!? ゼルの身が保つかしら? 今でさえ、めちゃくちゃ過保護なのに……。
「すっごい美人さんになっちゃったね?」
饕餮らが待機しているパラソルに向かっていると、リースが私にこそっと言い出した。ゼルの親友だから、それはそれは気になっていたでしょうね?
きっと、私のカティへの心配と同じ意味で。
「……でしょう? 前世でも色合いを除けば、あの子そのままよ」
「えぇ? 大丈夫かな? ゼルの御名手って発表するにしても」
「……そこは大丈夫だと思うけど」
どこぞの馬鹿貴族とかが付け狙うとかがないとも言い切れないわ。セリカの時でも、帰還後に計画が動きかけたってエディからは聞いていたし。
あの時の、まだセリカの気持ちを自覚する前のエディですら凶悪な表情になってたんだもの。従兄弟のゼルなんて、冷徹宰相の異名があるからそれ以上が予想出来る。
リースはそこを懸念してそうね。
「……けど、まあ。ゼルがどんどん人らしくなっていくのは、俺としては嬉しいよ」
そうはっきり言った、夫の横顔は……とても安心し切っていた。
私もそれについては嬉しいと思っている。前世と今の親友が、本来なら二度と叶わないと思ってた恋を実らせたんだもの。
たとえ、同じようで違う存在の今だったしても。
「……そうね?」
「けど、なんでフィーまで変わっちゃったんだろ?」
「……んー。神のみぞ知るってやつかしら?」
だって、私の夢路で出会ったクロノソティスと瓜二つくらい似てるもの。彼とかが関わっててもなんら不思議ではないわ。
次回は月曜日〜




