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いえ、私はただの人魂です。  作者: esora
聖炎の守護者
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107 夢の出会い

 声が聞こえる。

 子供のすすり泣く声だ。

 ぎょっとして起きるコスモスの目に映ったのは、ボロボロの布の塊だった。

 眉を寄せて近づけば、それがヒトだということが分かる。

 少し離れた場所から聞こえる血の気が多い声に、その塊はビクッと大きく震えた。

(怯え、恐怖。霊的活力(オーラ)も弱い。私には関係ないけど、見捨てるわけにもなぁ)

 どうせ夢の中なのだから好きに動いても問題ないだろう。

 何かあったらその時は、その時の自分に任せると頷いてコスモスは塊に触れた。

「!?」

 跳ねるように揺れた体は石のように硬直してしまったがコスモスとしては好都合だ。動き回れるくらいの活力を与えて戸惑う彼に、付いてこいと囁いてその場から移動する。

 意味が分からないという顔をする彼を先導して安全なルートを探り、身を隠せるような場所まで無事にたどり着くことができた。

 自活できそうな場所がある、というのは夢ならではである。

 小さな森に住む魔物は弱く嫌な気配もあまりない。

 木の実や川があり、小動物も生息しているので狩猟ができれば食べるには困らないだろう。

 住処は昔誰かが住んでいたらしい廃墟を掃除して、補修をする。

「マスター、次は何しますか?」

「そうね。物覚えがいいから他に教えることはあまりないかなぁ」

 ボロボロでボサボサのヒトには見えない彼はもういない。

 ここにいるのは人懐っこい顔をして獣人の特徴である耳と尻尾をユラユラさせている愛くるしい少年だ。

 幸運だったのは森が彼を受け入れてくれたことだろう。

「僕はまだまだ教わりたいです!」

「そうは言ってもねぇ。あぁ、衣食住が確保できるようになったんだから協会に行かなきゃね。すっかり忘れてたけど」

 本当ならば真っ先に協会に行くべきだったのだろうが、後回しにしてしまった。後でどうとでもなるだろうと楽天的に考えていたせいもあるのかもしれない。

 協会という言葉に首を傾げる少年は、自分が作った不恰好な椅子に座って足をパタパタさせている。

「魔人協会のことよ。照会すれば家族や仲間が見つかるかも」

「それは……無理だと思います」

「村、焼かれちゃったから?」

「そうです。あの火事じゃ他には誰も残ってません」

 それでも一縷の望みにかけてみたいとは思わないのだろうか。

 トラウマでもあるだろう過去の出来事を思い出しているのか、少年は俯いて眉を寄せた。しかしすぐに宙に浮くコスモスを見つめてこう告げた。

「僕、この世界の住人じゃないです」

「ふーん。転生? 転移?」

「え、マスターそこ驚くとこですよ」

「いや、意外とありふれてるんじゃない? 珍しいと思ってるのは本人だけだったりしてさ」

 何となくコスモスの元いた世界を匂わせるような発言をしていたため、もしかしたらそうかもしれないと思っていただけに納得してしまう。

 しかし、少年はそれが逆に意外だったようで「本人だけ……」と何故か残念そうに呟いていた。

(私のことはどう思ってるのかな。まぁ、夢の中なんだから頼れる精霊的なものだと思ってくれればいいけど)

 自分も転移者ですと言う気がないコスモスは、達観したような雰囲気を出しながら彼女の入れたお茶を飲む少年を見つめた。

「へへへ」

「落ち込んだり喜んだり、忙しいわね」

「だって、ドン引きされると思っていたから嬉しくて」

「で、転移なの? 転生なの?」

「たぶん、転生だと思います。だって、獣耳と尻尾の生えた人間なんていないでしょ?」

 元の世界で彼がどういう人物だったのかはよく分からないが、少なくとも獣耳と尻尾は生えていなかったらしい。

(その元の世界とやらが、私と同一だってこともないんだろうけど)

 危機感がないのか、覚えている転生前とやらのことを話し始める彼にコスモスは首を傾げた。

 世界観は自分が住んでいた世界にとても酷似している。しかし、同じ状態の異世界など他にも無数にあるかもしれない。

 そう考えると、似ているというのは恐怖だなと思った。

(間違えて違う世界に帰りそう。いやいや、私は五体満足の健康体で無事に自分の世界に帰るわよ)

「それで、思い出したんです」

「小さい頃の病気がきっかけ、か。それにしても転生の理由が恐ろしいのによく平気でいられるわね」

「うーん。もう、終わったことなので」

「というか知り合い程度の女の子から刺されて死亡って、何やからしたらそうなるのよ」

「僕が聞きたいです」

 ただの同級生に待ち伏せをされて、どうかしたのかと思っていたらいきなり鋭利な刃物で滅多刺し。

 薄れ行く意識の中でどうして自分がこんな目に遭うのかと思っていたとケロリと告げる彼に、コスモスの胃が痛くなる。

「思わせぶりな態度をしていたとか」

「あまり会話もしたことないですし、接点もないのに? 残念ですけど、前世の僕はモテるようなタイプでもないですよ。地味で平凡な男子生徒だと思います」

「相手は?」

「うーん。可愛い子だと思います。男子人気が高いというか、クラスの中心にいるようなタイプの子で校内でも有名みたいな」

 ますます分からない。

 ぐぐぐ、と首を傾けていたコスモスは慌てて顔を正面に戻して顎に手を当てた。彼の顔を見ていると嘘をついているようには思えない。

 ならば、人違いかとも思うのだが人違いで滅多刺しにされるものだろうか。

(そういうのもあるかもしれないけど……ま、いっか)

「だから、前世の記憶を思い出したとき正直嬉しくなっちゃって」

「嬉しい?」

「はい。自分は選ばれた人間なんだってそう思ってたんですけど……獣耳と尻尾が生えてる獣人というだけで能力は平凡でした」

 どれだけ可能性を試してみても平均以上になるのは難しい。

 主人公になれると思っていたと呟く彼の言葉に、コスモスは溜息をついてデコピンをした。

「主人公って何のよ」

「何って、この世界の?」

「あのね。自分がこの世界に転生して存在する以上、他に似たような境遇のヒトがいないわけないでしょ」

「あ……」

「それでも中には木の棒一本で強敵を倒すようなおかしい奴がいるかもしれないけど。転生したから、転移したからって賞賛され注目されるような能力を与えられると決まったわけじゃないのよ?」

 彼の夢を潰すようで申し訳ないが、世の中そんなに甘くない。それはどこでも同じだろうとコスモスは彼の頭を撫でる。

 髪が乱れるくらいぐりぐりと撫でられた少年は叱られた子供のような顔をして俯いてしまった。

「マスター、木の棒で強敵倒すとかなんかゲームでも知ってるみたいですね」

「知識としてよ。そういう話は良くあるもの」

(本当によくあるかどうかは分からないけど)

 うっかりしてしまって不信感を抱くだろうかと思ったコスモスだが、少年は目をキラキラさせて見つめてくる。どうやらそんな心配は必要ないらしい。

「貴方の憧れる主人公みたいになりたいって思うなら、そう思われるように貴方が努力するしかないでしょ?」

「無理ですよ。僕平凡ですもん」

「平凡であっても、誰かの憧れになるかもしれないじゃない」

 どこで誰が見て憧れるかなんて分からないのよ、とコスモスが言えばハッとした顔をして少年が彼女を見つめる。

 偉そうに言い過ぎたなと後悔しながらその様子を眺めていると、彼はニコニコと木の実をすり潰して作った焼き菓子を口に入れた。

「そっか。僕でも誰かの憧れになれるかもしれないんですね」

「そうね」

「へへへ。他の世界に行ったら理想の自分になれるって思って、やっぱり僕じゃダメだって落ち込んでましたけど元気出ました!」

「そう。それは良かった」

 少年らしい考え方はコスモスには眩しい。

 面倒だ、早く帰りたいと思っている自分が情けなく思えて彼女は溜息をつく。

 それでもコスモスにとって、自分の世界に無事に帰ることは何にも替えがたい望みだ。

「今日は干し肉と薬草の作業を終わらせて、明日協会に行こうね」

「はーい。街に行くならちょっと多めに作りますね。売れるといいなぁ」

「処理が丁寧だから売れるわよ。分かってると思うけど……」

「干し肉は携帯食料で持っていくだけです。貴重な食料だから売りませんてば」

(自分には秀でた才能なんて無いと言うけど、物覚えは早いのよね。干し肉加工も、薬草の種類選別と乾燥も丁寧だし)

 獲物を弓で仕留める正確さ、罠の仕掛け方、野草の毒判別に気配の消し方。

 魔物に奇襲をかけて倒す素早さも回数を重ねるごとにキレを増している。

 最初は教え方がいいからかな、と冗談で思っていたコスモスだったがこれが獣人たる彼の才能なのかもしれないと思うようになっていた。

 



(……いいところで起きちゃった)

 ぼんやりとした頭で、もう少し眠っていたかったと思いながらシュミレートするのは街にある魔人協会までのルート。

 その前に馴染みの店主がいる道具屋で薬草を売る。他の店でも買い取ってくれるのだが、彼の丁寧な仕事ぶりをちゃんと評価してくれるのはあの店くらいだ。

 加工するための素材として薬草は低価格で売られているのが一般的だが、下処理の仕方ひとつでその後の効果も変わることが多い。

 自分で素材を調合することも多い店主だけに、彼の腕を正当に評価して仕事までくれる。

(褒めて伸ばしてくれるし、ご飯も食べさせてくれるからあの子も大好きなのよね)

 大きく欠伸をして起き上がったコスモスは枕元にある堅い何かにぶつかって動きを止めた。見覚えの無い本がそこにある。

(誰が置いたのかは知らないけど、読めってことね)

 手に取れば本にかかっていた革のベルトがカチリと音を立てて解ける。術がかかっていたらしいが、嫌な気配はしなかったのでコスモスは表紙を捲った。



「おはようございます」

「随分と早いな」

「朝食を一緒にと思いまして」

 朝食が乗ったワゴンを押しながらにこやかに入室してきたのはトシュテンだ。

 彼の気配を察していたアジュールが声をかけると、笑顔を崩さぬまま彼はそう答える。

 ベッドの上にいたコスモスは裏表紙を閉じて深く息を吐き出す。

 頭の中に色々な情報が入ってきて軽い眩暈がするが、通常よりも早く読み終わるこの方法は便利で助かった。

「なにやら熱中されているようですが、朝食をいだたいてからにしませんか?」

「私は読み終わったから、これ貴方に」

「よろしいのですか?」

「知らないわ。朝起きたら枕元に置いてあったの」

「残念だが私ではないぞ」

 ふわふわと移動してきたコスモスから本を受け取った瞬間、トシュテンの眉が僅かに寄る。魔力の気配を感知したのだろう。

 コスモスもアジュールも彼の反応を気にせずに、運ばれてきた朝食をいただく。

「オールソン氏も食べてからにしたら?」

「いえ、こちらを先に。ご一緒せず、申し訳ありません」

「いいよ。気にしないで。そっちが優先だろうし」

 本に目を落としつつも言葉遣いは相変わらず丁寧だ。ペラペラと捲る速さにちゃんと読んでいるのか疑問になりつつコスモスは体に優しいスープを飲む。

 柔らかいパンを食べながら、ここへ来た初日のことを思い出した。

 自分達の為に用意された食事の美味しさと、もてなしてくれる心が嬉しかった。

 気さくな王様と、可愛らしい王子様。彼らを慕う臣下に囲まれ、とても穏やかでいい国だなと思っていたあの時。

(まさかこんなことになるとはなぁ。フラン王子は大丈夫かしら)

 大丈夫なワケがない。

 すぐに己に突っ込みを入れたコスモスはデザートを食べ、紅茶を飲みながら無言で読み進めていくトシュテンへ目をやった。

 アジュールも用意された朝食は平らげて、暇そうに伏せている。

「はぁ。これは……本当に、何と言うか。彼らは……この存在を知らないでしょうね」

「多分ね。知っていても読めないと思う」

「これは私が預かってもよろしいですか?」

「もちろん。私が持っててもしょうがないし」

 本には魔術で施錠されていたことを話し、コスモスは遅れて朝食を摂り始めるトシュテンを見ていた。

 彼は礼儀が悪いということを謝罪して王子と大臣、他の臣下達の状況をコスモスに教えてくれた。

 緘口令が敷かれているが王は行方不明ということになっているらしい。

 聖炎の間の壁に大きく開いた穴については、壁を壊した何かが王を攫ったということになっているとトシュテンはコスモスに告げた。

「それが一番でしょうね」

「ええ。昔も姫が行方不明になり、王妃が突然消えたりしていますから。王が消えても対処はできるでしょう。魔物のような何かに攫われたが不安を与えないようにそれを知るのは国の重鎮と一部の騎士や兵士だけとなっています」

 それすらも嘘だが、それを嘘と知るのはあの場にいた者たちだけだ。

 つまり、コスモスとアジュール、それにトシュテンの三人と王子であるフランと大臣のロータルの二人だけが真実を知っているということになる。

(王様が黒い蝶の力で竜になって飛んでいきました、なんて言えるわけがない)

「すぐに対処できちゃうのも何だかなと思うけど」

「確かにその通りですが、国の安寧が一番ですからね。国民に動揺が広まってからでは大変ですから」

「うん」

 本当に危険だったのは王妃ではなく王で、それをもっと早く見抜けていたらこんな状況にはならなかったんだろうかとコスモスが思っていると、アジュールがフンと鼻を鳴らした。

「マスターは入れ込みすぎだ。他国のことなど適当に流しておけばいい。そんなことではこの先もたないぞ」

「分かってるけどさ」

「ふふふ。そこが御息女の良いところでしょう。慈悲深く慈愛に満ちているその在りかたは正にマザーの娘ですから」

 アジュールの言葉はもっともだ。ある程度の力と地位にいるからといって困っている人全員を助けられるわけではない。

 本当に力を持つ選ばれた者ならば、今回の件も未然に防げていただろう。

 少年(あの子)にも言ったように誰でも主人公(ヒーロー)になれるわけではない。

 できるだけのことをするしかないのだ。

(結局、私も未だに自分が主人公になれるかもしれないってどこかで思ってるのよね)

 肉体もどこにあるか分からない人魂の身でありながら、マザーの娘という地位とそれなりの能力を持っているからと得意気になっていたのかもしれない。

 全ては周囲に支えられて何とか上手く進行していただけなのに。

「オールソン氏、今日の予定は?」

「この部屋に待機していただきたいと言いたいところですが、朝食後に王子とロータス氏が話をしたいと」

「分かりました。エステル様から連絡はないんだけど、いい? 呼びかけてみようか?」

「いえ、エステル様は暫く忙しいと思いますので無理に接触する必要はないかと。こちらの状況はお伝えしていますから」

 そんな事ができるのか、とコスモスが呟くとトシュテンはにこりと微笑んで食後のお茶を飲み始めた。

 優雅な仕草でカップに口を付けるトシュテンがなかなか話さないので、焦れたコスモスが近くにいた火の精霊を彼に向かって投げる。

 スッと首を傾け精霊を避けたトシュテンは「大丈夫ですよ」と笑う。

「エステル様が休息の為に祠に戻られたと御息女が言った時には、既に祠は攻撃されていたようです」

「は?」

「相手は何者か不明ですが、祠を防衛する戦力は過剰とも言えるほどですからね。難なく撃退したとのことです」

「ほぉ。霊廟から帰った時には既に攻撃を受けていたか。まるで邪魔するようなタイミングだな」

「祠の結界は強力なものですが、エステル様の気を引くには充分ですからね」

 楽しそうな表情をするアジュールに頷いてトシュテンもそう答える。二人の会話を聞きながらコスモスはポツリと呟いた。

「エステル様にこれ以上は介入されたくないってこと?」

「かもしれませんね」

 何故かコスモスの頭には竜になってしまった王の姿が浮かんで、渋い顔をしてしまった。エステルに協力を求めておきながら、一方で拒む。

 まるで、相反するものが同時に存在するかのような印象だ。

「王は完全に乗っ取られてはいなかったのかもね。私の目じゃそこまで詳細には分からなかったけど。本来の自分とそうでない自分、それか他人の間で揺れていたのかも」

「私もそれを考えていました。もしかしたら私の言葉が王の心を折って完全に支配されてしまったのかもしれないと」

「お前でもそう考えることはあるんだな。どちらにせよあの侵食具合ではもう戻ることは無理だったろうが」

「アジュールは気づいていたの?」

「いや。表面上は上手く繕っていて、そういう匂いもしなかったから気づくのは遅れた。土地柄、色々な香辛料の匂いが漂うだろう? それに誤魔化されたのかもしれんが全く情けないことだ」

 気づいた時に教えてくれれば良かったのにと思うコスモスだが、主たる彼女に害がなければこの獣はそういうことを言ったりしない。

 言う時もあるが言わない時も多く気まぐれだ。

 どうなろうが知ったことじゃないという態度は相変わらずだなと思いながらコスモスはテーブルの上を片付け始める。食べ終わった食器をワゴンに運んでいると、トシュテンも空になったカップをワゴンに乗せテーブルを綺麗に拭く。

 城で働く使用人にやってもらうような仕事なのだが、コスモスは普通の客ではないために使用人の立ち入りは禁止されていた。そのためライツやトシュテン、時折訪れるグレンが世話をしてくれるのだが基本的に自分でできるのでコスモスは苦に思ったことはない。

「さて、そろそろ参りましょうか」

 ワゴンを押すトシュテンに続いて部屋を出るが廊下は静かなもので、人の気配があまりしなかった。城内でも奥の方に位置するからだろうかと思いながら、コスモスは兵士の数がいつもよりも増えていることに気づく。

 恐らく国宝の部屋であんなことがあったから警備が厳重になっているのだろう。

「オールソン殿」

「ああ、これはグレン殿。貴方も呼ばれたのですか?」

「はい。大まかな説明は聞いております。このワゴンは他の者に運んでもらいましょう」

「ありがとうございます」

 トシュテンとアジュールの姿を見つけて近づいてきたグレンは、挨拶を交わすと近くにいた兵士を呼んでワゴンを頼む。そして軽く屈んでアジュールを撫でようとしたのだが、グルルと威嚇する彼に残念そうな顔をして手を引っ込めた。

(説明聞いてるわりには冷静だわ。まぁ、慌てたところでどうにもならないんだけど)

 流石だなと思うコスモスは、知った魔力の気配を感じてライツも呼ばれていることに気がついた。彼とミリィと、もう一つ知らない気配がする。

 魔力はライツよりも強いがどこか懐かしさを感じて首を傾げてしまった。



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