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奥の手と奥の手

 槍と槍が幾重にも交差して火花を散らす。

 速度はほぼ互角。

 幻想種のカードとしては驚異的な速度だ。


「アクセル……」


「させるかよ!」


 冬馬が槍を薙ぎ払う。

 バフスペルを唱える間も無く後方へ退く。

 そこにさらに追撃を受けた。


 一人槍衾。

 そんな表現がよく似合う。

 さばききれなかったらあっという間に蜂の巣だ。


 なら、相手がこれより強い聖獣のカードを温存しているうちに倒すべきだろう。

 僕にも、奥の手はある。


 僕はカードホールドに眠るスキルツリーを呼び出すと、あるボタンを念じて押した。

 その瞬間、冬馬は後方へと弾かれたように後退していた。


「幻覚……か?」


 唖然として言う。

 僕の周囲には、僕がもう二人いた。

 正確に言えば、僕の分身だ。


「ユニークスキル、分身。速度も攻撃力も同等の分身だ。一対一で苦戦しているようじゃ僕は倒せない」


 そして、三人の僕は槍を掲げて、同じポーズを取った。

 槍の穂先が光り輝く。


「一閃投華金剛突!」


 三つの光が冬馬に向かって走る。

 冬馬はカードホールドに触れていた。

 技の溜めから着弾までそれぐらいしか動ける時間がなかった。


 砂埃が舞い上がる。

 その中から、青く光る目が見えた。

 冬馬は、無傷だった。


 玄武のホルダー、聖獣のホルダーがそこにいた。



続く




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