第11話:女子校生、チョーピンチ!?
ついに、ヤツが動き出す……ッ!?
結界の中で、清の霊力の奔流が巻き起こる。
ビシッバシッバチバチッ、とまるで電流が炸裂しているかのような轟音が、辺り一帯に響き渡る。しかしどこも、結界の中も、電流らしきモノが流れているようには見えない――当たり前の話だ。
そもそも霊力とは、目には見えぬ力。
確かにあるハズなのに、見る事が叶わない――この世を構成する、一つの要素である。
簡単に言えば、電磁波や音波などの波動のようなモノであろうか。
それぞれには人間には認識できず、それ以外の存在――鳥などの動物やハエなどの昆虫には認識できる波長が存在するのだから。
そしてもしかすると、世界中を探せば霊力を見る事ができる特殊な目の持ち主がいるかもしれないが……それはまた、別の話。
清の見えざる霊力が、結界内で乱反射しながら幽霊へと激突する。
本来であれば、幽霊という存在を構築している霊子や幽子やエクトプラズミック細胞と呼ぶべきモノを破壊していなければおかしいそれは、幽霊に衝突した瞬間、まるで傘に当たりし雨の如く弾かれ、またあらぬ方向へと飛んでいく。だが、そのあらぬ方向には結界がある。清の霊力を、余す事なく反射する結界が。
込める霊力の出力を、清はさらに上げた。
霊力の波動は、清どころか神でさえも予測不能であろう乱反射を繰り返しながら幽霊へと、まるでジャングルのスコールの如く襲いかかる。けどまたしてもそれらは弾かれる。だが清は諦めない。さらに出力を上げる。
すると、ようやく変化は起きた。
幽霊の存在が、一瞬揺らぐという変化が。
まるで壊れかけのTVの画面を見ているようだった。
まさか幽霊と思っていたモノは、そもそも幽霊ではなかったのか。
誰もがそう思いかねない、阿倍野清の祓い屋史上最も現実味を感じない不可思議な現象だ。
するとその直後、清の直感が告げる。
その現象の先にあるモノこそが……今回の案件の謎の答えに繋がると。
「この……ッ! 持ってけドロボー!!」
清は、本気を出した。
他の祓い屋が突き止められなかった答えへと王手をかけた。その直感が彼を突き動かす。というか目の前の幽霊とかつて相対した祓い屋の中には、死津喪にて開催された集会の時に……清を陰で小馬鹿にしていた者もいた。そんな連中が、できなかった事――目の前の幽霊の謎を解き、さらには穏便に成仏させる事ができれば。阿倍野清は連中に勝てる。見返せる。連中に対し胸を張れる。今こそその分水嶺。
プロとしての意地。
商売敵への負けん気。
それらが清の心を……霊力酷使の〝反動〟を思わず忘れさせるレヴェルまで高揚させる。
そして、清は。
当たり前だがぶっ倒れた。
しかし彼の犠牲は、無駄ではなかった。
「…………えっ? こ、これって……!」
清が倒れる直前。
霊視担当の葉子の双眸が……ついに何かを捉えた。
「阿倍野!!」
「阿倍野さん!!」
ボビーと静が、倒れた清に慌てて駆け寄った。
葉子はしばらく、驚愕のあまり幽霊と向き合っていたが、ボビー達の声を遅れて認識し、すぐに事態を把握して清に駆け寄り――。
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――その瞬間。
彼女は、意識を失った。
「「ッッッッ!?!?!?」」
清どころか葉子までもが昏倒し、ボビーと静は目を見開いた。
まさか幽霊にやられたのだろうか。だが、幽霊が何かをしたようには、二人には見えなかった。ならば、いったい何が起こったのか。霊力を行使する訓練を受けていない二人には何も分からない。
――だけどまず、倒れた二人の安全を確保しよう。
しかしすぐに、正体の知れぬ〝何か〟への恐怖を押し殺して……ボビー達はそう決断した。
ボビー達は、正体不明の敵がどことも知れぬ場所から正体不明な攻撃を仕掛けてきた程度で、自分達が依頼した二人を身勝手にも置いて逃げるような無責任な人間ではないのだから。
「「『オイ、不用意に触れるな』」」
そして、行動に移そうとしたその瞬間。
ボビー達は、知らない存在達の声を聞いた。
まるで見られたくない場面を見られた時のように、二人の体が硬直する。まさか幽霊の声か、と思ったが、女性の声だけでなく男性の声も同時に聞こえた。なら、相手は誰なのか。
ボビーと静は、ゆっくりと声のした方を振り向いた。
するとそこにいたのは、白いアオザイを着た十歳前後の少女。
そしてアオザイ少女と同じ顔で、同じデザインの青いアオザイを着た十歳前後の少年だった。
状況からして、あまりにも怪しい二人だ。
そのため、ボビーはすかさず「誰だ」と訊こうとした。
「『男はともかく、娘には触れるな』」
だが先に、少年の方がボビーに言う。
「『おそらく強力な思念波のようなモノを受けたのだろう』」
大人の女性の声が同時に聞こえるという、奇妙な声で。
「『とりあえず、聖水でも清めの塩でも何でもいい』」
今度は少女の方が口を開いた。この少女からも、どういう理屈が働いているのか同じ女性の声が、少女自身の声と同時に聞こえる。
「『とにかく浄化した防護服で二人を運べ。そして一度、本土に避難だ』」
いったい何がどうなっているのか。
ボビーと静には、理解できなかった。
しかし、何が正しいのか分からないこの状況だ。
とにかく二人は、謎の少年少女の言う通りに行動を開始した。
いやぁ、アンリ○ユとか衛星アー○は恐ろしいですね(ォィ




